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<ミャンマーで今、何が?> Vol.306
2019.4.22

http://www.fis-net.co.jp/Myanmar

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━━【主な目次】━━━━━━━━━━━

■当事務所もOA化に挑戦?

 ・01:トロピカルの花“サクバン”

 ・02:日本語では何と言う?

 ・03:この辺りから雲行きがオカシクなっていく!

 ・04:またしても海賊版DVD

 ・05:OA化は一朝一夕に成らず

 ・公式ツイッター(@magmyanmar1)

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・01:トロピカルの花“サクバン”

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今の時季、庭の“サクバン”が枝葉をどこまでも伸ばし、白・赤・黄色と色とりどりに咲き誇っている。

このビルマ語を分解すると、サクとは紙、バンは花という意味である。日本語だと“紙の花”ということだ。

強烈な太陽光の下、この花はトロピカルの雰囲気を醸し出す。その魅力に取り付かれ、私は合計5色の苗木を猫の額のベランダ“Qガーデン”に植えた。だが、ピンクそして紫は最初の季節だけで、今年はまだ咲く気配もない。

ついつい花と言ってしまうが、実際は花弁状の包葉が濃淡取り混ぜて白・赤・黄・ピンク・紫などに色づくようだ。その色違いは樹木占有のものではなく、多分PHとか土壌成分で異なると私は見ている。素人園芸家として研究課題のひとつである。

この花びら状の包葉を一枚、じっくり観察すると、紙を揉んだ和紙ソックリの見栄え、そして手触りである。だから、“サクバン=紙の花”とは言い得て妙である。自然に敏感な日本人がどうして、これを“和紙の花”と名付けなかったのか不思議なくらいだ。

偶然なのか英語でもこの花を“PAPER FLOWER”(ペーパー・フラワー)と通称するから、恐れ入ってしまう。

英国産老獪学をヤンゴンで修業する学徒としては、ビルマ語の“サクバン”はこの英語の“ペーパー・フラワー”の翻訳だと疑うようになった。それだけではない。この“サクバン”はビルマの固有種ではないと、確信しはじめた。固有種であれば、ビルマ独自のネーミングがあるはずだ。この辺りは、ヤンゴン大学で植物学を専攻した若者レベルでは説明不可能である。

ミャンマーの至る所で見かける“サクバン”だが、郊外や田舎道の並木として移植されたレイン・ツリー同様に、ひょっとして大英帝国の植民地化でビルマに移植された帰化植物ではと疑問が頭をもたげる。そうならば、マダガスカル島あるいはアフリカの“バオバブ”もついでに、ここビルマに移植して欲しかった。これも私の好みである。

次回機会あれば、ミャンマー人の物知りあるいは知識人気取りのイギリス人に聞いてみたいものだ。



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・02:日本語では何と言う?

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話が逸れたが、それでは、この“サクバン”に日本名は無いのかというと、これがあるから面白い。それも日本人特有の生真面目さで、学名を採用しているから笑ってしまう。舌を噛みそうな学名“ブーゲンビレア”を、学童ですら教え込まれている。

“和紙の花”と命名しなかったのは、当時、日本本土では見かけぬ花だったからだろう。それで学名そのものを信奉するようになった。

欧米人の独壇場であるFAUNA & FLORA(動植物)の命名は、その動植物がこの地球上の特定の場所にしか生息しなくても、古代からそうであっても、その地を訪れた欧米人の発見者が命名登録する仕組み学界で築き上げてしまった。命名学の元祖はスウェーデンのリンネに帰すが、七つの海を闊歩するイギリス人よってこの老獪な仕組みはグローバルに権威付けられていった。

その独り善がりの仕組みを、碌に半畳も入れずに飲まされたのが日本である。南方熊楠が大英帝国で幾ら実績を上げても、日本人ここにありと幾ら大見得を切っても、連中にとっては、カエルの面にしょんべんである。

話を立て直そう。
“ブーゲンビレア”を日本大百科全書(ニッポニカ)から借用すると、「1766年、フランスのルイ15世は南半球の未知の大陸発見のため2隻の艦船を派遣した。それに同行した植物学者コメルソンは途中リオ・デジャネイロで新しい花木を見出し、艦長ブーゲンビル中佐に献上し、ブーゲンビレア属と命名した」とある。

さらにブリタニカ国際百科事典で補うと、「マゼラン海峡を経て南太平洋に入り、タヒチ、サモア、ニューヘブリディーズ諸島などを歴訪し、1769年3月に一行はフランスに帰国した。その記録は『世界周航記』として出版され、ソロモン諸島のブーゲンビル島、ニューヘブリディーズ諸島の同名の海峡、およびオシロイバナ科のこの植物“ブーゲンビレア”は艦長ブーゲンビル中佐に因む」とある。



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・03:この辺りから雲行きがオカシクなっていく!

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余談となるが、パプア・ニューギニア島の東端にあるブーゲンビル島は1988年ドイツ領となった。だが、第一次世界大戦で1914年オーストラリア軍が占領した。こんどは第二次世界大戦中の1942年日本が航空基地として占領し、太平洋戦争における海空戦の激戦地となった。

ご承知の通り、複雑きわまる旧日本帝国の最高機密・パープル(紫)暗号は、ルーマニア系ユダヤ人の両親とともに移民したアメリカで、息子のウィリアム・フレデリック・フリードマン夫妻を中心とする暗号の専門家集団によって1940年8月解読された。

大日本帝国と同盟を結んだドイツの暗号「エニグマ」も当時世界最強で解読不可能とされていた。だが、ケンブリッジ大学が生んだ天才数学者アラン・チューリングが勤務したイギリス外務省においてこの「エニグマ」は1940年夏までにはかなりの部分まで解読されるようになった。なお、この解読に威力を発揮したチューリング機械はコンピュータとのプロトタイプとして知られる。

前者は第二次世界大戦における太平洋戦線で、後者は西部戦線である。
連合国側、英国と米国は緊密な情報交換体制が出来上がる。同様に日本のドイツから西部戦線における極秘情報を入手した。

開戦直前当時、ベルリン駐在の日本大使は日独伊三国同盟締結に熱心だった大島浩である。ドイツ側から提供される膨大な極秘情報を、せっせと“パープル”暗号機で、東京に打電した。

暗号というものは例文が多ければ多いほど、解読の糸口が見つけやすい。
英米の緊密な協力体制によって、難攻不落と言われた“エニグマ”と“パープル”は解読されていった。ニセ極秘情報をイギリスがドイツに流す。数日後にそれがベルリン駐在の日本大使から極秘情報として東京に発信される。老獪なイギリスの諜報機関は、またしても糸口を見つけたとほくそ笑む。

質量で勝ち目のない大日本帝国軍は、じり貧の負け戦に戦意を喪失し、終戦処理をソ連に依頼するという愚を犯していた。この事実は開戦の真珠湾攻撃だけでなく、敗戦のポツダム宣言受諾まで、すなわち太平洋戦争の最初から最後まで日本が盲信していた“パープル”暗号は連合国側に筒抜けであったということである。

話がまたまた横道に逸れてしまった。
1943年4月連合艦隊司令長官・山本五十六が太平洋の基地を5日間にわたって巡察する決定を下した。長官が立ち寄る基地にはその詳細な日程が暗号電報で通報された。その暗号電報は数日前には発着時間までアメリカ軍によって解読されていた。時間に関しては山本提督は病的なほど厳格であった。

4月18日の朝P-38型編隊18機がブーゲンビル島の沖合いに到着待ち伏せ体制に入った。数分後、提督機はブーゲンビレアの咲き誇る密林内に火を吹いて突っ込んでいった。


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・04:またしても海賊版DVD

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これらの関連DVDとしては、“THE IMMITATION GAME”“ENIGMA”“CAMBRIDGE SPIES”“A BEAUTIFUL MIND”などなど一連のもので、じっくりと読み取ると、日本の独り善がりの国力が、どんなに意気がっても、世界レベルでは当時すべて欧米に見透かされていたことが分かる。

これらは海賊版DVD大学の立派な教材である。

これらを謙虚に学習すれば、G7とかG20という経済最優先の価値観で我が物顔の先進国サミットなど傲慢ではないではないだろうか。情けないことに、かっては老獪であった英国までが、下品な米国式に屈服してダッチロールに巻き込まれている。



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・05:OA化は一朝一夕に成らず

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このようなことを考え込まされたのが、この水祭り期間中であった。

最近の友人情報で、このメルマガもネット活用のビジュアル化が必要と痛感した。
そこで久しぶりにビデオ対応のデジカメを取り出し、マハバンドゥーラ大通りを東から西方向へ撮影していった。このビデオを添付できれば、今度やってくる友人へのヤンゴン下町案内ともなるし、うまくいけばメルマガの新年革命ともなる。

出発点はアウンサン将軍が暗殺された旧総督府とした、そして終着点はヤンゴン最大の市庁舎前庭の水祭りステージである。その途中にも小型・中型の水祭りステージが幾つも設定されており、これはメルマガ読者に画期的な水祭り紹介が出来ると、企画の夢が拡がった。

新政府のポリシーが徹底し、若者だけが踊り狂う時代は昔のものとなった。
ステージのある側は水浸しだが、道路反対側には見学席が設けられ、路上の飲食店が営業している。こちら側はいわゆる水に濡れずに歩けるプロムナードが続き、カメラやケータイなど、水濡れを心配せずに撮影しながら歩いて行ける。かなりの数のセキュリティ、交通警察、町内の世話役などがユニホーム姿で待機している。
町内会では、炊き出しの焼き飯・焼きソバ類を無料で道行く人に食卓を多数用意して供応してくれる。これこそミャンマー精神の床しき伝統である。

最近流行のコンビも覗いてみた、ここだけはお祭り期間中も24時間営業だ。
驚いたことに例年だと5割ほど値上げするビールが通常価格で販売されていた。

確実にヤンゴンは、そしてミャンマーは変化している。

撮り溜めたビデオを友人に添付してみた。
うまくいかない。すべて発信不可能であった。
25MB以上はムツカシイという。私のビデオは200MBをオーバーしていた。別のアプリで何度も試行錯誤するが、付け焼刃では結局ギブアップだ。

ということで、今回は私の大好きなブーゲンビレアで誤魔化すことにした。


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