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＜ミャンマーで今、何が？＞ Vol.300
2019.2.1
http://www.fis-net.co.jp/Myanmar
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━━【主な目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■インパール作戦に思いを馳せる
・01:インパール作戦を追跡する作戦
・02:古書なら、何といっても神保町
・03:日本人の本質
・04:“We cheat！”
・05:オートクチュールの海賊版DVDリスト
・公式ツイッター（@magmyanmar1）
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・01：インパール作戦を追跡する作戦
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海賊版DVD『Amazing Grace』では精根尽き果てた。
こういうときの気晴らしは決まっている。海賊版DVD屋そして古本屋をハシゴするか、土日の昼ごろ、空いたヤンゴン周回電車に乗るのである。
話は、まったく関係のない、横道に入っていく。
昨年2018年1月末午前中、ヤンゴンで信頼できる数少ない友人を介して、ある方にお会いした。お父上が日本最強といわれた九州の菊兵団に所属しインパール作戦に従軍されたという。そのビルマでの足跡の手掛かりが見つからないか探しておられた。
お父上は、失礼ながら高級将校ではなく、末端の下士官であった。実は、失礼ながらソコに興味を持ち、何か情報収集でご協力できるかもしれないと、大見得を切った。
敗戦直後Kokkine Swimming Club近くの捕虜収容所に入っておられたとのお話だったので、次回来緬された折は一緒に、そのクラブの理事長にでも面会を申し入れ、当時の写真アルバムなど見せてもらえないか、頼んでみる手はあると皮算用をしていた。
因みに、会田雄次が捕虜となっていたのは同氏の著書で有名なアーロン捕虜収容所で、当時日本軍の捕虜収容所は、ヤンゴンでも何ヶ所かに分かれていたことが分かる。これ以外にも現役で使用されているインセイン中央刑務所が別途に存在する。このインセインには、アウンサン将軍暗殺のウ・ソオや、日本敗戦時、シンガポール刑務所から移送された鈴木敬司大佐も一時収監されていた。
ミャンマーのClubも英国式を踏襲したもので、このコカイン水泳クラブも名門クラブなので、そこのシニア役員となれば、近隣の日本人捕虜についても、未発表のエピソードが眠っているかもしれない。
長いこと途絶えていたヤンゴン日本人会へも再入会して、インパール作戦関連の手掛かりを探してみた。すでに戦後70年を経過しているので、戦前・戦中・戦争直後の図書はほとんど処分されていて、手掛かりは何一つ手に入らなかった。
ひとつ思いつくことがあった。
ヤンゴンが最後の経済フロンティアともてはやされた頃、2012年だったろうか、収容しきれなくなったインパール関連などの図書は一冊100チャットで、大箱に入れ選り取り見取りで、売却されていたのを思い出した。今となっては手遅れである。
英国領事館の図書館も訪ねてみた。ビルマ作戦などの資料は書庫に無く、現在のモダンな英国を象徴するファッション雑誌や人気のハリー・ポッターなどに取って代わられ、この図書館も当てにならない。
インド大使館の図書館は英国植民地時代の資料も含めて蔵書は豊富だった。チャンドラ・ボースやガンジー関係はいくつか目に付いた。だが、日本関係となると難しく本腰を入れて閲覧する必要がある。事務員は非常に親切で協力的だった。ここは今後の資料館として利用したい。
パンソダンの表通り・裏通りの新書・古書店街、そしてボージョー市場近くの書店街も、歩いていると掘り出し物が目に付くが、インパール作戦関係となると、なかなか出てこない。
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・02：古書なら、何といっても神保町
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その後日本へ帰国した折に、神田神保町の古書店街に行ってみた。
最近は古書店街の観光地図が完備しており、それを参考に町歩きを楽しんだ。
いろんな店を覗いて、オヤジさんに相談してみると、第二次世界大戦の図書を扱っている店は２軒あることが分かった。
一軒は靖国通りに面した「文華堂書店」、ここは立派な店で旧陸海軍関係の分厚い化粧箱入り書籍などが揃っていた。陸軍、海軍それぞれの調査部が丹念に戦時資料を集めて編集した公式文書などが山高く積まれていた。問題は値札が最低一冊５千円ぐらいから、中にはウン万円の値札が付いている。素人探偵の懐では、敷居が高すぎた。とてもではないが手が出ない。
だが、菊兵団についての細切れ情報は教えてもらった。年表などを見比べて、菊兵団なら大村・久留米・小倉ですなと呟いた。素人にとってそれだけでも手掛かりになる。さらには、駿河台下にあるもう一軒の「軍学堂」に行ってみたらと、親切に教えてくれた。犬も歩けば棒に当たるだ。
サラリーマン時代この界隈はランチタイムに、そして夜の一杯と歩いたので土地勘はある。昔を偲びながら安食堂で昼飯を摂り、そして「軍学堂」を訪ねた。１千円以下の古書が揃っている。ウン百円であれば手が出る。そこで夢中になって何冊かを買い求めた。特に当番兵、二等兵、一等兵など素人記述の思い出話はオモシロくて、物悲しい。時には、隣村や同郷の幼馴染が実名で登場するので、ヒョッとしてと期待したが、それは叶わなかった。
下士官の方々の記述は、一般的な話として、報告書などの訓練を積んでいない。そのために記録としての日付、方面軍、村落名、兵団の名前、作戦名などが欠落しており、米磨ぎなど話は細かいが、どこの連隊で、どこからどこに向かっているのかなどの、全体像が掴みにくい。
一方高級将校の記録は、全体像を掴みやすいが、上官・同僚への気兼ねか、日本軍人としてこうあらねばならないという思い込みに囚われ、お役所的で面白みに欠ける。
こういう追跡作戦を続けるうちに、日本の指導者のモノの考え方に疑問を持つようになった。
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・03：日本人の本質
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話はさらに横丁に紛れ込むが、『Amazing Grace』で洗濯された頭脳で、好き勝手なことを言わせていただきたい。
戦況の悪化を熟知しながら、敵が今にも上陸という状況下で、竹ヤリで本土決戦を主張する感覚。日本民族絶滅につながる選択を平気で強いる指導者としての識見。国民を切り捨てても国体保持を絶対条件とする軍部首脳の思想。
インパール作戦の敗残兵を平気で遺棄し、自分たちはトラックを強奪して逃げる高級将校。あるいは敗残兵を切り捨て、自分たちは軍用機で帰国する高級参謀。それらの強い疑問を抱くようになってしまった。インパール作戦を調べ始めて、しかも人生の晩年になって、これらのことが見えてきた。戦争を知らない子供が、恥ずかしながら気楽に晩年になってしまった。
だがスーチーが言うように、どちらかに偏らずダブルの見方をすると、遺棄される兵隊も、彼らを見捨てる高級将校も、そのどちらも我々の祖父・父親でありDNAとして我々に受け継がれているはずである。こういう迷いから、インパール作戦よりも、日本人としての資質に付いて考えるようになった。
中野正剛は東条首相と激しく対立し日本刀で腹を切った。阿南陸軍大臣は陸相官邸で「一死以テ大罪ヲ謝シ奉ル」と介添えを断り、割腹自殺を遂げた。東条英機は日本人の作法に無いピストル自殺で遂げられず、生き恥を晒したまま、東京裁判で絞首刑となった。
さらに余談となるが、阿南陸相の息子さんと三鷹の小学校で一緒だったという先輩ともこのヤンゴンでお会いし、その後日本およびミャンマーで親しくお付き合いさせていただいている。
そういう疑問だらけの折、海賊版DVD『Amazing Grace』に出遭った。
東洋の人間、特に日本人、と西洋の人間のモノの見方、考え方に大きなギャップを感じた。日本民族絶滅に導きながら、個人的な“死”という自裁で責任をとったことになるのだろうか？
ワタシがすとーんと腑に落ちた、というのはソコのところである。
ウィリアム・ウィルバーフォースの20年間にわたる不屈の英国人魂は“死”とは真反対の“生きる”という道を選択し、絶望を乗り越えて、最後は勝利を勝ち取っている。というよりも、勝利を勝ち取るまでギブアップしないという闘いである。
英国は老獪だと、コンビニ的結論で片付けがちだが、その健全で成熟した社会に感服した。
特に最近の韓国に対する政治家の動きを見聞すると、戦時中の日本人DNAから何一つ抜け出しておらず、むしろ危険な兆候に映る。
ヤンゴン海賊版DVD大学での“英国の老獪さ学”の充実を急がねば。
その最高の教材が『Amazing Grace』であり、その中で書記を買って出たジェームス・スティーブが語ったラテン語の言葉“Nosus Decipio”、すなわち“We cheat”が老獪学のエッセンスである。
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・04：“We cheat！”
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この場面でのラテン語および英語を敢えて訳せば、“我、敢えて、欺く！”という意味なのだろうか？
このチートで想い出すのが、カントリー界の大御所ハンク・ウィリアムスの唄う“You cheating heart♪”これは“君の偽りの心”と訳されている。
和英辞典で調べても、“詐欺、ぺてん、カンニング、浮気をする、だます、一杯食わせる”となっている。
この映画の場面でも、野党の連中が気付かないうちに、ナポレオン戦争の危機に紛れて、議案を提出、通してしまおうという意味で使われている。
そしてその戦術が見事功を奏して、最後は英国の国王の了解まで取り付けてしまった。フランスはフランス革命で、皇室の存在はギロチンで処分されたが、これによって英国王室は21世紀の今でも健在である。
そういう意味では、英国王室も老獪さを充分に計算しているようだ。
話は変るが、伝説のハンク・ウィリアムスに関する海賊版DVDはコレクションとして3枚揃っている。『HANK WILLIAMS TRADITION』、『I SAW THE LIGHT』、『THE LAST RIDE』それぞれ彼の伝記映画だ。
このようにカントリー音楽のどの分野で、あるいはあの歌手の物語を集めたいという人にも、マニアックな夢を叶えられるのがヤンゴンである。スーチーやロヒンギャだけが、ミャンマーの売りではないことをお伝えしておきたい。
というよりも、新商売と金儲けにしか興味ない人にとっても、例えば、マイケル・キートン演じる『THE FOUNDER』などはお勧めだ。
お馴染みハンバーガーをアメリカの国民的フードに仕立て上げ、世界最大のファースト・フード・チェーンを開拓したレイ・クロックの伝記映画である。
日本では昭和46年に、銀座四丁目に藤田田が第一号店を開店し、その頃から高校生だった孫正義がそのユダヤ商法を教わりたいと、藤田氏に弟子入りの手紙を書いたというエピソードで知られるが、ヤンゴンにいれば、そのオリジナルの商法がタップリとDVDで鑑賞できる。
スミマセン
またまた枝道に入り込んでしまった。
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・05：オートクチュールの海賊版DVDリスト
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話は長くなってしまった。
実は、インパールの人物と2月15日に、この地球上のどこかでお会いしましょうという約束が出来た。ワタシの現役時代であれば、お訪ねしても、ご本社のセキュリティから玄関払いをくらっても仕方のないような地位の方である。
だが、ヤンゴンだと、そういう方にもお目にかかれるSerendipityがあるということをお伝えしたい。ただし、ヤンゴンの日本食レストランで、日本人同士で情報交換をやっていても、そういうご縁にはなかなかめぐり合えないと思います。
コンビニ的メルマガ読者には購読中止をお願いしたので、残るはひとりひとりが、ワタシの貴重な財産で、珠玉のようなネットワークが今形成されようとしている。
お会いする前にと、手土産代わりの海賊版DVDを選んでみた。
もちろんご本人の嗜好、経歴などを勘案しての上である。
一般読者の方には、ヤンゴンで、こんなものまでも手に入るのかと、ご参考にしていただければ嬉しい。欧米の圧力で、これらDVDショップが潰される前に、海賊版DVD大学用の教材を急がねばならない。
（順不同です）
『THE GREATEST GAME EVER PLAYED』ディズニー製作。アメリカ人キャディのFrancis OuilmetがUSオープンで、アマとして憧れの英国人プロゴルファーHarry Vardonに勝利する感動のスポーツ実話。アメージング・グレースの上流貴族の鼻持ちならぬ社会を思い出していただきたい。
『RIO BRAVO』古典西部劇の傑作。ディーン・マーティン、リッキー・ネルソン、ワード・ポンドの唄声、ギター、ハモニカを楽しんでください。
『WHO REALLY KILLED AUNG SAN？』BBCが、その犯人は英国のかなり上部と言わんばかりの内容です。日本の放送協会とは意気込みが違います。
『Man of la Mancha』ドンキホーテをピーター・オトゥール、ダルシネアをソフィア・ローレン
『IMAGINE Johnlennon』英国の貴族の館とオノ・ヨーコ、そしてセントラル・パークでの模様
『eric Clapton unplugged』すべてアコースティック・ギターです。このDVDはお持ちですか？
Tears in Heaven、Layla、Walking Blues、Alberta、SF Bay Bluesなどが入ってます。
今のところ以上を用意しますが、ご希望があればこれ以外にも、膨大なコレクションから幾らでも揃えられます。
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