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<ミャンマーで今、何が?> Vol.286
2018.12.10

http://www.fis-net.co.jp/Myanmar

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━━【主な目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■ヤンゴンから日本を、そして世界を眺める

 ・01:海外に出るより日本が最高

 ・02:クビライ・カーンと日本人

 ・03:そしてコロンブス

 ・04:しばらくはDVDともお別れ

 ・公式ツイッター(@magmyanmar1)

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・01:海外に出るより日本が最高

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新規事業を立ち上げる! そして日本を飛び出し、東南アジアを飛び歩く。そういうビジネスマンは大勢いる。飽和状態の日本では、開拓の隙間はないという。だが、中近東へ、アフリカへ、南米へ、あるいは欧米へ、とは飛躍しない。地球は丸く、世界はだだっ広いのに。結局は身近なアジアをウロウロし、その一部がミャンマーに辿り着く。同じ仏教徒で、優しいから、と一応の理由はつける。

英語に弱い、欧米人は理屈っぽい、何を言っているか話が通じない、顔つきからしてどうも苦手だ、と言い訳は色々あるようだ。本当にそうだろうか? 

日本の優秀なビジネスマンが講釈してくれた。
ミャンマーは政権が変り、法制も税制も整っていない。新政権は朝令暮改で信用できない。スタッフも時間を守らない。退社時間だけだ、守るのは。来客のアポも直前でキャンセル。基本的な躾がまるでなっていない。矛先は手を組んだビジネス相手にまで向かう。こういうわけで、工期は予定を大幅に遅れ、予算はオーバーする。日本の本社から小言メール。

女性陣も同じだ。

お茶に誘ったのに、モバイルいじりで会話が弾まない。お土産をあげても、サンキュウの一言もない。
ティーカップの飲み口に指を突っ込んでサーブするのヨ。不潔ったらありゃしない。生ビールのジョッキーも同じヨ。どこの店、アッ、あのレストラン。ということで、次の飲み会はお上品な一流ホテルの高級レストランに決まる。だが、このレストランも、用足しのあと、まともに手を洗うコックやボーイは少ない。

これらのご不満を解決する唯一の方法がある。

ナショナルフラッグ機ANAの直行便を利用することだ。日本の酒、日本食を味わい、日本人の木目細かいオモテナシ、ひと寝入りすれば成田到着だ。これしか方法はない。

帰国すれば法制・税制は細かく整備、ビジネス環境は完備されている。レストランのサービスもマニュアル通りの笑顔で歓待してくれる。何が不満で、ヤンゴンくんだりまで出かけるのだ。



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・02:クビライ・カーンと日本人

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欧米人の見方は少し違う。

これについては過去のメルマガで何回か触れた。人生死ぬほど退屈な方は、バックナンバーでもご利用いただきたい。

第二次世界大戦では枢軸国だった。だが不甲斐なく、一番最初に白旗をあげた。それがイタリアだ。だが、彼らの冒険心は、日本人をはるかに凌ぐ。世界一アドベンチャラスな国民である。その元祖がマルコ・ポーロ。そのマルコ・ボーロに刺激され。水平線の彼方へ行ったのがクリストファー・コロンブス。彼らは、自分の強い意思で、そして強い信念で、地平線と水平線の彼方に挑んだ。神を怖れぬ行為で成功すると、欧米では崇め讃えられる。失敗すれば、もちろん火あぶりの刑だ。

失礼だが、「歩き方」で仕入れたレベルでは、欧米人の基礎知識にはとうてい太刀打ちできない。バックパッカー同士で語り合っても、日本人に勝ち目は多分ない。どうして?
その理由が、この二枚のDVDからたっぷりと学習できる。

自慢のコレクションからご紹介したい。

海賊版DVD『MARCO POLO』これは世界の歴史を学ぶに、手軽で必見のDVDである。

伝説のモンゴル帝国が中国を制覇した。プライド高い中国がモンゴルに征服されたのである。中国の乗っ取り犯は、モンゴル第五代皇帝クビライ・カーンである。そのクビライに気に入られ忠誠を尽くし、モンゴルの諜報部員として暗躍したのがベニスの商人マルコ・ポーロである。皇帝クビライは遊牧民族の習慣に従い、夏はモンゴルの上都(映画『市民ケーン』では理想郷“ザナドゥ”の名前で幕開けに登場する)、冬は大都(北京の紫禁城)で、規則正しく例年そこで過ごした。

そのきらびやかな二つの宮殿はDVDで楽しんでいただきたい。宮殿だけでなく、欧米人が基礎知識とする歴史のドラマをたっぷりと学習できる。余計なエピソードを追加すると、ドナルド・トランプ大統領の冬の別荘地として、あるいは海外要人の接待に愛用するMar-a-Lagoは、映画『市民ケーン』を鑑賞すると、あまりにもソックリなのにビックリする。映画の初っ端にモンゴルの理想郷“ザナドゥ”の説明が出てくる。市民ケーンはイエロー・ジャーナルで新聞王となったランドルフ・ハーストがモデルである。トランプはここを値切って、脅して、言い値の半分以下で手に入れたと言われている。

マルコ・ポーロの話だった。クビライには異教徒であるマルコ・ポーロを使いこなす度量の広さがあった。キリシタン禁止令などとケチなコトは言わない。マルコの有能さを見抜き、使えると即座に判断した。それが証拠には、国家機密を扱う諜報特使としてマルコを各地に派遣し、20年以上も使いこなした。マルコの著した「東方見聞録」は、あまりにも奇想天外で、母国では百万のウソ物語と言われた。

そこで、日本の三大英雄、信長・秀吉・家康と比較してみたい。
異教徒の最新の知識を手に入れても、その雄弁な語り口、とてつもない科学知識に怖れをなして、鎖国政策に閉じ籠ってしまった。世界を識るチャンスがあったにも拘わらず、閉じ籠りの道を選んだ。その世間知らずのDNAは太平洋戦争にも受け継がれ、そして21世紀の今でも、悲しいかな引き継がれている。小さくまとまる性向は今も変っていない。ミャンマーの軍事政権にも同様の兆候が見える。

突然だが、1941年12月27日土曜日バンコクで、ビルマ独立義勇軍が結成された。アウンサンが提案し、自分たちの血を啜り合う血盟の儀式で、イギリスからの祖国奪還を厳かに誓い合った。その独立義勇軍の数は100人以上にのぼった。

幾つかのルートに分かれ、日本軍と相前後してビルマに進撃する。国境を越え、母国の領土に入るや、通過する町や村で住民に温かく迎えられ、義勇軍への入隊希望者が増えていった。

2月末には約4,000人の勢力に、3月8日のヤンゴン占領前後には正規兵約10,000人、便衣兵約100.000人に達していた。

だが、ビルマに侵攻した実戦部隊の第三十三師団と第五十五師団は、この独立義勇軍をむしろ邪魔者扱いし、実戦に参加する機会をなかなか与えなかった。

このころから、東条英機および内閣が約束した約束を日本は破ろうとしていると、アウンサン以下のビルマ人は敏感に感じ取ったようである。

歴史にイフはない。その結果がビルマ戦線の惨敗である。

戦後になってすら、素人義勇軍を投入しても何の役にも立ちはしないとのご意見もあるが、日本の企業戦士たちは、OJTだと素人の新卒にせっせと訓練を施している。

このDVDが興味を抱くのは、そして学んだことは、これらのことである。

これはワタシ自身にも跳ね返ってくるが、どうして小さくミャンマーに落ち着くのだろう。
これが日本人の限界なのか?

ここでモンゴルと比較してみよう。武力闘争しか知らない残酷で野卑な草原の民が、異教徒のクリスチャン、イタリア人のマルコ・ポーロを手足のごとく使いこなした。マルコだけではない。

当時世界最高の文化を誇った中国を思いのままに活用した。紙の発明・火薬の技術・文書記録保存・薬用医術などなどを利用・活用して版図を広げていった。あのプライドの高い中国人を屈服させ、奴隷化して使いこなした。残酷で野卑な草原の民とは、誤った歴史観でインプットされた日本人の見方ではないだろうか。彼らは雑兵や愚民ではなく、大将を使いこなす器の偉大な民族と見方を変えたい。

朝青龍が滑ったの転んだので、大騒ぎするマスゴミとは次元が違う。残念ながら日本人のDNAは滑ったの転んだの方がお好みらしい。悲しいかな、それが今も続いている。日本における言論リンチは凄まじい。それを知るモンゴルの関取は、日本では口を閉ざしてしまう。だが、彼らは中国を制覇したクビライ・カーンの子孫である。中央アジアから東ヨーロッパまで版図を広げたジンギス・カーンの子孫との誇りがある。

モンゴル勢の傑物は相撲界引退後に、望むなら日本に帰化させ、特別雇用したらどうだろう。そして昔の広大な版図に密使として派遣する。クビライに倣い逆活用するのだ。その懐の深さが日本人にあればの話だが。日本人のDNAでは残念ながら、無理かもしれない。

朝青龍が日本に帰化したかどうかは知らない。だが、朝青龍を総理の特使として北京に派遣する。習近平と朝青龍の対談が実現する。そこで一言「これが紫禁城ですか!祖国の英雄クビライ・カーンは、ここに居を構えて君臨したらしいですな!」と破顔一笑する。「祖国の英雄クビライであれば、魚釣台など米粒の如きチッポケナ島で、日本とコトを構えるでしょうかネ? クビライはそんな小者ではないと思いますヨ、アナタはどう思いますか?」、あるいは「習近平国家主席殿、日本を敵に廻すのではなく、味方につけるのです。外国人の私が、伝統的で保守的な日本の伝統的国技で最頂点に上り詰めました。日本攻略の秘策でも授けましょうか? 指南料は腰を抜かすほど高いですよ!」

浦島太郎としては、日本人はいつからコンビニ的マニュアル化された体質に変ってしまったのだろう、と考え込んでしまう。チョット前までは、もう少し骨太の日本人がいたような気がする。DVDを鑑賞しながら、このようなことを考え、若者との話題に活用させてもらっている。

波乱万丈の中国の歴史を習近平とじっくりと語り合えば面白いと思うのだが、どういう訳か歴史話は敬遠し、経済ばかりに話を絞る。これだと、摩り替え上手な中国に、いつまでも手玉に取られる。

中国が“一帯一路”を唱えるのは勝手だが、イニシャチブをとるのはマルコ・ポーロとクビライ・カーンが許さない。歴史を学んでいればの話だが。絹をローマ以西に売り込みに行ったのは中国のセールスマンではない。西方の買い付けバイヤーが西安を訪ね、絹の買取交渉をして、ラクダに満載して月の砂漠をトボトボと持ち帰った。それがシルクロードである。アヘン戦争も同じだ。西方の悪魔が、北京に乗り込んで乱暴狼藉を働いた。北京の円明園に座り込み、兵どもの夢の跡をジックリと観察するがよい。習近平国家主席殿!

繰り返すが、シルクロードというスーパーブランド名は西方の連中が切り開いた陸路である。それを絹の道=中国とする戦略は、“燃える水”に群がった昔のアゼルバイジャン・バクー油田の歴史に対しても失敬である。海上航路については、もっともっと言いたいが、その時間的、枚数的、余裕は今はない。省略する。

これ以外にも、満州族にまたしても領土を奪われた情けない支那の話、欧米列強に完敗したアヘン戦争の話、宋家三姉妹から話は孫文・蒋介石に拡がり、そして毛沢東、文化大革命に至る。内山完造や支那人の愚かさを嘆いた魯迅も忘れてはいけない。これらの知識や情報はコレクションDVDですべて、学習させてもらった。それに加えて、ニクソン、田中角栄も基礎知識として必須だ。さらに掘り下げるならキッシンジャーの隠密外交も、すべて海賊版DVDで学習可能だ。ワタシの棚には、「中国を深く知る」という分類がある。そこには、孔子をはじめとして、三国志、水滸伝、梅蘭芳物語り、南京の歴史、上海マフィア、京杭運河の旅、1911年、中国茶の文化、少林寺、易経講座、などなど30枚ほどコレクションが揃っている。これはすべて中国製海賊版である。国家主席殿、シェー・シェー・ニー。

ところが、今の日本で「中国」と一言いうと、ワンパターンの中国非難が返ってくる。どうして活用しないのだろう。非常に寂しい。昔の彼らはもっと包容力があり知的な好奇心で酒が旨かった。寂しくてならない。今の中国なんていうのは、悠久の中国の歴史からすると、ほんの一瞬で、一炊の夢でしかない。彼ら自身、共産革命で中国が統一されたものの、ケ小平の“南巡講話“で資本主義を容認し、香港での“一国二 制”と益々矛盾化して、その矛盾に苦悩している最中である。だがメンツには拘る。

先日は、久しぶりに会えるかと楽しみにしていた旧友からは、「自分はスーチーは大嫌いだから、ご承知置きください」とメールをもらい、それ以来交信は断ち切られてしまった。

かなり前になるが、ネットで検索すると、アンジェリーナ・ジョリー製作の「UNBROKEN」の日本上映を阻止するデモが行われたとか、マーティン・スコセッシイ監督の「沈黙」もボイコットを喰ったと聞いた。日本人の度量がこれほど狭くなってしまったのかと思うと悲しくてならない。

自慢のコレクションには、例えばクワイ川マーチでお馴染みの「戦場に架ける橋」のDVDは何種類も集めている。監督・脚色が異なると、同じ対象の戦争捕虜でも、その表現方法は微妙に、場合によっては大いに異なる。言ってみれば、盲人象を撫でるである。その異なるDVDを何度も比較しながら観察すると、話の内容が2Dで、あるいは3Dでと、もっと幅広く奥行き深く見えてくる。スーチー哲学が語る通りで、問題の紛争地区ばかりでなく、仏教徒とイスラム教徒が平和共存している部落もラカイン州には幾つもある。その両方を見て・聞いて・判断してください。というのは筋が通っていると思う。

若者に対しては、ワタシも同様のことを語っている。いろいろな意見がある。相対する意見もある。その違いこそが民主主義とワタシは理解している。日本に居ると、新聞の論調もワンパターンで、この国は一党独裁の共産国家ではないかと、あるいはジョージ・オーウェルが描いた「1984年」のビッグ・ブラザーを思ってしまう。

意見が異なるところから会話は豊かになる。皆さん同じ意見ですネ、と満場一致の人生は退屈ではないだろうか。あまりにも真面目すぎる。これが問題なのか?

ワタシなどその典型的な見本かもしれない。これでは国際的にヤッテいけない。

海賊版の原典はほとんどすべて、イギリスとアメリカの超一流どころBBC・ハリウッドなどの製作である。これらのすべてがカバージャケットも含め中国で印刷された海賊版DVDである。ということは、中国のトップはこれら貴重なDVDを検閲する機会があり、必要な情報はすべて学習していると見るべきだろう。と言うことは、習近平は知っていながら話を摩り替える名人かもしれない。歴史知らないのか、知っているのか、ここを確認してみたい。

中国製海賊版DVDは公然の違法ビジネスとしてアジア一帯、中近東・ロシアまでも行き渡っている。海賊版DVD大学設立の妙案は、急がないと、競争相手に奪われてしまいそうだ。だが、テーマを系統立て、分類・対処できれば活路はある。優秀な若者たちの知恵を借りよう。



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03:そしてコロンブス

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話は横道に逸れてしまった。

そのマルコ・ポーロに刺激を受けたのが、同じイタリア人のクリストファー・コロンブスである。海賊版DVD『1492 CONQUEST OF PARADISE』は、コロンブスのアメリカ大陸到達500周年を記念して製作された。

監督は「ブレード・ランナー」、アップル・マッキントッシュのCMでも有名なリドリー・スコットで生粋の英国人である。例の「ラストエンペラー」がイタリア・中国・イギリスの合作で、監督がイタリア人のベルナルド・ベルトルッチであったことをじっくりと考えてみたい。

イタリア人のベルトルッチ監督が「ラストエンペラー」を製作した。これにはマルコ・ポーロと紫禁城に君臨したクビライ・カーンの歴史的因縁を感じる。ついでに言及すると、北京の凍える冬は熱々のシュアンヤンロー(漢字で、サンズイに刷+羊+肉)に限る。これこそ、モンゴル人が北京に持ち込んだ羊肉のしゃぶしゃぶ料理である。

アメリカ建国は、イギリスからの独立である。だからコロンブスの伝記映画造りにイギリス人の監督が参加する。こうなると、アメリカ・イギリス・イタリアの接点が見えてくる。歴史は単独に存在するのではなく、連綿とつながっているのである。

これこそストーン監督の哲学であり、スーチーの哲学である。

ではコロンブスの物語の上映開始だ。

セビリア(スペイン)の修道院に身を寄せるイタリア移民のコロンブスは幼い息子を海辺に連れ出す。

「水平線を見てごらん!」、そこには大西洋の大海原が広がり、大型帆船が水平線に向かって船出していく。「船体の下半分が見えなくなった」子供が答える。「その通りだ」、しばらくして同じ質問をする。「今は、マストだけが見える」、「では、目をつぶって。ズルしちゃダメだよ。父さんがOKというまで目を閉じていなさい」、しばらく時間が流れる。「さぁ、目を開けてごらん!今は何が見える?」、「何も見えない。帆船は行ってしまった!」

ワタシは海運業の末端でメシを食ったことがある。特に海の話は懐かしく、コレクションもしており、大好きだ。コロンブスは船乗りである。このDVDにもついつい感情移入してしまった。

父親はさらに問いかける「どういうことか分かるかい?」、そして手に持ったオレンジを取り出す。「これから何を学ぶ!」、子供は怪訝な顔つきをする。「この世の中は、この地球は、丸いんだ!このオレンジのように」、オレンジが子供の目の前にある。親子の眼が合い、ニッコリする。ワタシも映画のセットに吸い込まれていく。

このDVDは世界を知らないミャンマーの若者に、最高の教育教材となる。退屈な学校教科書などクソ喰らえだ。巻き戻し、再生、停止を繰り返す。そこで親子の会話を一語・一語、説明していく。若者たちは身を乗り出してDVDを見つめる、画面では大西洋の海原が西に傾く太陽を反射し、まぶしく輝いている。大海を知らずに育ったミャンマーの若者も、ビジュアルで見せると、大海原をイメージする目になる。

話を続ける。

このDVDには、ジェノア出身の夢と現実と失望の一生が描かれている。合計4回も航海に出たが、探すゴールドは手に入らなかった。

本人は死ぬまで信じていたが、コロンブスは誰もが考えなかった西へ向かったものの、インドどころか、カリブ海の島々をウロチョロしたに過ぎない。アメリカ本土には到達しなかった。欧州人の単純さはそのコロンブスを有難がるところから歴史を歪曲した。そしてカリブ海の島々を悔し紛れに西インド諸島と名付けた。

1499年と1501年の二回、アメリゴ・ベスプッチはギアナ、ブラジル、リオデジャネイロと南米沿岸を探検し、ここはアジアではない新大陸であると確信した。これによってアメリゴこそがアメリカ大陸の名付け親となった。ここまでは教科書で学んだ。だが、コロンブスと同国人のベスプッチとがスペインで知り合い、彼の南米到達もコロンブスは耳にしていたことは、このDVDではじめて学んだ。だから、DVD大学は実に有益でありがたい。

ここで一つ新たな疑問が出てきた。

アメリゴ・ベスプッチが西洋人としてアメリカ大陸(正確には南米)の探検者だとの事実があるのに、どうしてアメリカ人はコロンブスをアメリカ大陸の発見者とフェイクニュースを流すのだろう。これは大きな宿題になりそうだ。

その結果、素朴なアメリカ人全員がそれを信じ切っている。悲しむべきは日本人である。アメリカ情報ならば、何でも受け売りで、「イヨクニ見つけたコロンブス」とムリヤリ暗記させられて疑問の声は挙がらない。実に情けない。

その偽情報の影響は大きく、アメリカ北・中・南米にはコロンブス由来の名前が至る所に残されている。これはスペイン人の仕業でもあり、ポルトガル人の仕業でもありそうだ。

オリバー・ストーン監督が凄いのは、信じ切っている自国民のアメリカ人に、まだ今ならば、歴史を修正する時間は残されていると、幾つもの証拠を揃えてDVDを作ってしまったことにある。

一方、日本人はイタ公・イタ飯と馬鹿にしてきたが、歴史を理解していないと、後で恥をかき大火傷をする可能性がある。移民で建国されたアメリカでは、今頃日本では流行するようになったイジメが、建国当初から移民者間で火花を散らしていた。前にも書いたが、ニューヨーク特にマンハッタンは、移民同士の殺し合いが恒例行事のマフィア・ワールドであった。ストーン監督の師匠であるマーティン・スコセッシイの描くマフィア物語はDVDで是非楽しんでほしい。例えば海賊版DVD『GANGS OF NEW YORK』だ。アメリカは路上の喧嘩から生まれたとスコセッシイは教えてくれる。彼もイタリアンで、マフィアを撮らせたら彼の右に出る監督はいない。

イタリアン・レストランを牛耳っていたのもイタリアのマフィアである。理髪屋もイタリア人が多い。セビリアの理髪師もまぎれていたかもしれない。マフィアに愛されていたのがフランク・シナトラで、マフィア的雰囲気の一家を構えていた。J・F・ケネディ大統領の妹パトリシアと一時結婚していたピーター・ローフォードもシナトラ一家で、マリリン・モンローJFK大統領にブローキングしたのもシナトラ一家だ。ディーン・マーティンもペリー・コモも、ついでにアンディ・ウィリアムスまでもイタリア出身である。これらのことはすべて、ヤンゴンの海賊版DVD大学で学習できる。

イタ公・イタ飯というコンビニ型発想法でイタリアを理解していると、大恥をかき、あるいは大火傷をするだろう。ましてや、イタリア人って手が早いのよネ、小金をもってる日本人はブスでも口笛を吹かれ、シツコク付きまとわれるそうヨ。今年のクリスマス旅行は気をつけてネ、のレベルは論外だ。



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04:しばらくはDVDともお別れ

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実は今回、ジョン・ウェインの映画「アラモ」を紹介する予定だったが、話は横道ばかりで出だしまで辿り着かない。本日は、突然だが、ここで打ち切りたい。

急な話で、カレン州州都パーアン行きの話が出てきた。

ビルマ義勇軍が、アウンサンに率いられて通過したのがこのパーアンである。
タイとの国境近くでもある。

同行者がいるので、無理を聞いて貰える。

興味津津の旅行になりそうだ。

このメルマガは推敲どころか、読み直しもしていない。
かってながら、ここで打ち切ります。
無責任だが、次回は一週間後か?



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