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<ミャンマーで今、何が?> Vol.269
2018.10.2

http://www.fis-net.co.jp/Myanmar

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■支離滅裂な言い訳の羅列です

 ・01: 少年老い易く学成り難し

 ・02: 大型台風JEBIの日本上陸

 ・03: 昔懐かしい耳洗浄

 ・04: 単に経済発展だけでは解決できない問題

 ・05: 若者を対象とした教育の原点とは?

 ・公式ツイッター(@magmyanmar1)


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01: 少年老い易く学成り難し

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閑話休題。

要領さえ掴めば日本人でもネイティブ以上の効果を挙げられる。
到達した秘訣は、英語の歌詞にあった。

勝手に選んだのが“I HAVE A DREAM”、キング牧師ではない。
ABBA(アバ)の名曲で、映画“MAMMA MIA!”の重要なテーマ曲でもある。

今の若者はこの曲を知らない。そんなことは構わない。用意した歌詞をノートに書き写させ、各単語の第一アクセントに赤い印を付けさせる。文字の大きさ、配列、レイアウトを、実際に見せ、言って聞かせて、テークノートさせ、褒めてあげる。山本五十六式教育術である。教材はすべて生徒に手作りさせ、出来合いの教材は使わない。

ポイントは英語のリズムにある。ひとつの英単語にはアクセントがある。強弱ということだ。英語の文章は当然ながら英単語の連続である。英単語一個にリズムがあるのと同様に、文章にもリズムがある。高低の波である。

映画マイフェアレディでオードリー・ヘップバーン演じるイライザが手本だ。上流階級の集まるアスコット競馬場で何度も発声する“How do you do!”が参考になる。かなりスノビッシュだが、あれが典型的な英国式リズムである。

最初は上手く行かない。だが、法華の太鼓。段々上手く読めるようになる。面白いことに年齢が若いほどリズム感は優れている。一通り全歌詞を読み終わると、所要時間約1分30秒。これをひたすら一時間続けると、1分00秒に短縮できる。一時間で30-45回はリピート、リピートをこなせる。ミャンマー人の英語に山(強)と谷(弱)を強調したリズムが出てくる。額に、そして鼻の頭に、薄っすらと汗が浮かんでくる。口の周りの筋肉が英米式にほぐされる。巻き舌という表現は間違っている。正しくない。

この一時間で生徒はヘトヘトになる。

だが暗記の努力などせずに、身体が歌詞を覚えてしまった。歌うのではなく、歌詞を文章として読誦するだけである。英語の歌詞はありがたい。リピートや“韻”を踏む部分が多い。これで英詩独特の“韻”を体感できる。

残り時間は30分。冷えた飲料水やジュースでリラックスしてもらう。

そこで初めてABBA(アバ)のライブDVDの鑑賞となる。声は小さいが、ライブに合わせて口ずさみ始める。子供時代からの慣れとは恐ろしい。若者たちも社会の掟に毒されている。声が小さく、大きな声を出せない。クラスメートをも意識するのだ。

これを突破させるのは少しムツカシイ。だが工夫すれば、心を開かすテクニックはある。5人の生徒でも、席をバラバラに離して、先生役と一対一に努める。

一回の授業で、英語の歌詞は覚えてしまった。それだけではない。英語らしい発音に近づいている。ミャンマー方式のサイカー英語とはオサラバだ。日本人だとサイド・カーと語尾が日本語のドとなり、母音抜きの子音が発音できない。

英米人にとって語尾は大切だ。単数か、複数かもキチンと聞き耳を立てている。ヘボン式ローマ字で勉強した母音つき子音に、問題がある。日本人は母音を後ろにくっつけた子音の発音しかできない。余談だが、このヘボン博士はオードリー・ヘップバーンの“ヘップバーン”と同じ綴りで、同じ発音である。

文法は絶対に教えない。

工夫さえすれば、西洋人が単数と複数にこだわる理由が見えてくる。ここに登場するのはたった“一つの夢”である。二つの夢ではない。“お伽話に不思議な世界を見つけたら、それだけで、未来はアナタのもの・・”と、文法用語を使わずに、単数・複数、過去・現在・未来、仮定法などを体得させてしまう。それが老獪なワザである。日本語では品物ごとに数詞が異なる。そんな高級な裏ワザは英米人には一生掛かっても理解できない。

この歌の中には、“I believe in Angels”という歌詞が出てくる。白い羽を付けた天使のことだ。欧米の歌にはどこかで宗教が顔を出す。キリスト教が“歌う宗教”と言われる所以だ。それが、ユダヤ人の老獪さ、ローマンカソリックの老獪さ、イギリス人の老獪さ、欧米人の老獪さに繋がっている。

砂漠の民の馬小屋に生まれたキリスト生誕を祝福するのに、なぜかソリに乗ったサンタクロースが駆けつける。今ではクリスマスツリーもクリスマス・ソングも雪なしでは語れない。不思議なことにバチカンは何一つ文句を言わない。繰り返すが、出発点は砂漠の民の物語である。冬季でも15℃、真夏だと40℃を越える乾燥した砂漠地帯である。

平家物語は「有為転変は世の習い」と詠う。だが、それは日本だけの専売特許ではない。このように見ていくと、キリスト教も大きく変化を遂げていることが分かる。そこに原理主義者との葛藤が生まれる。その両極端を併呑するのが民主主義の運命かもしれない。

面白いことに、イスラム教のメッカとして純潔を護ってきたサウジアラビアですら、苦行が目的のハジ巡礼に日本式カプセルホテルを用意したり、何十年も禁止された映画館が許可され、スタジアムに家族席を設けサウジ女性がサッカー観戦できるようになった。そして車の運転までも女性に解放された。このように有為転変はイスラム教にも影響しているようだ。原理主義者には気の毒だが、世の中は時代と共に変化するのが実情だ。だから釈迦の説く “NOTHING IS PERMANENT”は宗教に関係なく真理なのだろう。

授業の後半は英語を離れて、このような与太話ばかりしている。
そして生徒に質問してみる。ほとんどが仏教徒の彼らは不思議なことにキリスト教徒には偏見を持たない。だが、イスラム教徒には厳しい見方をする。キリスト教とイスラム教は兄弟の関係である。それを説明して、何故だろうと再び質問してみる。答えは返ってこない。

それはミャンマー人に限ったことではない。キリスト教徒が大半を占める欧米諸国では、国家自身がイスラム教徒に対して偏見を持ち始めた。そして自国の周りに壁を作り始めた。自由貿易を唱えながら、精神は鎖国に回帰していく。だから時代は、スーチーの唱える複雑社会に突入している。

話は飛躍するが、スーチー・バッシングはラカイン問題に発する。だが、その大元の原因は大英帝国の植民地行政にある。中東の未だ燻る火種、1915年エジプト駐在イギリス高等弁務官が約束したマクマホン協定と1917年イギリス外相が約束したバルフォア宣言の不誠実さと何ら変りはない。

老獪な英国はマスコミを焚き付けて、Political Correctnessに議論を摩り替えていく。それに同調しているのが、欧米諸国、ムスレム国家であり、情けないことに日本のマスゴミである。

と、このような話題も、ときには対話の糸口となる。関心を示す若者もいれば、まったく興味のない若者もいる。この英語クラブは受験用の授業ではない。若者との対話は初心者レベルも良し、内容がかみ合えば真剣勝負のレベルアップも良し。すべては一対一の対応で決まる。

次回の選曲は独断で“AMAZING GRACE”に決めた。英語の歌詞を検討するうちに、キリスト教の影ばかりが見え隠れする。さすがに“歌う宗教”だ。名曲が多いのも事実である。
歌詞を解釈していくと、それぞれに一つの物語が始まる。

1725年ロンドンに生まれたジョン・ニュートンは11歳で船乗りとなり、飲んだくれで、札付きのならず者となった。アフリカの黒人奴隷貿易に従事した。何の疑念も抱かずにである。あるとき聖書を与えられ、自分の人生を見つめなおす。そして、ついには英国国教会の牧師となり、数多くの賛美歌を書いた。そのひとつが“AMAZING GRACE”である。この大ヒット曲には暗い歴史が隠されている。白人国家建設のための植民地開拓と黒人奴隷狩りの歴史である。

“自分は道を過ち、何も見えない盲目だった。だが今、ハッキリ見ることができる。その甘美な歌声は、私のような人間のクズを救ってくれた・・”

この物語は、ブロードウェイのミュージカルとして公演された。涙と感動を誘い、大評判となった。この曲はオバマ元大統領が特に好み、何度もスピーチで言及している。実際に教会の大ホールで歌ったこともある。その歌唱力はYouTubeで覗き見できる。米国初の黒人大統領だけに訴えるものがある。

植民地への罪は英国だけでなく、ポルトガル、スペイン、フランス、ドイツ、オランダなど白人国家にある。そして最後の大戦では日本もそれを真似た。問題なのは、そのケジメの付け方である。世界の動きと老獪さを学ばず、井の中の蛙の政策で一件落着と勘違いした。だから戦後70年経っても、火種は燻っている。その歴史の被害者のひとつがインドとミャンマーである。若者たちとの対話は尽きない。

選曲には苦心するが、教材を用意するのは楽しみでもある。芽生えてきた生徒の創造力を利用して、独自の楽器製造も話し合い中である。空き缶やペットボトルなら立派なパーカッションが出来上がる。大いに参考になったのがボブ・マーリィのDVDである。

話はさらに飛び火する。

ボブ・マーリィの中では1979年11月25日カリフォルニア州サンタバーバラでのライブが最高だ。息子のキム・アリスがこのレゲエ音楽をミャンマーに持ち込んだ。母親のスーチーにプレゼントした“Get Up Stand UP”は、無慈悲な軍事政権に対して立ち上がるスーチーへの最大の応援歌となった。ボブ・マーリィのもう一つの持ち歌“I Shot The Sheriff”はギターの神様エリック・クラップトンもカバーしている。

クラップトンからは、“Tears in Heaven”が教材に使えそうだ。

クラップトンよお前もかと言いたくなるが、これも天国というキリスト教の神の国に救いを求めている。音楽は大衆に訴えるキリスト教の武器だから、それも仕方がない。
かくしてDVDのライブは英語学習の強力な助っ人だと確信した。

その音楽と強力なコラボ関係にあるのが映像技術である。

その映画企画と映画製作はコンピュータと組み合わせると秒針分歩で、グローバル化する強力な影響力を秘めている。映像技術は、今後どこまで進歩するのか、空恐ろしい気もするが、楽しみでもある。

詳しくは日を改めるが、パスポート無しで、航空券も持たず、ホテル代も払わず、世界一周出来る。それがDVDである。時間をワープして大昔の時代に、逆に未来にも飛んでいける。受像機さえ手配すれば、それでよい。これは最貧国向け最高の教材となる。

アフリカをはじめとして、中南米、アジア、海洋諸島には貧乏国家が、それぞれの難問を抱えて悩んでいる。それらの国々の建て直しには、スーチーが訴える若者教育が近道なのではないだろうか。そのためには、FBIが脅しをかけるDVDコピーを教材として最貧国にフリーで解放したらどうだろう。もちろんDVDの内容には、目利きが必要だ。当研究所はその研鑽中である。

だが、若者を育て世代交代を待つのは、時間が掛かり過ぎという意見もある。悠長なことは言ってられないと、結局は経済面重点の政策が最優先される。だが、そこには落とし穴がある。公共支援といいながら、結局はその国の権力者に大金が貢がれ、外国の投資家もその山分けを狙っている。その国独自の文化や伝統は尊重されず、新たなグローバル植民地が出来上がる。それを繰り返してきたのが過去の歴史で、現在はもっと巧妙なシステムが出来上がっている。だから、権力の座を降りた政治家が21世紀の今となっても逮捕される例が多すぎる。肝心の最貧国は一向に改善されない。むしろ危険水域に突入している。

シアトル出身のスタバは北米西岸だけでなく、アメリカ全国を、そして遂には地球上の全土を制覇しようとしている。原材料のコーヒー豆は北米では生産できない。赤道を挟んだコーヒー・ベルト地帯からのみ供給される。そして巨大なコーヒー市場は何と言っても経済発展国に偏っている。コーヒー豆を供給する原産国は、輸出は増えても、最貧国から脱出できない。一方のスタバはチェーン店を網の目のようにグローバルに張り巡らせ、怪物のような国際企業に成長していく。何かおかしくないだろうか? その疑問が若者たちとの対話の糸口ともなる。

こんな青っぽい意見を日本でホザクとお前アホかと一喝される。だが、ミャンマーでは芽生えたばかりの民主主義が、多様な意見を学習中である。だが老獪な諸外国は、グローバル化の問題点は隠したまま利己的な説明で協定を迫る。ピンウールインはコーヒーの生産に適し、アラビカ種の主要生産地でもある。だが、ブランド物のコーヒー名は地元でも憧れの対象で、地元産が手に入るにもかかわらず、テレビのコマーシャル、新聞雑誌の広告で、コロリと騙されてしまう。

日本に住むと情報過多で、焦点が絞れない。盲目に陥る。

ミャンマーでの引き篭もりが自分のペースにはぴったりだ。ジックリと腰を落ち着け、自分の足元を見つめることが出来る。脚下照顧の世界だ。そして日本の新書・古書店で買い集めた書籍に読み耽る。停電でなければの話だが、BBC製作のドキュメンタリーを鑑賞することもできる。実はこれが年代幅を広げて好奇心の旺盛なミャンマー人との話の枕となる、屋根裏部屋にミニ社交場ができあがる。

例えばの話だが、“THE BROTHERS WARNER”というDVDを 見つけた。

ワーナー4人兄弟の伝記(Biopic)である。今ではハリウッド屈指の映画会社(WB)だが、ロシア(現在のポーランド)からのユダヤ人移民として物語はスタートする。一般にドイツからのユダヤ人は教育水準が高い。だが、ロシアからのユダヤ人は教育機会も無く、貧しく、ユダヤ人同胞からも相手にされなかった。街角で新聞を売り、靴磨きで、小銭を稼ぎ、夜遅くまで必死に働いて2ドルを稼ぎ出そうとした。でないと食っていけなかった。この少年時代に人生で最も大事なコトを学んだと、成功した兄弟は語っている。仕事の大切さを知り、仕事一筋に真剣に取り組んだと。

ロシアでどん底の生活を送ったのだろう。過去を断ち切るためにすべてを犠牲にして新大陸へ移民したという。ユダヤ人と言えば日本では陰謀説が好まれるが、ユダヤ人は陰謀だけでアメリカン・ドリームを実現したのではない。成功したユダヤ人の多くは、人種迫害を受けるなか、ユダヤ文化を堅実に護り、家庭の絆を大切に育った。貧しい12人の子沢山家庭で、その中の4兄弟が力を合わせて、エジソンの発明したチャチなNickelodeon(20世紀初頭の入場料5セントの映画館)から未来の可能性に賭けた。時計などを質入れし映写機を買い込み、妹がオルガンを弾き、自分たちで歌った。すべては手作りだ。21世紀の映画産業など想像もつかないとき、4人は無謀にも野心家だった。ハリウッド創世記の物語である。

1956年WB社製作ジェームス・ディーン主演の「ジャイアント」では、レストランの黒人差別に怒ったロック・ハドスンが派手な殴り合いをやっている。

1942年WB社製作の名作「カサブランカ」もナチドイツに対する反ファッシズムを描いている。このようにユダヤ人の差別や偏見に対する感情は執拗で、それを映画という芸術のジャンルに高め、“教育・娯楽・啓蒙”をモットーとして訴える老獪さがあった。

このドキュメント全編を通じて4兄弟の長男ハリー・ワーナーの孫娘がナレーターを務めている。彼女自身、アメリカン・ドリームを実現した超セレブ家族の一員である。それだけに近親者だけでなく、映画産業の超大物にも当時の思い出を語ってもらっている。

4兄弟の性格はそれぞれに個性があり、上から順に1881年、1884年、1888年、1892年の生まれである。日本だと明治の前半頃かもしれない。あの時代はアメリカでも、教育の原点は家庭にあり、大家族は両親を中心にまとまり、ユダヤ人としての結束は堅かった。ユダヤ人を陰謀だけで語ると、本質を見誤る。

話はまたまた飛び火する。

アメリカという国は領土を次々と手に入れ北へも南へも拡大していった。移民によって出来上がった国である。ユニオン・パシフィックなど鉄道網の工事には名も無い中国人労働者が多数雇用された。だが、市民権は与えられず、最低限の生活を強いられた。根底には母国の貧しさと、白人優先のポリシーが入り混じる。

DVD“THE MEN WHO BUILT AMERICA”のバンダービルト編を見るとこの鉄道事業を通じて、アメリカがどのように作られていったか学習できる。

アメリカを理解するにはさまざまな切り口がある。お勧めは、ニューヨークのヤクザから学ぶ方法だ。多種多様なDVDが手に入る。

1985年製作、マイケル・チミノ監督の“YEAR OF DRAGON”は必見だ。ミッキー・ロークとジョン・ローンの凄みが好い。オリバー・ストーンが脚本で参加している。中国を習近平だけでは学べない。海外に出て行った、または逃げていった中国人の足跡、あるいは蒋介石夫人の活躍をDVDで探すと中国が見えてくる。

1860年代のマフィアの内部抗争を描いた“GANGS OF NEW YORK”これは絶品だ。こちらはアイルランド系のマフィアだ。だがマフィアを扱わせたらマーティン・スコセッシ監督の凄腕が見えてくる。

マフィアと言えば本場イタリア系を指す。アル・カポネからフランク・シナトラの時代は華々しかった。若造時代から頂点にのし上がっていくイタリアン・マフィアの過程を描いた“GoodFellas”も見逃してはいけない。この作品もマーティン・スコセッシ監督だ。

“AMERICAN GANGSTER”ではデンゼル・ワシントン演じる黒人マフィアがビルマ産麻薬でのし上がっていく。ベトナム戦争で死亡したアメリカ兵の遺体帰還棺おけが偽装される。麻薬王クンサーらしき人物が登場するのも、ビルキチとしては見逃せない。

“FIVE MINARETS IN NEW YORK”では9/11後のムスレム系と、さらに多様な人種構成となる。

まだまだあるが、これらからアメリカの一端が見えてくるような気がする。

これらギャング集団もミャンマーへの教材として活用したい。

視点を変えて“A BEAUTIFUL MIND”というDVDはどうだろう。
ラッセル・クロウの名演技が輝る。天才数学者で、ゲーム理論を確立した数学者ジョン・ナッシュ博士の物語である。

1947年プリンストン大学大学院数学科の入学式で学長が語る。
「数学者が日本の暗号を解読し、原子爆弾を開発した。ソビエトは共産主義で世界を制覇しようとしている」。時代は第二次大戦直後で、冷戦に突入する前の話である。
ジョン・ナッシュはそのときの受講生である。

日本の暗号とは旧日本帝国の“パープル(紫暗号)”を指し、世界最初の原子爆弾開発指導者がオッペンハイマーである。彼もユダヤ人で、1947年からプリンストン高等研究の所長となった。そのオッペンハイマーの有名な口癖は「天才は問題が出る前に、答えを見つける」だった。

プリンストン大学大学院には全米のみならず、地球各国から天才が集まり、入学前に論文の一つや二つはすでに発表しているという、言ってみればIQの塊みたいな奇人の集まりともいえる。

プリンストン大学はアメリカ最高学府のひとつである。アインシュタインもユダヤ系ドイツ人でナチスに追われ渡米し、1933年プリンストン高等研究所に迎え入れられた。
湯川秀樹もプリンストン大学に招聘され、1948年9月2日に夫婦で渡米し、翌年日本人初のノーベル賞を受賞したので、上記の人物たちとは当然ながらキャンパスで遭遇しているはずである。

“A BEAUTIFUL MIND”というDVDの話を忘れてしまっていた。

ジョン・ナッシュは1953年にペンタゴン(米国防省)に勤め、その後目まぐるしいドラマが展開するが、1994年「非協力ゲーム理論を構築し、均衡分析という概念を導入してゲーム理論を飛躍的に発展させたとの理由で他二名と共同でノーベル経済学賞を受賞した。

ジョン・ナッシュはプリンストン大学在籍中の22歳のときに「非協力ゲーム理論」という博士論文を発表している。このゲーム理論はご承知の通り、世界の産業界・ビジネス界で大ブームを引き起こした。

なぜ、このような話になるかというと、立花隆が2000年に出版した「21世紀 知の挑戦」で述べた「自然科学の世界ではとっくの昔から英語が第一公用語になっている。英語で論文を書かないと、世界で誰からも認めてもらえない。ところが、日本人には英語の問題がある。英語でちゃんと論文を書けない人が多い。六割の人がまず日本語で論文を書いてから、それを翻訳するという形をとっている。これをやると、日本人にしか分からない和製英語になってしまう」が頭に残っているせいかもしれない。18年も昔の話である。

ヤンゴンの秘密のDVD屋で入手した日本映画がある。

「トラ・トラ・トラ」「日本の最も長い日」「山本五十六」の三枚である。そのどれだったか記憶は不確かだが、ワシントン米政府に対して1945年12月8日の対米開戦の最後通牒提出が遅れてしまう。日本側の紫暗号をすでに解読し、内容を十分承知した上で、米側が受け取りを遅延させる作戦に出たとの言い分もあるが、お粗末なのは日本の外交官が最後通牒の英文タイプに手間取ったというのも事実である。

このため、“ジャップの卑怯なだまし討ち”と73年後の今だもって言われている。

東西南北研究所が主張したいのは、数詞ですら一個と複数の2種類しかない単純な英語くらい、日本人ならば、美しい日本語は身につけたうえで、軽く喋ったらどうすか?というのが提案である。特に政治家はお役人や外交官に任せずに、自分の英語で交渉、スピーチをヤッタラといっているだけである。何も難しいことはない。EU諸国ではそれが当たり前である。

日本語がまだ完璧でない小学生に英語を学ばすとか、青い目の金髪先生に丸投げするから、日本はおかしくなっていくような気がしてならない。

少し言い過ぎてしまいました。

実はこのようなことに無い頭を悩まし、時間ばかり食ってしまいました。
実は毎日、メルマガ原稿を発信せねばと思いながら出稿が遅れてしまったこと、お詫びします。
“六日の菖蒲、十日の菊”となりますが、証拠物件としてここに提出します。


〜次号へ続く〜

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