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<ミャンマーで今、何が?> Vol.16
2012.10.23

http://www.fis-net.co.jp/Myanmar


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■今こそミャンマーへの投資チャンス

・01:今こそミャンマーへの投資チャンス
・02:スーチー議員がインドを訪問
・03:テインセイン大統領がUSDP党首に再選
・04:英国のスピットファイア機をミャンマーで発掘
 ・05:カンボザ銀行の取付け騒ぎで中央銀行が介入

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・ミャンマーで今、何が?

■今こそミャンマーへの投資チャンス


<01:今こそミャンマーへの投資チャンス>

タイの日刊英字紙ザ・ネーションがミャンマーで成功した実業家サージパン会長のバンコクでの講演内容を伝えている。

タイの投資家、特に製造業と観光事業は3年以内にミャンマーへ投資すべきだ。

さもなければ、総選挙(2015年)後は世界の大企業が雪崩れ込みミャンマーでの競争は激化するだろう。

Serge Pun & Associates(Myanma)のサージパン会長はテインセイン大統領の政治・経済改革を行うという力強い発言で今後9年間は良好な年が続くと予測する。

テインセインあるいは野党のアウンサンスーチー、どちらが選挙で勝利を得ようとクリーンなリーダーシップによる改革は約束されている。

常識的に見ても問題ないと見てよいだろう。しかし、最初はお金を投資すべきではない。時間を投資しなさい。3日間という時間を投資することをお勧めします。

その3日間をヤンゴンそしてネイピードで費やしてください。チャンスの匂いを嗅ぎ取るのです。もし、嗅ぎ取ることができなかったらミャンマー投資は止めたほうが良いでしょう。あなたはビジネスマンではないからです。バンコク銀行が開催した「新しいミャンマーへ投資。最初の一歩を踏み出すのは今!」と題するとセミナーでサージパン会長はこのように語った。

このセミナーは投資家としての銀行顧客に50年間世界から孤立し、今その関係を再構築し始めたミャンマーの最新情報を提供するために銀行が開催したものである。

同氏によれば、4百万人規模の職を創出したいとする政府目標を満たすためにミャンマーでは製造工場が必要とされていると語った。

そしてミャンマーのリゾート地はタイよりも数が多いと語った。しかし、昨年ミャンマーを訪れた入国者はたったの300,000人で、今年の予測も700,000人程度とみている。だから、製造業と観光事業関係の投資であれば先ず間違いはないであろう。

“確かにインフラはお粗末だが、それも間もなく改善されていくだろう。これまでと違い、十分な資金が真っ当な分野へ直接使用されていく”と同氏は付け加えた。

ミャンマーには豊富な資源と勤勉な労働力があり、チャンスは至るところにあると同氏は見ている。警告するとすれば、タイの投資家は長期的思考で利益を追い求め、短絡的な賄賂は使うべきではない。

欧米の投資家は35年以上をかけて投資し、このタイ王国に時間をかけて変化をもたらしてきたと賞賛されている。アジアの投資家は短期的な見方で思考し、環境責任を度外視する傾向があるとサージパンは指摘する。

“短期的な見方は止めたほうが良い。さもないとマイナスの結果しか得られないだろう。これからはプラス思考の経営でいくべきだ”と語り、一方で、アジアの兄弟国・隣国など世界の支援で、ミャンマーには理想的なリーダーが次の総選挙で生まれようとしている。そしてすべての人々がともに栄える環境が整うと同氏は語った。

さらにミャンマー駐在のPisanu Suvanajataタイ大使も次のように発言している。

今後3年間ミャンマーの展望は明るい。なぜなら来年は1969年以降始めて東南アジアゲーム(SEA Game)を主催し、2014年にはアセアン諸国連合のホストを務めることになっている。これらの式典は更なる改革を後押しし、ミャンマーと友好な相互関係を築いてきたタイにとって順風満帆の船出が期待できる。

タイとミャンマーの両首脳は経済発展協力に関する会談を今年だけですでに3回も行った。大使の目から見て、今後最低3年間は両国関係が停滞するとは考えにくい。

“タイの投資家は今こそミャンマーに確固たる拠点を確保する時だ。総選挙の後に何が起こるか誰も予測できない。すべてが予測通りに進展すれば、世界の巨大企業との厳しい競争がミャンマーでは起こるだろう。だが、それではもう手遅れだ”と同大使は語った。

この3年間という限られた時間枠で、規則の不明瞭さ、事業運営費の割高さ、法律の未整備は解決されていかねばならないと同大使は付け加えた。



<02:スーチー議員がインドを訪問>

40年間という空白期間を埋めるように、野党リーダーのスーチー議員が11月13日インドを訪問する。

滞在予定は約一週間で、11月14日には権威あるジャワハルラル・ネルー記念講演をデリーで行うとインド政府が発表した。

デリー以外の地域も訪問するが、インドの各政党リーダーとの会談も含めて旅程の詳細は現在調整中といわれている。マンモハン・シン首相は今年5月にヤンゴンを訪れ、個人的にスーチー女史を招待しデリーでの同講演を依頼している。スーチー女史は1992年にこの名誉あるジャワハルラル・ネルー賞をインド政府から付与されている。

インドは1960年に母親のドー・キンチーがインド大使に任命され、同行したスーチーはニューデリーの高校で学び、1962年からニューデリーのレディ・シュリラム・カレッジで政治学を学び学位を取得した思い出の地である。

スーチーが最後にインドを訪問したのは1987年で、当時シムラの学術機関でヒマラヤ研究を続けていた夫のマイケル・アリスと再会するためであった。

これまでのスーチー議員の海外訪問を点検すると、隣国タイの世界経済フォーラム出席を除いて、英国のオクスフォード大学、ニューヨークの国連本部、そして来月のインド訪問と、彼女自身の海外における歴史的足跡を辿るようなセンチメンタル・ジャーニーとなっている。

であるならば、1969-1971年に京都大学東南アジア研究センターの客員研究員として来日し、父アウンサン将軍について歴史研究を行ったという事実から、日本政府はスーチー議員に日本招聘のアプローチを行っていないのだろうか?当然行っている筈だが、今のところ日本政府からのコメントはない。



<03:テインセイン大統領がUSDP党首に再選>

ミャンマー議会で絶対多数を占める政党USDPは10月16日その党首にテインセイン大統領を満場一致で再選した。これは昨年3月テインセイン大統領が就任以来初めて開催されたUSDPの党大会である。

元将軍のテインセイン大統領は就任後、政治的・経済的改革を強力に推し進め、ミャンマーを孤立した鎖国社会から国際社会へとデビューさせることに成功してきた。そして経済環境も離陸の端緒についたところである。

当初の下馬評では、シュエマン副大統領が党首に推挙されるとの噂が大勢を占めていたが、10月14日の党大会初日にテインセイン大統領および内閣全員が出席するとムードは一転してテインセイン大統領の党首続投が決定したと言われている。

しかし、テインセイン大統領は国務多忙で、今後3年間実質的なUSDPの実務はシュエマン副大統領が遂行することとなった。

USDPは旧軍事政権の代理として2010年に総選挙を挙行し、スーチー女史率いる政党NLDがボイコットした総選挙で総議席数1,154の内883議席を獲得した。しかし、今年4月の補欠選挙では野党NLDが実質上全勝し、2015年に予定される総選挙での挑戦が見ものとなっている。



<04:英国のスピットファイア機をミャンマーで発掘>

英国が約70年前に隠匿したと言われる何十機というスピットファイア戦闘機を第2次世界大戦の宝物として発掘する許可を英国の熱狂的航空機愛好家がミャンマー政府から獲得した。

この航空機愛好家はDavid J. Cundallで、数年間探索を続けたのちにこの飛行機を今年初め発見し、その状態は良好だとされている。

詳細は不明だが、Cundallによれば、これらは戦争末期に当時大英帝国領のビルマに向けて船積みされ、使用されずに梱包ケースに入れられたままで放置されたていたとしている。

この愛好家によれば、世界中でも整備の行き届いたスピットファイア機は3ダースほどしか残っていない。この単座戦闘機は機長9.1m、翼長11.2mで、梱包された胴体には翼はついていないと推測される。

英国大使館によれば、今年初め英国のキャメロン首相が訪緬時にテインセイン大統領と会談し協定が結ばれたとしている。

この発掘作業は10月末までには開始されるとしている。

日刊のMyanma Ahlin紙によれば、10月23日に発掘協定書が民間航空局のTin Naing Tun事務局長、英国のDJC社の代理人Cundall、Cundallのミャンマー側パートナーShwe Taung Paw company社Htoo Htoo社長との間で締結された。

“David Cundall氏が木枠で梱包された飛行機が埋蔵された場所を突き止めるのに16年を要した。最低60機のスピットファイアが埋蔵され、その状態は良好と我々は推定する”とHtoo Htoo Zawは語っている。

“世界中には数多くのスピットファイア機があるかもしれないが、この歴史的な戦闘機をミャンマーの人たちに見てもらいたい。戦闘機の発掘作業はミャンマーと英国の関係強化に役立つ”と同氏は語った。



<05:カンボザ銀行の取付け騒ぎで中央銀行が介入>

10月5日、ミャンマー最大のカンボザ銀行で取付け騒ぎが発生し一日で約$10.5百万の預金が引き出された。これはカンボザ銀行のトラックが密輸品を積載しているとして警察が押収し、同銀行のAung Ko Win会長が逮捕されたとの噂が起きたためである。

カンボザ銀行とミャンマーの中央銀行はこの噂を否定し、パニックを起こした預金者に対して同銀行の80ヶ所の支店には十分な資金があると保障した。しかし、信用を取り戻すのに数日を要すると思われる。

“我々の経営は健全で緊急事態が発生しても購入した中央銀行債を見返りに中央銀行から資金の供給を受けることができる”と同銀行のThan Lwin副頭取はロイター電に語った。

カンボザ銀行はAung Ko WinのKBZグループ傘下で、同グループは2つの航空会社とルビー・翡翠・サファイアなど富裕な鉱山採掘権を所有し、これらは旧軍事政権時代No.2のマウンエイ将軍と親密な関係でその認可を得たとされている。今回の騒ぎはミャンマーの脆弱な銀行システムをこれからオーバーホールしようとする矢先のことで最大の試練となった。

ミャンマーは豊富な天然資源、安い労働力、地政学的利点など様々な投資魅力が喧伝されているが、インフラと併せて経済的不安定さなどのリスクも存在することを喚起させる事件であった。



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