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<ミャンマーで今、何が?> Vol.199
2016.09.15

http://www.fis-net.co.jp/Myanmar

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■ヤンゴンでいま、何が?

 ・01: 短く長かった日本滞在

 ・02:12名のミャンマー大使がロンドン集結

 ・03:大使すなわちアンバセダーとは?

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01: 短く長かった日本滞在

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大チョンボをしてしまった。

Wi-Fiが繋がった途端に、まだ推敲していない下書きが勝手に発信されてしまった。それが前回のメルマガである。それは使い勝手が分からないiPadにオタオタしている最中だった。

「碁石茶」の記事は中途半端だったので、賢明な読者は、このメルマガも耄碌したものと思われたに違いない。「碁石茶」の故郷は中国の雲南省と知った。 そこでピンときた。ヒントは司馬遼太郎にあると。 その通りだった。ヤンゴンでは入手不可能な関連書籍を求めて、市立図書館で片っ端から漁った。そして必要な情報をメモした。だが本人の知らぬ間に、指がiPadの"送信"にタッチしたようだ。

今回、日本では貴重な友人、新しい友人と出会えた。そして多くのヒントと刺激を受けた。それは、次回以降のメルマガで追々報告していきたい。そして自分が、世界の常識から取り残されていることを、痛感した。日本では情報が氾濫しすぎている。清と濁が混沌としている。それを見極めるには、醒めた眼力が必要だ。無駄な時間とお金とエネルギーと体力が消耗していく。

弊研究所の風土としてはやっぱりヤンゴンが適している。それを自覚してメルマガを本日から再開したい。

4年ぶりの35日間に大勢の人にお世話になった。その一人一人に礼状を準備中だが、発信済みは7割というところだ。同時に不慣れなiPadも猛勉強中だ。無造作に撮りためた写真の整理も。持ち帰ったかなりの書籍も早く目を通したい。ゲットできた音楽CDも、貴重なDVDも鑑賞したい。カビ臭いあばら家もクリーニングせねばならない。心ばかりの土産品もヤンゴンの友人に早く手渡したい。西方浄土への旅は、もうしばらく延期だ。

だが、こういうヤンゴンの忙しさは、なんとなく性に合っている。



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02: 12名のミャンマー大使がロンドン集結

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久しぶりに路上の茶店を訪れた。日刊英字紙GNLMを手にしてだ。軍事政権時代、政府のマウスピース(手先)と揶揄された保守ガチガチの新聞だ。今年の4月、水祭りの後から実質的に動き始めた民主的な新政権だが、論調が変わり始めた。半年経って、大統領を上回る権限を持つこの国家相談役を見る目が変わってきた。

同様にスーチーを見る外部の目も急速に変わってきた。もしスーチーを、昨日の目で見るなら、一国の舵取りも、そしてアナタ個人も、取り返しのつかない失敗を犯すだろう。本人が言明した通り、スーチーは正々堂々と憲法条項の力を借りずに大統領の上に君臨した。

もちろん、現行の非民主的2008年憲法には、25%の議席を占有し、軍部はいつでもクーデターを起こせると明記してある。だが、三軍の最高司令官は金縛りにあったように、その命令を下せない。何故なのだろう。国家相談役であるスーチーに世界の目が向いているからだ。その辺りのバランス感覚は見事だ。

スーチーは9月10日(土)ヒースロー空港に降り立った。米国への途次立ち寄ったのである。NYでの第71回国連総会に出席するのが本来の目的である。

数日間のロンドン滞在だが、国家相談役はミャンマーの大使たちをロンドンに呼び寄せた。馳せ参じたのは駐イギリス大使はもちろん。フランス、ドイツ、イタリア、オーストリア、ノルウェー、ベルギー、セルビア、ロシア、エジプト、クウェート、サウジアラビア、合計12カ国12名の大使である。



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03: 大使すなわちアンバセダーとは?

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外交使節の最上位の階級で、派遣国を代表する立場にあり、極論すると、国家そのものでもある。だから、呼びかけは一般的なミスターとかサーではなく、敬意を表してYour Excellency(閣下)と呼びかける。

したがって、今回ロンドンに呼び寄せられた12名のミャンマー大使は、それぞれの接受国において、ミャンマー連邦国家を代表する資格をもち、中立の立場を守り世界のすべての国と友好関係を築くことが最優先のミャンマーの外交政策である旨、国家相談役から訓令された。国を代表するこれら大使たちは、外務大臣も兼務するスーチーから指示を受け、就任後の各国事情をそれぞれに報告した。

このようにスーチー・ドクトリンは、まずは外交分野において着実にトップダウン形式で進められている。そして立ち寄った英国でも、新首相のテレサ・メイと対等に個別会談をこなし、民主化移行中のミャンマーに対する絶大な支持を取り付けている。英国は明らかに外務大臣としてのスーチーではなく実質的な国家元首としてスーチーに対応している。

父親アウンサン将軍が夢に描き成しえなかったことを、スーチーはいま一歩一歩推し進めている。その前に迎えられた中国ではハイレベルの外交関係を築きたいと釘を刺し、ラオスのASEANでは同グループのリーダーとして嘱望された。

そして国内では、未協定の国内統一平和協定を、 父親アウンサン将軍のレガシーである"ピンロン協定"という名前を復活させるなどで、スーチーのイニシャティブは国の内外でしたたかである。

この辺りの見極めが肝心なところであるが、それは次回以降にしたい。

スーチーが変わるなら、このメルマガもと思い、写真の取り込みなどをプロバイダーに相談するつもりだったが、日本での手持ち時間がなくなってしまった。失礼しました。iPadの習熟度が上がった段階で、もう一度ご相談の機会を検討したい。


今回はヤンゴンに戻りましたというご報告です。次回はもう少し内容のある纏まった記事を用意したい。

 



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