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<ミャンマーで今、何が?> Vol.270
2018.10.5

http://www.fis-net.co.jp/Myanmar

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━━【主な目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■季節の変わり目のご挨拶

 ・01: 井の中の蛙、大海に迷い込む

 ・02: 海賊版DVD、ヤンゴンの課外授業

 ・03: アインシュタインが“神”を語った自筆手紙が売りに出される

 ・公式ツイッター(@magmyanmar1)


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01: 井の中の蛙、大海に迷い込む

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日本では三日寒い日が続いて四日ほど温暖な日和となる。冬から春への移り変わ
りである。その反対の時季のヤンゴンは「一雨四晴」の気候となってきた。入道
雲の動きが活発である。猫の額の“Q Garden”でもブーゲンビリアに白い花とオ
レンジ色の花が咲き始めた。ブーゲンビリアは、雨季には色取り取りの花が消え
てしまい、若葉のみが繁茂して緑がぐんぐん伸びる。今朝再確認したら、ピンク
色の花びらが一枚小さく顔を出している。植物は季節の変わり目に敏感である。

暦の上では、来週9日(火)は新月、そして10月24日(水)が火祭りのダディン
ジュで満月となる。当地では、公式カレンダーは太陽暦だが、月の満ち欠けも併
記されている。農漁村にとっては実用的だ。秋分の日とは、太陽が北半球から南
半球へ旅立つ日である。

日本では、二百十日や風祭の季語が消えて久しい。
強烈台風がますます猛威を振るい、しかも連続の襲来。皆様ご一家のご無事をお
祈りします。

10月2日のGNLM紙一面トップに「State Counsellor to pay working visit to 
Japan」の短い声明が掲載された。近い将来、東京で開催される第10回メコン・
日本サミットの作業会議にスーチーが出席との記事。これが発布されると数日以
内に実現する。だから、このメルマガが掲載される頃には、スーチーは東京かも
しれない。

前回のメルマガで伝え切れなかったことがある。

それは「ミャンマーで今、何が?」と銘打ちながら、時代の趨勢で、話題もグロー
バル化してミャンマーという大枠を飛び出さざるを得ない。これはメルマガ自身
にとっても、日本のプロバイダー、読者に対しても裏切り行為である。その不安
を抱きつつ、看板は描き換えず、勝手にアドバンテージと解釈して、プレーは続
行していこう。

やせ我慢の言い訳となるが、ミャンマー目線の視座だけは死守し、海外の話題で
あろうとムリヤリにでもミャンマーに絡ませる老獪ワザも学習していきたい。

では続けよう・・



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02: 海賊版DVD、ヤンゴンの課外授業

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秘密のDVD店で“Die Leiden des jungen Werthers”を目にした。一週間前のこ
とである。扇風機は回してくれるが、雨上がりで蒸し暑い。足元では蚊が襲って
くる。昔はカバージャケットに読みふけり、二三時間過ごし、DVD30枚ほどを纏
め買いした。たが、今では一時間が限度だ。そんな中で、カバーを読み取る。ド
イツ語と中国語のようだ。ひょっとして「若きウェルテルの悩み」と勘が働いた。
印刷が不鮮明なカバーを凝視する。小さな文字Johamm Wolfgang von Goethを見
つけた。間違いない!ゲーテ!だ。

店のスタッフにこの映画の会話、そして字幕は英語か否かを確かめる。店のビデ
オデッキで確認してもらう。会話はドイツ語、字幕は英語だった。一瞬、古き老
人の悩みが始まる。チャンスを逃がすと二度と手に入らない。これがヤンゴンの
掟だ。この名作は題名だけ知るのみで、一度も読んだことはない。粗筋だけでも
DVDで見ておきたい。お買い上げ決定!!

三重苦のため最近は読書が億劫となってきた。DVDカバーの印刷が不鮮明、眼が
ショボショボ、集中力減退、の三重苦である。だから、若者の読書離れを非難す
る資格はない。むしろ、積極的に海賊版DVDを推奨する悪巧みを思いついた。ヤ
ンゴンの屋根裏部屋でビジュアル教育の夢が広がっていく。

最大の敵は、DVDの序章を飾る、例の米国FBIによる知的所有権海賊版コピーを重
大犯罪とする警告である。だが、米国は同じ大統領の指揮下にあるCIAがその何
百倍もの非知的犯罪を海外で犯してきた。この問題は根深い。野次馬新聞として
は、法的なゲリラ戦略も検討してみたい。百歩譲って、FBIに逮捕されるのは、
海賊版DVDを複写した中国系のコピー屋さんで、それを無邪気に販売しているミ
ャンマーのDVDショップには累が及ばないように祈りたい。彼らは啓蒙と言う点
では表彰されて良いくらいだ。

その問題は別にして、英国のBBC、米国のナショナル・ジオグラフィク協会、独
立系諸機関、民間企業などなどが多種多様な魅力的DVDを発売している。だが、
正規の料金を支払されると、ミャンマーの若者には永遠に手が出ない。当研究所
が選別したのには、教育教材となりうるDVDばかりである。ミャンマー政府に提
案して、世界各国の知的所有権者に対して、特例の現物供与を申し出てはいかが
なものだろう。夢が広がる。



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03: アインシュタインが“神”を語った自筆手紙が売りに出される

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今日10月5日(金)のGNLM紙に、上記を伝えるAFP電が興味を引いたので、予定を
変更し、この件に触れたい。

この自筆手紙がNYのクリスティーズで来週オークションに掛けられるという。たっ
た1ページ半の手紙が百万ドルから百五十万ドルの値がつくと主催者は予想して
いる。この手紙の所有者は前回2008年のオークションで$404,000で落札してい
るから、10年で約3倍の値上がりとなる。

興味を引くのは、競売または落札の天文学的価格ではない。アインシュタインは
「ユダヤ人は他のすべての民族同様に、神から特別に選別された民でもなく、私
にとっては、原始的な迷信としか思えない」とこの手紙で述べていることである。
アインシュタインとは天才と同義語であり、このユダヤ人はヒトラーの迫害を逃
れるために、ドイツから米国ニュー・ジャージーのプリンストン大学に亡命した。


この天才は、ドイツの哲学者Eric Gudkindに宛てた同書簡の中で、「私にとって
“神”と言う言葉は人間の弱さが産みだした産物で、人間の弱さを蒐集したバイ
ブルの物語に過ぎない」と語っている。アインシュタインは1955年に亡くなるが、
この手紙が認められたのは、その一年前のことであった。

この手紙の内容とは直接関係ないが、プリンストン大学院の学園的雰囲気と天才
たちの痛快な生活ぶりを楽しむなら“I.Q.”というDVDが最高だ。コメディ仕立
てだが、ウォルター・マッソウがアインシュタインを演じ、他にメグ・ライアン、
ティム・ロビンズが好演している。

話はさらに飛ぶが、BBC製作のDVD“HAWKING”もついでに紹介したい。

こちらはベネディクト・カムバーバッチが主演。

今年76歳で3月14日に亡くなったスティーブン・ホーキング博士はアインシュタ
インの衣鉢を継いだ天才とされ、英国ケンブリッジのセイント・メリー教会で、
葬儀は執り行われた。だが、この天才は無神論者としてつとに有名だった。

米国も英国も、この二人の天才については、神を冒涜するもの、あるいは宗教を
ないがしろにするものとは看做さない。そこが、米国と英国のずるいところで、
老獪であるゆえんである。

これに関しては、もう少し、話題をまとめてから報告したい。

よい週末を



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