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<ミャンマーで今、何が?> Vol.176
2016.01.06

http://www.fis-net.co.jp/Myanmar

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■2016年はアナタ次第

 ・01: 年初に想いを馳せる

 ・02:原点に戻る

 ・03:さあ、これからどうすべきか?

 ・04:英語攻略は総力戦で!

 ・05:週刊メルマガの運命はアナタ次第

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01:年初に想いを馳せる

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友人から年末の挨拶状をもらった。そのなかに、ミャンマーではクリスマスの12月25日が国民の祝日だったのですねとあった。彼はかなり以前からミャンマーに出入りし、ミャンマー事情に詳しい日本のビジネスマンである。

その一方で、大晦日の12月31日(木)も、新年の1月1日(金)も祝日扱いではなく、まったく普通の出勤日であった。

その代わりといっては何だが、2016年のミャンマーは4月9日(土)から4月20日(水)まで豪華な水祭り連休となる。

ヤンゴンに居候する身分として、日本式を持ち込むのではなく、ミャンマーの伝統にしたがい、正月気分抜きで、ひっそりと2016年をスタートした。

だが、週刊メルマガ「ミャンマーで今、何が?」をご愛読いただいた皆様には、年賀に代えて、トロピカルのヤシの木陰より、熱く厚く御礼申し上げます。

ところで、ミャンマー人の配慮は、形式的な日本式と異なり徹底している。今年2016年のカレンダーを見ても、宗教的に休日赤印になっているのは、12月25日だけである。だが、さすがに仏教国といわれるだけに、お釈迦様に対しては手厚く、毎月の満月日は何らかの祝日となっている。その代表的なものが、4月水祭り明けの満月日で、これがミャンマーの新年となり、そして10月雨期明けのダディンジュが火祭りで気分は一気にハレとなる。

カレンダーに赤丸は記載されていないが、ヒンドゥ教にも、イスラム教にも配慮している。

ヒンドゥ教の“ディワリ”あるいは“ディパバリ”と呼ばれる火祭り、およびイスラム教ラマダン明けの“イードゥ・デイ”はそれぞれの法学者が毎年、月の満ち欠けを見極めたうえでその国、その地方で決定する。

それぞれの宗教の最高機関から報告を受け、ミャンマー政府はその日を祝日扱いのガゼット・ホリデーとして新聞紙上で発表する。それを受け、国際港であるヤンゴン港もその日の荷役は休日割り増しになると港湾局が慌てて発表する。

こうやって見てくると、中東から中国にかけてのオリエント(東洋)という広大な地域では“月のリズム”が伝統的にも、身体的にも、身分相応なのではないだろうか。イスラムやヒンドゥの新月・三日月・満月もそうであるし、あれだけの大変革を行ってきた中国国内ですら、そして華僑が幅を利かすアジア諸国でも、旧正月を新暦に変えるリスクは犯していない。

日本は無理して西洋式を採用し、カレンダー屋にも便利な新暦の固定日を休日とする方向で進んできた。確かに、効率的なのかもしれない。多分、効率的なのだろう。だが、そこには“月のリズム”を排除し、“東洋の魂”まで失ってしまったような気がする。

2016年という年は、明治維新から引き算してもわずかに148年しか経過していない。だがその間に、原因不明の現代病が、そしてメンタルな病が、日本人を襲っている。そして、得体の知れないサプリとかいう薬漬けになった日本人が多数生まれる。

これは“月のリズム”を忘れてしまった報いではないのだろうか。ワタシはいま非科学的なことを口走っているのだが、多くの日本人がミャンマーを訪ねてなんとなくホッとすると言う。何となく遠い昔の懐かしさに出会えると言う。なぜなのだろう。それをこのヤンゴンでずっと考え続けてきた。

その懐かしさは日本人専用ではない。特に、この国を支配した英国人も、そして連合軍として第二次世界大戦に参戦したアメリカ人も、表現しがたい懐かしさがこの国にあると言う。彼らは太陽暦採用の大先達である。

オリエント(東洋)の背景には“月の砂漠”が良く似合い、“十五夜お月さん”がふさわしい。だが、“月のリズム”は近代科学によって今、地球上から駆逐されようとしている。長寿を誇る今よりも、人生わずか50年の昔が、中味の濃い人生が感じられる。ましてや、32歳で人生を終えた坂本龍馬やアウンサンの時代ですら、人生を真剣に必死に生きていたような気がする。



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02:原点に戻る

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この週刊メルマガの第一号は2012年7月10日に創刊された。
準備段階の宣伝用として、その前に、表題となった「ミャンマーで今、何が?」、そして「センチメンタル・ジャーニーbyザ・レディ」の二本をお届けした。バックナンバーを参照いただければ幸甚です。

この手のミャンマー情報は、当局が勘違いして、別件逮捕につながる恐れがある、そういう時代であった。

だから、主題はスーチーさんの「英語」が堪能でなければ、ミャンマーの民主化は実現できなかったなどと、好き勝手なことを書いた。

2011年11月16日、オーストラリアからバリ島に飛ぶ大統領専用機“エアフォース・ワン”機上のオバマ大統領とスーチーさんは当意即妙のジョークを交えながら会話をしている。この電話こそ、米国の大統領がスーチーさんにその決意を確認した歴史的な事件であった。

その前年の、2010年11月13日、約15年間の自宅軟禁からスーチーさんが解放されると、一番最初に祝いの電話を掛けてきた外国の政府高官はヒラリー・クリントン国務長官であった。ヒラリーの深謀遠慮が、そして米国の戦略が見て取れる。

その都度、彼女は通訳なしに、その英国調の英語で応答している。直接、オバマ大統領と国家の一大事を優雅に話せる非英米系の外国人はそうざらにはいない。それだけ稀有な存在だということだ。

彼女の父親であるアウンサン将軍は、それはそれはお粗末な英語を喋っていた。学生時代の話である。だが、彼の集中力は並外れていた。そして「英語」を徹底的に生涯勉強した。ビルマの独立を勝ち取るロンドンにおける直談判で、アトリー首相と伝説的な粘り強い交渉を続けた。その成果が、1月4日の独立記念日である。

ついでに暴露すると、ニュースというものは東西南北から飛び込んでくる。そこで東西南北研究所などとあやしげな名前を採用した。

だから、このメルマガではしつこいくらいに「英語」の話が出てくる。お上からお縄頂戴となったときに、いくらでも証拠品として提出し、日本とミャンマーの英語教育がどれほどお粗末かを折伏する理論武装の一環として準備していた。

そしてインターネットがそのころから一部で普及し始めた。だから、ミャンマーに関するニュースをグーグルで検索し、徹底的に読解していった。経験的に学んだのだが、さすがに一流紙といわれる、NYタイムズ、ワシントンポスト、ウォールStジャーナル、BBC、ロイター、ガーディアン、などは中味が濃く説得力のある記事を書く。中国新華社の英文記事も中国政府の考えが分かり、近隣国であるシンガポール、マレーシア、タイなどでは独自の取材網が発達している。

だから、この週刊メルマガは読者のためというのはまったくの言い訳で、ワタシ個人の英語修業の道場として、活用させてもらった。毎週これらの一流紙を読み続けると、かなりの分量となる、そしてそれを毎月、そして一年間、それを3年半以上続けた。それと同時に、日本語の文章修行も続けた。

このように勝手気ままなメルマガを一部読者は勘違いされて、ミャンマーの政治・経済をお伝えするメルマガだと評価してくださる。だが、2016年の年頭に当たり、告白して、お詫びすると、実情は上記のとおりである。そして、あっという間に3年半が過ぎていった。それから、懸念された国民総選挙は野党NLDの大勝で決着したのが、ミャンマーの今である。



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03:さあ、これからどうすべきか?

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学生時代、サラリーマン時代、徹底的にいじめられた「英語」へのお礼参り(リベンジ)をするのが、 この週刊メルマガの隠された意図であった。その真意は「英語のプロ」を目指したのである。

アウンサン将軍同様に終生、「英語」の学徒として精進するつもりだが、このシステムをミャンマーの若き学徒たちに役立てていきたい。リッチなファミリーは無駄な時間とカネを使ってシンガポールへでも行き、無駄な努力をすればよい。だが、ワタシのシステムは一歩もこの国から出ないで「英語のプロ」になる方法である。その方がリッチなお坊ちゃん・お嬢ちゃんよりもカッコよいのではないだろうか?

シンガポールのチャンギ空港で後ろから英語が聞こえてくる。その独特の発音で振り向かなくても、これは日本人だと一発で分かる。テレビで外国人と対談する学者先生でも日本式英語の乱発である。一流商社の駐在員も同様で、NHKの海外報道員ですら同様である。子音をきちんと発音できずに、独特の母音となる日本式英語だからだ。

その一方で、日本式発音はミャンマー人には分かりやすいと評判である。それはお互いに横波式英語の土壌があるからだ。

地震には縦波と、横波がある。英語は縦波で、日本語は横波だ。それを理解せずに義務教育の先生が明治時代の発音で授業するものだから、日本全国で日本式英語が英米式英語とは別個に乱造される。

日本人の英語教育は、文法を教えるころから、生徒の集中力がガタッと落ちてしまうことにお気づきだろうか。文法など教えるから英語の習得が停滞するのだ。

どの国でもそうだが、約3歳になるとどの子も母国語を流暢に話せる。特に母親との会話は賑やかなもんだ。母国語の習得で文法も、辞書も、教科書も、必要としない。どうして世界中で、約3歳になると、何ら教材も使わずに、母国語を自由自在に喋れるようになるのだろう。その秘密を教えてくれたのが、ヤンゴンの幼稚園児たちであった。

だから、その自然の学習方法を英語に応用すれば「英語のプロ」になれる。日本だけで育った子供たちでもBBCやCNNのアナウンサー程度にはしゃべれるようになる。日本の会社の社長さんでも、欧米人の重役連中と直談判を行ったり、個別接待で談笑することも可能である。それも、期間を一年に限り、夢が手に届くところまでもっていきたい。あとは本人しだいというところだ。ただし、条件がある。子供でも、社長さんでも、マン・ツー・マンの個人授業である。

これらのプロジェクトを2016年には実現したい。これまでのヤンゴン居候のお返しを少しは出来るかな。



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04:英語攻略は総力戦で!

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何とか日本語を聞いて・話せるミャンマー人はたくさんいる。だが、メールで読み・書
きのできるミャンマー人は非常に少ない。だから、ヤンゴン事務所開設となると苦労するのである。

英語も同様である。聞く・話す・読む・書くの総力戦で臨まねばならない。

「ザ・ソーシャル・ネットワーク」という映画を字幕無しで見る。フェースブックの創立者マーク・ズッカーバーグの物語である。この若くしてビリオネアになった主役を演じるのがジェス・アイゼンバーグである。ハーバード大学の食堂の場面でスタートするが、彼の話し言葉がメチャクチャ早い。機関銃のような英語だ。

2008年3月3日にディスカバリー・チャネルで放送された「インターネットの実話をダウンロードせよ」はインターネットの歴史に関するTVドキュメンタリーだ。ヤンゴンでは、日本語訳を削除された海賊版DVDが手に入る。これが英語の聞き取りには最高の教材となる。邦貨で150円ほどだ。

ネットスケープ、マイクロソフト、グーグル、ヤフー、アマゾンドットコム、Eベイなどの創業者、パートナー、CEO、上級技術者などに、そして大学教授などに、司会者のジョン・ハイルマンが直接インタビューしている。この司会者がまたべらぼうに早口だ。そしてシリコン・バレーの高給取りたちの英語もメチャ早い。

だが、これを縦波と理解すれば、かなりの部分が聴取可能となる。もし将来、彼ら同様に、米国の一流大学、例えばハーバード、MIT、コロンビア、スタンフォード、UCLAなどでMBAに挑戦しようと思えば、彼らの英語のスピードについていけなければ、間違いなくノイローゼになる。そして毎晩真夜中まで分厚い原書を何冊も読みこなせなければ単位は取れない。

一橋大学を卒業した大平正芳元首相の“アーウー”調の英語を一年間喋り続けたとしよう。同じ内容をハーバードの学生なら30分間で要領よく語るだろう。それくらいにアメリカの学生は早口だ。しかも、理論的である。英米ではディベートを通じて相手を説得させる訓練を積んでいる。日本では、国会の答弁でも、素人が聞いても笑ってしまうものがある。

ところが、このありがたいヤンゴンでは、中国製海賊版のDVDはいくらでも手に入る。それを利用しない手はない。

例えば、チャールズ・ファーガソン監督の「インサイド・ジョッブ」は2008年のリーマン・ブラザーズがどうして起こったかをしつこいほどに掘り下げて追いかけている。もちろん字幕は英語だけで日本語はない。だから、むしろリスニングの訓練にはなる。どうしても分からなければ、英語字幕を利用すればよい。

グリーンスパンFRB(連邦準備制度理事会)議長が米国上院の公聴会で立ち往生するところなど見せ場も一杯だ。それを自分がその場にいる感覚で学べる。

ビル・ゲーツもズッカーバーグもハーバード大学を中退している。ということはひとかどの人物になりたければ、大学など卒業しないことである。

アップルコンピューターも、スタートは車のガレージ(車庫)である。自宅の裏庭から事業は起こせるということである。

これらの伝説は、マーティン・バーク監督のビル・ゲーツとスティーブン・ジョッブスの激闘を描いた「シリコンバレーの海賊たち」(1999年)、ダニー・ボイル監督のパソコンの生みの親スティーブ・ジョッブスとアップルの歴史を描いた「ジョッブス」(2015年)でたっぷりと学ぶことができる。

これ以外にも、BBCの製作した各種のドキュメンタリーものは、他国の放送をはるかに凌ぎ、その英国式の英語は、シニカルな表現も含めて、“シット”や“ファック”だけで成り立つ米語の水準をはるかに超えている。その一方で、米国人のジョークも独特の味わいがある。

これらをヤンゴンから一歩も出ないで、大いに学べるのである。

そして今、2016年一月末には新しく選出された新議員が登院し、3月31日には新大統領による新政府が発足する。

ヤンゴンの日本レストランで、日本人同士で、情報交換しているだけでは、世界のビジネスとは勝負できないだろう。ビル・ゲーツやスティーブン・ジョッブスの第二世代が、いや第三世代がマシンガンのような早口で商機、そして勝機を狙っているのだから。軍事政権から民主政権に変わるというのは、そういうことである。



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05:週刊メルマガの運命はアナタ次第

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軍事政権は終わった。皆さん待望の民主政権の登場である。
そして週刊メルマガ「ミャンマーで今、何が?」の使命も終わった。

2012年の7月にスタートし、2013年はアセアン10カ国のオリンピック(SEAゲーム)、2014年はアセアンの議長国をミャンマーが担当し、2015年は国民総選挙が施行され、タンシュエ元上級将軍の政権移管を平和裏にというお墨付きももらった。

したがって、正確には新政府が登場する2016年3月31日まではこのメルマガも継続をお約束する。

だが、4月1日以降となると、大前提がすべて変わる。
ミャンマー劇場はまったく新たな出し物となる。

そこで続けるも良し、終了とするのも良し。

すべては読者の皆さんにお任せしたい。ブーイングがあれば、止めろとそれなりにご投書いただきたい。継続とすると、どういう観点から何をお伝えすればよいのか、読者の声をお聞かせいただきたい。

そこでワタシのヤル気を刺激するお声をお聞かせ願えれば、それなりに検討してお応えしたい。

チャンスを掴むのも、チャンスを見逃すのも、アナタ次第です。お互いに2016年を有意義に楽しみましょう。


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