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<ミャンマーで今、何が?> Vol.276
2018.11.1

http://www.fis-net.co.jp/Myanmar

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━━【主な目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■モノマネそしてコピーの世界 1

 ・01: 海賊版DVDは死蔵させずに、役立たせたい

 ・02: 生徒が目を輝かす教材がある

 ・03: 名人を盗むモノマネ

 ・04: 人間は取り返しのつかない限界点を越えてしまったか?

 ・公式ツイッター(@magmyanmar1)

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01: 海賊版DVDは死蔵させずに、役立たせたい

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ヤンゴンの下町にひっそりと佇むDVD屋を何軒かハシゴする。

カバーの裏面に印刷された細かい英語を、目を凝らして読み取る。そして勘を頼りに、買い物カゴにブチ込む。毎回20枚から30枚のお買い上げで自宅に戻り、停電でないかぎり、パソコンでチェックする。この自宅閉じ籠り状態が、ヤンゴン最高の快感となっている。断っておくが、路上のDVD屋では、お宝DVDは手に入らない。

この作業を何年間も続けてきた。

基本的に中国でコピーした海賊版で、ミャンマーにも卸される。コレクションは膨大な数に上る。今も続けているが、友人の好みに合わせて土産モノともなる。日本の機械に規制がかかり、読み取れないとの苦情ももらう。そこまでは責任を取れない。

インパール作戦、山本五十六、生首映像など、広大な太平洋戦争の実写記録が手に入る。原爆投下直後の広島・長崎、敗戦直後の銀座4丁目なども映っている。極東軍事裁判で、大川周明に後頭部を叩かれ苦笑いする東条英機の、有名な場面も実写で見ることができる。
スエズ運河開通前のギザのピラミッド見物も、夏目漱石が見たであろうエッフェル塔の建築現場、ロンドン空襲、NYのブルックリン架橋現場も実写で記録されている。

その他にも、ハーバード、イェール、MIT、スタンフォードなどの大学教授が、西洋史、地学、宇宙理論、海洋学、生物学、森羅万象の専門講座を延々1.5−2時間教室で講義してくれる。すべて英語での講座である。これをひとりで深夜早朝に鑑賞し、不明なところは巻き戻しで何回も確認できる。これがパソコンの利点でもある。これを繰り返していると、世界各国の教授の個性ある英語にも慣れ、遅まきながらMBAの生徒して授業内容の80%位は理解できるようになる。それにしても、中国製海賊版DVDは、違法とはいえ、これほど内容豊かなレパートリーを揃えていると感心する。

こうなってくると、海賊版を犯罪として取り締まるFBIよりも、消えていく映像記録をよくぞ保存し普及してくれたと、中国製DVDを擁護したくなる。

それだけではない。海洋学者が世界の七つの海を、北極から南極まで、映像でガイドしてくれる。文化人類学者が、アフリカ東部の地球の割れ目チャンにも案内してくれる。この一帯こそが、人類発祥の地だという。それはDNAによって証明されている。世界中に白・黒・黄・赤などの人種が散らばっているが、その人類の故郷はこの一箇所だという。そこから、人類のグレート・ジャーニーは出発した。

こういう説得力のある授業を受けていると、北欧、シベリア、エスキモー、北米インディアン、中南米の消えた文明にも、日本人ソックリのモンゴロイド人種がいることにも納得がいく。こうなってくると、オレハ日本人ダ!!などと威張り散らす輩が、人類の歴史を知らないチッポケな民族主義者だと見えてくる。悲しいことに大半の政治家がこの種族である。

この他にも、ナショナル・ジェオグラフィックス、スミソニアン、あるいは芸術方面に飛んで、ルーブル博物館、オルセー美術館、グッゲンハイムなどなど、このヤンゴンに隠遁して、それこそ世界中を意のままに、しかも時代という時間を通り越して、デイビッド・アッテンボローなど超一流の博物学者が案内してくれる。バチカン宮殿でも、ラスベガスでも思いのままだ。しかも映像はプロの鮮明な画面で、 自撮りのお粗末な写真よりも、レンブラントでも、現物そのものをジックリと見入ることができる。

これを利用しない手はない。映像による若者教育の試行錯誤はそこからはじまった。その心は、ヤンゴンを離れずに、金もかけずに世界一周できる。貧乏人専用のワンダーランド教室である。

スーチーがいくら声を嗄らして叫んでも、時代の趨勢で、読書習慣は若者の身に付かない。だが、映像の威力はスゴイ。約120分のDVDを半日掛けて、時には巻き戻して、場面をストップして説明していく。我慢のきかない今時の若者も、説明する側の能力にもよるが、2時間ぐらいは夢中になって集中してくれる。それには少しばかりのテクニックが必要だ。

話は大きく飛躍する。

欽差大臣の林則徐は、アヘンの害を痛感し、1838年、イギリス商人などから強硬手段で237万余斤のアヘンを提出させ、虎門海岸で焼却した。ご存知、老獪な英国が人道にもとる暴利をむさぼったアヘン戦争の発端である。そういえば、この歴史ネタに登場したジャーディン・マセソン商会は東インド会社の手先で、今の評価で言えば、悪徳商人の代名詞みたいなものだ。そのジャーディン・マセソンの血統を引く、後裔オーナーともいうべき人物が、去年だったか、スーチーをネイピードに訪ねてきた。その写真はGNLM紙に掲載され、東西南北研究所のスクラップブックに整理されている。またもや、暴利のチャンスをこのミャンマーに嗅ぎ取ったのだろうか? またまた話は脱線したが、アヘン戦争を続けよう。

その当時の歴史が欧米人の頭に残っているのだろう。今の時代ですら、見せしめのために、現地で麻薬などの焼却を演出し、大量の違法DVDもブルドーザーで粉々に粉砕する。それが、今流の英国式であり、米国式となっている。麻薬・違法DVDを槍玉に挙げて、中国でも、ミャンマーでも、見せしめをやっている。

中にはポルノや暴力モノもあるが、分別すれば立派な教材となるDVDが多数ある。それらを一緒くたにして欧米式に処分しないでほしい。見せしめは資源の無駄遣いでしかない。と、野次馬の研究所長はそっと囁くのである。



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02: 生徒が目を輝かす教材がある

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ほんの数週間前のことだ。

“THE IMPOSSIBLE”という実話に基づいたDVDを見つけた。2012年製作だが、日本で封切されたかどうかは知らない。

説明書きで、2004年に起こったスマトラ島北端の町バンダー・アチェの地震・巨大津波がテーマのようだ。ツナミの名前は聞いても、その実際を知るミャンマー人は少ない。これは教材になると、購入した。

若者たちの目が釘付けになった。

アンダマン海に面したタイのKhao Lak海岸とは、地図で探すのに苦労したが、ミャンマー最南端コウタウンから300kmほど南下したところにあった。若者たちは現地人の顔つき、服装、そして会話からタイが舞台と判断した。

日本で働くアメリカ人夫婦のクリスマス休暇で物語りはスタートする。やんちゃ盛りの3人の子連れで、イブの午後にリゾートホテルに到着した。トロピカルのディナーはカウントダウンの深夜まで続く。子供の枕元には翌朝クリスマス・プレゼントが用意された。子供同士や夫婦間の小さな波風はあるが、南国の休暇を思い思いに楽しむ。

大揺れの地震に続いて、大津波が発生したのはクリスマスの翌日26日の朝であった。

筆者自身もここヤンゴンで、パークロイヤルホテル7階で経験した大地震である。前日のパーティで完全に二日酔い状態。頭だけでなく体が右左にスウィングしている。奇妙な音にベランダに出てみる。裏庭のプールがザブンザブンと左右に溢れ出している。奇妙な音とはこの水音だった。二日酔いではなく、建物全体が揺れていた。電気は切れていた。トーチを片手に非常階段を駆け下りたのを覚えている。はるか離れたヤンゴンですらそうだったことを、昨日のように記憶が戻った。

今27歳の若者が13歳のときの大地震である。それぞれに記憶にあると、彼らは語る。

偶然にも、そのときの映画である。事情説明すると、若者も理解してくれる。

スタート早々真っ暗闇の画面が続く。パソコンが作動していないのかと思った。うっすらと母親と長男が濁った水中で、洗濯機で攪拌されるように天も地もなく叩きつけられている、と気付くのに数秒の時間を要した。林立するヤシの木が激流になぎ倒されていく。息はとっくに切れているはずだが、水面に出た途端に空気を求めて必死にもがく。母親役ナオミ・ワッツと長男役トム・ホーランドの好演が目立つ。泥水の中、母親が体中に傷を負い、いたるところに血を流し、衣服もボロボロで、乳房もむき出しに、子供はかなりのショックを受ける。はぐれた父親と幼い弟二人の生死は、呼べど叫べと、応答はもちろんない。

母子は、言葉も通じない現地の人たちの親切に助けられる。が、母親の体力・気力は失せていく。老人の機転で外れた扉を担架に、トラックに乗せられ、病院を求めて出発する。道中、ヤシ林が倒され、殺風景な道路にうずくまる人々が延々と続く。母親は目を瞑ったまま言葉もない。すがるべき母親の生命が危うく、変わり果てた周りの状況に、長男は絶望感に襲われる。

津波とは日本語だが、誰もが経験したことなく、浅海や湾内では10mを越える海水の壁となって押し寄せてくる。劇中の人物も大ツナミの状況を把握できていない。逃げ惑うだけだが、すぐに激流に飲み込まれる。到着した病院も大混乱で、施設としての機能を果たすどころか、隙間を見つけて横になるのが精一杯。付き添ってくれた老人が、そんな中、医師か看護師と話をつけて、病床を確保してくれた。ベッドに寝かされて、絶命する人たちも何人かいる。

長男は母親のそばを離れようとしない。母親の職業は医師のインターンらしい。気力を絞って病院の状況を把握する。力のない声で、子供に語りかける。「誰もが助けを求めている。アナタにできることがあるはずヨ。皆を助けてあげて!さあ、行きなさい、と」、母親の傍を離れるのは怖い。「ここを離れちゃダメだよ」と母親にダメ押しして、不安そうに出ていく。

かなり大きな病院だ。3階、4階、5階と混雑しただだっ広いフロアを上り下りして、歩きながら観察すると、この主人公と同じく、誰もが家族とはぐれ誰かを探している。リゾート地の近くだけに欧米人が多い、それもスウェーデン人、イギリス人、フランス人、とさまざまだ。各国の言葉が乱れ飛ぶ。ルーカスという名前の主人公は、尋ね人の名前を紙片に書き取って大声で各階を走り回る。スウェーデン人の親子が合致した。そうして二人三人とワンペアが出来上がっていく。子供のルーカスが大きな自信を確信する。子供の心が大人に近づいた瞬間でもある。

ミャンマーの若者に質問してみる。

ルーカス君は病院の中を走り回っているが、何をしているのだろう?

最初は頓珍漢な答えが飛び交う。飲み水を探しているところだ。はぐれた父親と弟たちをさがしているのだろう。

画面を母親のところに戻し、母親の喋る英語と、字幕の英語をもう一度、そしてもう一度と、状況を把握できるまで見せてみる。

この映画は、ツナミの恐ろしさを描いているが、もう一つのテーマは困難なときこそ、人は助けを必要とすること。自分のことだけ、自分の家族だけでなく、まったく知らない他人のために役立つ大切さを教えてくれる。お金だけでのドネーションも大切だが、お金がなくても何か他人のためにできること。幼きルーカス君でもできた。それを諭した母親はマニュアルではない、真の教育をみせてくれた。

母親はドラマの最後に、アナタを誇りに思うと、ルーカスをしっかりと抱きしめた。
若者たちはドラマを完全に理解してくれた。このような話から、若者との会話はさらに展開していく。

今の時代、作り話のフィクションは流行らない。

真実性が薄いことを見抜かれるのかもしれない。だが、このストーリーは実話である。
ミャンマーの若者が感動してくれた。だが、日本語タイトルは不明のままだ。アマゾンでもレンタルでも、手に入るのなら、一見をお勧めします。

はらはらドッキリの連続ですが、後半は奇跡のどんでん返しがあります。事実は小説よりも奇なり。



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03: 名人を盗むモノマネ

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NHさんの著作権について、視点を変えて、もう少し触れて見たいと思います。

そこでお勧めなのが、DVD“PIRATES OF SILICON VALLEY”だ。物語は1971年、カリフォルニア州立大学バークレー校構内の場面からスタートする。地元警察が突入し催涙弾ガスがぶち込まれ、学生たちが逃げまわる。当時はベトナム戦争の真っ最中だ。必死に逃げる学生の中に汚れたジーンズに長髪の二人のスティーブがいた。スティーブ・ジョッブズとスティーブ・ウォズニアックである。性格も能力もまったく異なる二人のスティーブがアップル社を創りあげた。

この映画には、伝説となったガレージ工房、Gオーウェルの“1984年”のビッグ・ブラザーを巨人IBMに見立てパーソナルコンピュータの時代を予言するコマーシャル、甘ったるい砂糖水のセールスを一生続けるのかと有名な口説き文句でペプシのCEOを自社のCEOに引き抜いたり、パロアルトのHP社からGUIのアイコン技術をパクったり、ジョッブズの強烈な個性による内部分裂、ビル・ゲーツがIBMにDOSを売り込んだ瞬間、すなわち世界一の大富豪へ駆け上がるその第一歩、ジョッブズとゲーツとの死闘、などなど、パソコン成金超億万長者の若き姿が至る所で顔出しし、IT初期に関心のある方には見所一杯だ。

だが、それらはすべて知られていることで、問題じゃない。

問題なのは、ジョッブズが語った強烈な言葉「天才は盗む」である。欧米の小学校ではCreative=創造力を重視して、他人を真似ずに自分独自の意見を述べよと教える。

この言葉はレオナルド・ダ・ビンチの言葉だと、映画の中でジョッブズは誤解している。だが、そんなことは構わない。ビル・ゲーツとスティーブ・ジョッブズはお互いの知能とアイデアを熾烈なほどに盗み合う。

ダ・ビンチでも葛飾北斎でも、天賦の才能を発揮するまでには、数限りない習作を繰り返してきた。その練習は模倣・模倣そして模倣である。その模倣が、ある時点から、自分自身を本物にと変革していく。それを奇才スティーブ・ジョッブズは見抜いていた。見方を変えると、ありきたりの学校教育を挑発している。躍る宗教のジャイナ教に恍惚となり、佛教の座禅に没頭するジョッブズの若き姿も描かれている。

クリスティーズやサザビーで有名な画家は、ほとんどすべて、名作の模倣からはじめた。
それも中途半端な模倣ではない。来る日も来る日も、何枚も何枚も描き続けた。

絵画に限らない。バイオリンでもピアノでも、すべては模倣から入っていく。ロック・ギターの名手でも、憧れのプレーヤーのカバー・コピーから入っている。モーツアルトもビートルズも他人のコピーから入っていった。ジミー・ヘンドリックスもエリック・クラプトンも同様だ。

訳が分からずに座らされ復唱させられた寺子屋教室には、古臭いようだが、実は、ジョッブズの見抜いたことが詰まっている。

ここヤンゴンでの若者との英語教室は、文法でも理屈でもない。モノマネから入る。それも音声から入るモノマネである。発音だけを英語の出発点としている。発音という言葉も似つかわしくない。音を楽しむ音楽である。決して音学ではない。その音楽からレッスンははじまる。

日本の優秀な若き学徒が、欧米に留学し、古典ギリシャのプラトン、アルキメデス、アキレス、古典ローマのカエサル、音楽のモーツァルト、バッハ、文学のホメロス、バイロン、ハイネ、アンネの日記、絵画のミケランジェロ、ゴッホなどに接する。日本では明治時代そのままの発音で習ったが、当世英語万能の時代には、これら古典語は何一つ通用しない。

優秀な学徒は、欧米の大学に入学してから、これらの英語発音を学びなおさねばならない。
日本政府は米国大統領に追従する政策をとるのであるなら、文部省に指示して、これらの古典語を国際的に通用する英語発音に訂正して教育すべきと考える。

今のままであるならば、欧米の大学に入学して、スタート段階で落ちこぼれるための学徒を養成しているに過ぎない。将来ノーベル賞を狙える能力を備えながら、重大な負担を負わせて、その目を摘み取っているのが、現在の教育である。

時折、日本語を教えてくれとミャンマー人に頼まれるが、国際人になるためには英語がまず第一だとワタシが主張するのは、そこにある。それをオマエは非日本人的だと、非難する日本人もいる。アメリカにあるいはアメリカ大統領に追従するよりも、自分ははるかに日本人的だと自負している。だが、ミャンマーの深夜DVD講座を受講していると、「ジャパン・ファースト」など、以下にちっぽけな独りよがりの思想かということが見えてくる。それをミャンマーの若者と一緒に勉強しているだけである。

話は大きく飛躍するが、“モノマネ”こそ人生第一歩の大切な基礎教育と考えはじめた。
動物はすべて、母親のモノマネから、動物人生をスタートする。

ホモサピエンスが、その大切な基礎教育を放棄した頃から、人類は狂いはじめたのではなかろうか?

言い忘れたが、“パイレーツ・オブ・シリコンバレー”は、当然“パイレーツ・オブ・カリビアン”から盗んだものである。アメリカ人でも分かる人間はコピーの重要性、パクリの楽しさを知っているような気がする。



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04: 人間は取り返しのつかない限界点を越えてしまったか?

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欧米人が嫌うモノマネも、そうバカにしたものではない。

研究のため、動物学者に飼われたチンパンジーはセックスのやり方を知らずに育つという。

同様に研究のため隔離され、飼育された動物も、食餌の確保、本来の闘争心、弱肉強食の掟、という動物本来の基本的行動を知らずに育つという。

どちらも、生物として欠陥商品である。

幼少の頃から託児所に預けられ、学校ではスポーツや部活で競争心を煽られ、自宅に帰り着くとクタクタだ。だが、両親はまだ帰宅していない。遅れて帰ってくる母親も、遅く帰ってくる父親もクタクタだ。親子の会話は希薄となり、親子の付き合いもぎこちなくなる。

野生本能として、動物が身につける親子の愛情、部族間の愛情が、失われていく。

人類は、生物としての基本本能を放棄してしまったようだ。

それらのシステムを先鋭化させた英国・シンガポール・米国・日本など先進国ブランドの学校が今、ヤンゴンにツナミのように襲い掛かってくる。無知な教育省や新政府は、そのブランド名だけで恐れ入っている。

ヤンゴンでじっくり考えると、ミャンマーは乱開発ビジネスの最後のフロンティアかもしれない。一方でアメリカは、人類の未来を予測できる最初のフロンティアかもしれない。
構内で、街中で、スーパーで、理由もなく突然ライフルが乱射される。

とっさのことで、逃げ場もなく、多くの生命が奪われていく。

単にキレたとか、精神異常とか、銃規制とか、学校教育とか、そういう瑣末な部分的問題ではない。スーチーの言う全体を眺める視点で捉えると、生物としての人類の何かが狂い始めたのではなかろうか。例えば、人間の遺伝子の中でストッパーとして機能していた何かが破壊され、その抑止力が効かなくなる末期的症状に陥っているのでは。初期的症状なら、まだ回復の余地はある。だが、後戻りできない、“Point of no return”を越えてしまった可能性もある。

米国の一流大学を卒業した超エリートたちが、ウォール街に就職し、一流の金融投資銀行で“Dog eat Dog”の死闘を展開し、ABBAの名曲“WINNER TAKES ALL”のひとり勝ちを目指す。負け犬たちは、家庭も崩壊し、セントラル・パークや歩道をねぐらとする。

ミャンマーで今、何が?の枠を飛び越えてしまうが、“アメリカ”というものを根本から見直す必要がありそうだ。狂った人類の最先端が“アメリカ”のような気がする。手持ちのDVDに埋もれた教材はいくらもある。

アメリカがグローバリズムという名前で、世界を席巻して流行させた有名ブランドの、ハンバーガー、フライドチキン、パスタ料理など、ファーストフード店の食品には大量にPCBが含まれているといわれている。

あらゆる細胞は、脂でできた脂肪二重膜で守られているが、PCBやダイオキシンなど脂溶性の物質は自由に細胞の中に入り込むという。この環境ホルモンが微量でも体内でケミカル・メッセンジャーの役割を果たし、それが脂肪の多い食物に蓄積されていくという。

この手の話は、ワタシが受講すべき数多くの科目の一部で、いまのところ講義を聴講していないので、今のところ軽々には結論は出せないが、これらが狂ったアメリカ人につながるのではと想定すると、益々アメリカが興味の対象となってくる。正直、ミャンマーどころの話ではないのである。だが、強弁すると、これをミャンマーの若者と一緒に学習することで、ご勘弁願いたい。


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