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<ミャンマーで今、何が?> Vol.214
2017.5.12

http://www.fis-net.co.jp/Myanmar

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■メルマガ復活 (その4)

 ・01: 診断書

 ・02: 付録人生

 ・03: メル友繋がり

 ・04:メルマガ式調査方法

 ・05:メルマガから学習したこと

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私事ながら、失神事故についてシツコク続けます。

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01: 診断書

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「Sick Sinus Syndrome (SSS)」: これが英文での病名である。
そして、診断の経過説明として次の記述がある。


「4月28日飲酒後、意識を喪失し、当病院に搬入された。
患者のelectrocardiographyはsinus bradycardia (HR 40-50)を示している。
もしsyncopeを繰り返すなら、人工ペースメーカーの移植が必要。
今現在、患者はその処置を望まず。(*本人自身はその意向を伝えた記憶が無い)


再度SSSで意識喪失を起こしたら、上記の適切な処置が必要。
ヨロシク」


となっている。
そして、患者の検体検査結果レポートと心電図が添付されている。
最下段に、担当医師2名の名前と署名。


これが聖路加国際病院の封書に収められ、宛先は将来「この患者を担当する医師殿 へ」となっている関係書類のすべてである。



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02: 付録人生

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前にも述べたが、ワタシの人生最後の目標は「英語の達人」を目指し、終生その学徒に徹することにある。
したがって、上記のような医学用語は、ワタシにとってヨダレが出るほどオイシイ単語である。これらの単語を欧米人の前でさりげなく喋ると、黄色い東洋人を見る目が間違いなく変化する。出来の悪い西洋人には、その意味を教えてやっても良いし、英語なんだから自分で調べろと言ってやっても良い。


だが、ワタシはこれらの英語を、まずは英和辞書で、それから百科事典で、そしてWikipediaでも徹底的に調べて自分のものとした。それでも納得できなければ医師に相談すれば良い。(余談だが、wikiはハワイ語で早く!早く!pediaはラテン語系で百科事典という意味だ) 、これがメルマガ原稿を4年間呻吟しながら、会得した我流である。


そんなことよりも、事件後二日間はボンヤリと夢遊病者のように過ごした。
その間も含めて、4月28日の事件前後について一秒間の空白もないように記憶のシミュレーションを何度も繰り返した。サドンデスは今後確実に起こる。明日の朝、明後日、それは分からない。だが、その日に備えて身の処し方を覚悟せねばならぬ。見苦しいクタバリ方は恥ずかしい。約束した友人との飲食を続けながら、頭の中では、最後の日に備えた。


できることなら、人生の最後は、ドクターのお見立て通り意識喪失症候群(SSS)であの世に行かせて欲しい。ワタシの性分からも寝たきりの長患いは体に良くない。銀座四丁目の御陀仏でも良かったが、ワイワイガヤガヤのparademic(上級救急救命士)3名のご尽力で、この世に連れ戻してもらった。そして今朝も目が覚めたら、まだ呼吸をしている。アリガタイ。これからは"拾った人生"である。



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03: メル友繋がり

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それ以上に嬉しかったのは、NSさん、WHさん達からの激励メッセージだった。そしてメルマガを通じて友人となり、ヤンゴンにまで訪ねてくれた多くの友人からの、お見舞メッセージもいただいた。
ヤンゴンで一度だけお会いしたYAさんからも"大変でしたね"のお見舞をいただいた。そのご本人が昨年末脳梗塞を発症し二ヶ月間の入院後、現場復帰を果たし、現在はアルコール抜きの、奥様の手料理で健康に留意されているとある。呉々もお大事に! 
生きていてナンボですから、お互いに人生を大いに楽しみましょう。


これらすべてのお便りが東西南北研究所を鼓舞してくれた。心より御礼を申し上げたい。


御礼を言いたい方はまだまだある。
このようにメルマガを私物化しているにも拘らず、どのような内容であろうと決してダメを出さない太っ腹のプロバイダー様様、(もちろん文責はすべてワタシにある)、そして週末近くの無理な時間帯にメルマガ原稿を送っても神技でアップロードしてくれるTKさん、
もう一人、今回の救急車、救急病院の突然の取材をテキパキと手配してくれたNJさん。彼との出会いもこのメルマガが切っ掛けである。ヤンゴン難民に保険証は無いと見当をつけ、健保の損得比較、保険加入の手続きまで調べてくれた。加えて、何でもお手伝いしたいとのメッセージも頂いた。本当に頭が下がる。


個々に礼状を出したいが、生来のナマケモノで、暫くはこのメルマガで心を込めて一括御礼を申し上げたい。先日プロバイダーの社長殿からも心配メールをいただき、お会いしてメルマガ私物化に目をつむってもらった。余談だが、同社は聖路加国際病院から歩いてわずかに5分の距離で、奇縁を強く感じる。


ここで一言お断りをしておきたい。
ワタシが日本人のイニシャルを記す時は、家族名→名前の順番に統一している。日本人は心優しくローマ字表記は西洋人に倣ってキンノスケ・ナツメとする。だが、21世紀の今、西洋人におもねる事はもう不要というのが東西南北研究所の判断である。20世紀初頭にロンドンのカーライル博物館を訪れた漱石大先生ですらK.Natsumeと署名している。だから、ノイローゼから胃弱となって帰国した。日本では逆立ちしない限り夏目金之助しか存在しない。従ってお世話になった皆さまのご芳名も勝手ながら、その順序で通した。


ということで、メルマガ「ミャンマーで今、何が?」は筆者ではなく読者に支えられていると痛感した。熟考を重ねた上、さらに生き延びる時間と情熱があるなら、周りの皆さまへの恩返しに充てたいとの結論に達した。



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04:メルマガ式調査方法

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100歳を超えて現役の名物院長のお名前を知る程度だったが、聖路加国際病院について調べてみた。患者を中心として複数の専門医、看護師、すべての医療スタッフが"チーム医療"を組んで「心血管センター」(循環器内科・心臓血管外科)が構成されていること、一般病棟が個室で料金がべらぼうに高いこと、(**ここでNJさんの適切な情報が生きてくる)、手術は全身麻酔で2時間程度、術後一日は集中治療室で様子を見て一般病棟へ戻り、最短なら4泊5日で退院、などが分かった。


"チーム医療"をベースとした救命救急センターから当日、心筋梗塞の疑いは無いとのお墨付きをもらったことと、人工ペースメーカの移植が必要との診断は、実にありがたいご託宣であった。受け入れてもらえるなら、同病院で人工ペースメーカを移植して貰いたいという気持ちになってきた。


難しい病気を同病院で受診するには、他病院からの紹介状が必要となっている。だが、この失神男は救急にかこつけた裏口入院で、同病院から"カード式診察券"をすでに受け取っていた。名門ゴルフ倶楽部のプラチナカードをゲットしたような気分だ。ラッキー!!


その効力は、ほんの数日前に同病院を一人で再訪し、混雑する本館ロビーで戸惑っていた時に判明した。受付近くで患者をテキパキ案内していたナイチンゲールの応対が知的だった。事件発生からシドロモドロに要領悪く説明して、相談窓口を尋ねたら、近くのベンチに座らせ、カード式診察券を持って、暫くお待ちをと消えた。緊急病棟の担当医・看護師、病状データがすべて読み込まれているようだ。


指示に従い訪ねた一般内科受付でも失神男の要望を聞いてくれた上で、カード式診察券からデータを読み取ると、相当混雑していたが、ヤンゴン帰国日ギリギリで失神事件を当夜担当したドクターの予約を取り付けてくれた。この先どう進展するか不明だが、もしこの病院でこのヤンゴン難民を受け付けてくれるなら、説明を受けた上で、担当医・病室などの予約を入れて、次回は人工ペースメーカ移植手術だけを目的にヒッソリと来日したい。


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05:メルマガから学習したこと

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種明かしをすると、4年間メルマガを継続する間に、いろいろ学ばせてもらったことがある。
ワタシは知らなかったが、日本では片手に入るチッポケなケータイ画面で、このメルマガを閲覧している読者がほとんどだという。そのため、冗漫で、七面倒臭い文章は嫌われる、という。


なぜ西洋では、Dハメット、Rチャンドラー、Eヘミングウェー等の簡潔なハードボイルド流文体が好まれ、日本では、芭蕉や子規の七五調の文体が好まれるのか、大いに参考にさせてもらった。そして次世代の若者たちは、吹き出しに収まる、短い、コミック調の、会話で育っている。


英語のプロを目指しながら、実際はリズミカルな日本語の文体を学ぶことが、必須科目であったことを学んだ。日本語は漢字、ひらがな、カタカナから成立し、最近はそれにプラスして、OKなどのように英語がそのまま使用される。こうなってくると、「私」という漢字を「ワタシ」とカタカナ表現する手法もOKとなり、日本語のボーダーが広がってくる。


欧米のヒット曲、日本の流行歌、それぞれの歌詞が、英語と日本語の立派な教材となる。英語と日本語の辞書は必携である。そしてインターネットでのWikipedia、それから日本語のウィキペディアも必要だ。一流紙といえども、新聞の受け売りはしない。必ずウラを取り、自分流の分析を加える。


これらを実行して行くと、自分がどれほど無知で、ムダな人生を生きてきたかがよ〜く分かる。
ど〜せ拾った人生だもの、こらからは勇気を持ってチャレンジしていきたい。


こうなると人生の残り時間は、ワタシにとって貴重だ。一分一秒がいとおしい。
サドンデス・モードに切り替える。

デジタルに切り替えようと努力はしているが、活字中毒の悪弊は改まらない。
新書版も購入するが、古本屋を見つけると100円コーナーでたっぷりと時間をかけ、掘り出し物を買い込んでしまう。


■失神事件後、買い込んだ書籍は次の通りである。

(01) 「海舟独言」 童門冬二 : 薩長土肥の佐賀藩が勢力を伸ばしていく様が面白い。
(02) 「新聞記者 司馬遼太郎」 産経新聞 : 司馬の生涯を貫く記者魂を見せてくれる。
(03) 「東京の下町」 吉村昭 
(04) 「昭和天皇 独白録」 文藝春秋
(05) 「悪魔の勉強術」 佐藤優 : 母校の同志社大学神学部で若き後輩に、西洋人の信じるキリスト教神学を平明に講義している。
(06) 「バベルの謎 ヤハウィストの冒険」 長谷川三千子
(07) 「国会のゆくえ」 近藤英明 (前参議院事務総長)
(08) 「孫の力 誰もしたことのない観察の記録」 島泰三
(09) 「私の映画の部屋」 淀川長治



■回った博物館等

(01) 紙の博物館
(02) 北区飛鳥山博物館
(03) 渋沢資料館
(04) 青淵文庫
(05) 晩香盧
(06) 東京都写真美術館
(07) 鎌倉文庫
(08) 鎌倉近代美術館


メルマガ原稿はここまで書いたが、聖路加国際病院のアポの時間が迫っている。ここで中断します。


ありがとうございました。


東西南北研究所




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