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<ミャンマーで今、何が?> Vol.111
2014.09.10

http://www.fis-net.co.jp/Myanmar

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■テインセイン大統領の第三回目の欧州訪問

 ・01:テインセイン大統領がEU諸国訪問

 ・02:ヤンゴン近郊の土地価格急騰

 ・03:今年は補欠選挙無し

 ・04:ダンマゼディの大梵鐘、その後

 ・05:世論調査の人口統計は5100万人

 ・06:ヤンゴンのエネルギー会社社長を逮捕

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01:テインセイン大統領がEU諸国訪問

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今週10日間、テインセイン大統領は国賓として欧州3カ国を歴訪中である。ドイツ⇒スイス⇒オランダの3カ国である。前回は2013年2月25日−3月8日のノルウェー、フィンランド、オーストリア、ベルギー、イタリア、そして2013年7月14−20日の英国およびフランスに続いての今回は第三回目の欧州訪問である。新政権発足以来、ミャンマーは欧州各国の政府首脳および経済界トップの訪問ラッシュを受けていたが、テインセイン大統領の訪欧は当然ながらその答礼でもある。

初期の海外訪問では、ピッチの早すぎる改革路線に保守強硬派による不在中のクーデターを心配する報道も飛び交った。しかし、国内の和解と安定を目指して着々と手を打ってきた大統領にとって、反政府武装グループとの平和交渉の最後の詰めに入った現在の大統領は、隣国タイやアラブの春のその後の混迷と比較すると、余裕の態度さえ窺え、海外の一流紙との独占インタビューでも、2011年3月の新政府誕生後の経緯を冷静に総括している。

逆に大統領不在中のミャンマーでは、以下の通りあまり刺激的なニュースは見当たらないようだ。むしろ、ニュースのないのはミャンマーが安泰な証拠と見ていただきたい。



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02:ヤンゴン近郊の土地価格急騰

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8月22日にYCDC(ヤンゴン市開発委員会)がヤンゴン地区ニュータウンの開発計画を発表して以来、土地価格は急騰している。この開発計画地区近くを貫通するラインタヤ−トゥワンテ道路両側の原野は急激な値上がりを示し、5年前には20ftx40ft区画で150万チャットだったのが、現在は3000万チャットとなり、1エーカーの土地価格は1500万チャットが10億チャットに値上がりした。

YCDCのラーミエン市長は8月22日市議会で3万エーカーのヤンゴン西部開発計画を明らかにした。対象区域はパンライン川、トゥワンテ運河、ライン川、ラインタヤ−トゥワンテ道路に囲まれた区画である。7兆チャットと80億米ドルが投入され、この計画の70%は3年以内に完了するとしている。この計画では手頃な価格のアパート2万軒、2千名の生徒を収容できる学校、2千名の高齢者住宅、6車線幅の架橋6つを想定し、資金調達に関しては、民間開発業者および投資者に対して入札を呼びかけている。欧米のプレッシャーが功を奏し始めたのか、入札決定の透明性はヤンゴン市政府が保証するとしている。



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03:今年は補欠選挙無し

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連邦選挙委員会は9月7日、今年は補欠選挙を行わないと発表した。5月20日の時点では、空席の35議席をめぐる補欠選挙を、アセアン会議が終了する11月−12月頃に施行すると発表していた。その理由としては2015年の総選挙の準備があり、今年11月のアセアンホスト国としての義務もある、さらに現在の67政党が候補者を立てて闘うには負担が多すぎるとしている。

そして来年の総選挙は2015年11月になりそうだと示唆した。現在の国会は上院が224議席、下院が440議席となっており、その25%は国軍が指名権を保持している。



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04:ダンマゼディの大梵鐘、その後

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この引き揚げ作業の総責任者サンリン氏(前回の肩書きを訂正します)は、近々声明を発表する予定だとして、レポーターの質問には沈黙を通した。

この捜索活動は8月5日に開始し、8月26日には沈没している正確な位置を確認できたとして、数日中に引き揚げが行われると発表していた。連日岸辺には大勢の見物客が押しかけ、その一人は捜索チームは何かを隠していると語っている。

歴史書によれば、この大梵鐘は1484年モン王国のダンマゼディ王治世中に鋳造され、400年以上も川床に眠っている。これが陸上に引揚げられることになれば、国内外で大きな話題となると期待されている。



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05:世論調査の人口統計は5100万人

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今年3月末の時点でミャンマーの世論調査が施行された。このほど発表された予備集計では予想を大幅に下回り、ミャンマーの人口は51,419,420と発表された。その内訳は、男性24,821,176名、女性26,598,244名の構成となっており、都市部では、ヤンゴンが5,209,541名、マンダレーが1,225,133名、ネイピードが1,158,367名と発表された。これは国連の大々的な支援を受け、施行されたものだが、海外に居住する120万人以上のミャンマー人は含まれていない。そしてミャンマーの現状を反映して、ラカイン州、カチン州、カレン州など国境地帯で反政府武装グループが支配する地域、ミャンマー政府がミャンマー国民として認定しないラカイン州のロヒンジャーなとは含まれていない。このため、正確な基礎数値としては疑問視する向きもあるが、少なくとも国連の支援を受けてミャンマー政府が把握した正式な人口である。これらの数字はあくまでも仮集計で、最終数字は今年末から来年にかけて発表されるとしている。



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06:ヤンゴンのエネルギー会社社長を逮捕

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ヤンゴン警察の発表によれば、Natural Force Co.,Ltd.のウ・イエトゥンチョウ社長(35歳)は家宅捜査の結果、麻薬取締法違反の容疑で8月29日逮捕された。自宅の旅行かばんからは“R”と“WY”の印が押されたアンフェタミン覚醒剤(ATS)200,000錠と350gのヘロイン塊を押収し、同時にピストル2丁と弾薬14発も見つかった。本人はラカイン人で、最近新設された資金調査特捜部によって、マネー・ロンダリングの容疑も調査されることになっている。なお、同社のウェブサイトによれば、同社はミンガラタウンニュン町区に2007年に登録され、ミャンマー・オイル&ガス・エンタプライズ(MOGE)、インドのONGC・ESSAR、韓国の大宇・現代、タイのPTTEPと取引があるとしている。

最期に名前を挙げたのはエネルギー業界としては超一流どころである。日本を含めて世界の特捜部の仕掛けは、最初は小物を逮捕して、それから徐々に本丸を狙うこともある。そしてテインセイン大統領の第三波の掛け声は汚職撲滅である。マネー・ロンダリングは海外の一流どころとの接点でもある。

はたして、小物の麻薬取締法違反で終わるのか、大物を燻り出すきっかけになるのか、様子を見守りたい。



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