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<ミャンマーで今、何が?> Vol.330
2019.10.03
http://www.fis-net.co.jp/Myanmar

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━━【主な目次】━━━━━━━━━━━


■色は匂えど 散りぬるを・・

 ・01: いろは歌

 ・02: YouTube繋がり

 ・03: 大人に夢を与えるセレブもいる

 ・04: NGOのSTAND POINTをご存知ですか?

 ・公式ツイッター(@magmyanmar1)

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・01:いろは歌

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“あめつち(天地)”の詞(ことば)をご存知だろうか? 

我が国には、すべての仮名を読み込み、同じ仮名を繰り返さない全文48字の誦文がある。
あめ(天)つち(地)ほし(星)そら(空)やま(山)かわ(川)みね(峰)たに(谷)くも(雲)きり(霧)むろ(室)こけ(苔)ひと(人)いぬ(犬)うへ(上)すゑ(末)ゆわ(硫黄)さる(猿)アト“おふせよ・・”と続くがここからは意味不明。

それを克服するために“たいに(大為爾)”の歌が作られた。
大為爾伊天奈徒武和礼遠曾・・と万葉仮名四十七文字を重複しないように用いた五七調の歌である。万葉仮名は読みにくいので全文表記は省略する。

そして最後に典雅な“いろは歌”で日本語の作法は完成した。

制作年代は“あめつち”が最も古く平安初期と推定される。
これら三種は、すべて女子供の手習い教材として用いられた。

この特筆すべき高度な文化は、支那にも、インドにも、西洋社会にも知られず、当時の文明国からは孤立して日本人の基礎教養の手習い教材でしかなかった。

元祖“あめつち”は単に個別の単語を羅列しただけで、全体では意味をなしていない。
だがテキストの最初に“天”と“地”を配したところがミソで、これは旧約聖書創世記に記述された欧米人の神話と、日本古事記の国造りを黙示する言葉でもある。

“あめつち”は易しい仮名が前後の脈絡なく単体として採用された。だから全文では物語としての意味付けはされていない。

そこで“たいにの歌”が登場した。
これは万葉仮名で記述され、物語を構成している。それだけではない。
発声にも聴聞にも心地良い、五七調の歌となっている。

手習い用とはいえ万葉仮名なので解読にはかなりの教養が必要とされた。
裏返すと、当時の世界の文化レベルとしては高度に突出したものであった。


広辞苑によれば「田居に出で、菜摘むわれをぞ、君召すと、あさり追ひゆく、山城の、うち酔へる児ら、藻は干せよ、え船繋けぬ」と説明してある。
元祖“あめつち”はプロトタイプで素朴であったが、万葉仮名の“たいに”は次世代型2Gともいえる画期的なものであった。プロトタイプと次世代型との間には大幅な“カイゼン”がなされた。

世界の人々は、“カイゼン”とは日本の代表的自動車製造会社が考案したシステムと米国型MBAで学ぶが、それは日本の歴史を知らない、欧米人の近視眼的見方でしかない。
日本の風土はいたるところに“カイゼン”をもたらす空気で満ちている。

それは農業の畑仕事であり、大工の棟梁から宮大工まで、町の鉄工場であり、お婆ちゃんのつくる保存食品まで、寺子屋の学習方法もそうであった。

その風土の中で手習い教材の“カイゼン”はさらに磨かれ洗練されて、“いろは歌”で完成の域に到達した。Final touchが施された。

『色は匂えど 散りぬるを わが世たれぞ 常ならむ 有為の奥山 けふ越えて 浅き夢見じ 酔ひもせず』と優雅な七五調四句四十七文字で構成されている。

涅槃経の四句の偈『諸行無常、是生滅法、生滅滅已、寂滅為楽』の意を表したという。言ってみれば、釈迦が頓悟した大宇宙の真理である。
人生とは何か?という哲学的な問いに対するこの究極のエッセンスを、日本ではガキの時代から手習いとして身につけさせているのである。

それだけではない。
この“いろは歌”の凄いところは、日本語のアルファベット四十七文字すべてを、しかも一回限り使用して、仏教の真髄を語り尽くしたところにある。

あまりにも高遠な哲学なので、弘法大師空海(774-835)の作と信じられ、世間に流布したが、この歌の成立年代はたぶん10世紀中ごろ以降というのが定説となっている。

21世紀の今となっても、愚かな人類は核兵器を唯一の拠り所として世界の紛争を力ずくで決着つけようとしている。だから頭を刈り上げた無教養な肥満体の若造までが、世界のマスメディアに取り上げられ助長していく。歴史を知らない世界の政治家たちが、その手助けをする。

ミサイル一発で右往左往する自衛隊を国防軍に格上げしようが、憲法を改正・改悪しようが、問題の本質的解決にはならない。

毎年9月は、国連総会の月である。恒例として世界の代表がNYの本部に集まる。
つまらぬ、マジメ腐った、官僚の用意した眠くなるような演説よりも、日本の指導者が爆弾宣言をしてみてはどうだろう。

日本の新憲法を国際社会に向かって高々と宣言するのである。
全文はたった四十七文字の“いろは歌”のみ。

取って付けた様なレイワの説明よりも、日本の本質である、日本人のふるさとである『色は匂えど 散りぬるを わが世たれぞ 常ならむ 有為の奥山 けふ越えて 浅き夢見じ 酔ひもせず』を国連総会の場で滔々と説明するのである。これは日本の本質だけでなく、人類が共有する宿命を語る高遠な哲学である。

チープなエリート官僚が取り仕切る国連の場で、この高尚な哲学を理解できる知識人は居ない。だれもがポカーンと口を開けて聞くことだろう。高度の文化を謳歌する日本の本質をアホな烏合の衆に、手取り足取り教えることはない。それが老獪で狡猾な外交というものである。

この演説は国内向けにも有効である。
マッカーサー憲法がどうのこうのの議論、平和憲法がどうのこうの、などの甘ったるい議論を吹き飛ばす日本古来の本質を語るものだからである。

さらに踏み込むと、“いろは”を忘れた日本人は今、“あいうえお”でしか日本語を語れない。
この“あいうえお”はザビエルなど日本に潜入した多くの宣教師たちが日本をスパイするに当たり、見出した母音5文字と子音10文字の組み合わせの五十音表である。

“あいうえお”は外国人に発音しやすいのが特徴で、日本人の魂を滔々と、しかも簡潔に、謳いあげる“いろは”とはまったく異質の音声認識表に過ぎない。

悲しいかな日本の教育界は、この外国人用に作成された五十音表を、日本人の精神が形成される児童たちに使用している。これでは乱れた日本語が横行するはずである。

話が逸れていくが、国連総会の演説に話を戻そう。

オモムロに、キリスト新旧の国々に対し、コーランの国々に対し、社会主義の国々に対し、一党独裁の国々に対し「テメエらの国で、自国のアルファベットすべてを使用して、しかも一回限り使用してダブらずに、自国の憲法を語ってみろ!」と豪語して、挑発するのである。

さらにはノーベル選考委員会、あるいは数学のフィールズ賞選考委員会に言及して、「アカデミック界の皆さんは、たった26文字しかない英語のアルファベットを、たった一回、しかしすべて使用して、諸君が信じる聖書の神髄を語ることができますか!」と挑発して、焚き付けるのも悪くない。

夜も昼もなく飛び込んできるYouTube講座は世界中から発信されている。
それに加えて受講している英国の老獪学講座は実に有益でオモシロイ。
世界の隅々で何かが、政治の舞台で、ビジネスの最先端で、一般大衆の集会で、一刻一刻ダイナミックに躍動している。

それに反して日本のアンシャン・レジームは、政治にも企業にも蔓延し、先人の築いた偉大な文化は矮小化され、若者たちは政治に関心を示さず、遠巻きに囃すだけで、無気力感を打破する意気込みに欠けている。



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・02:YouTube繋がり

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それだからこそ立花孝志の動画はオモシロイ。
最初は「NHKをぶっ壊す」宣言を胡散臭く横目で見ていた。だがメンタリストDaiGoが賛同し、上杉隆が解説する。小沢一郎が出演する。そして堀江貴文が感心して異常な関心を示す。

YouTubeの世界は今、百花繚乱である。
落合陽一、藤原和博、牧野正幸、豊田真由子、古手の佐高信、田原総一郎、石原慎太郎、桜井よしこ、池上彰、中田敦彦などは、ほんの一部でしかない。時間が足りない。

これらは私の嫌いなひと括りでいえば、すべてYouTubeつながりである。

N国党幹事長を引き受けた上杉隆はNYタイムズ紙の取材記者等、フリーランス記者として国外国内の実績から、日本だけの偏狭な見方だけでなく、バランスある見解を示してくれる。
このメルマガにとっては参考になる解説である。

最初はN国党党首として胡散臭く見ていた立花孝志だが、その戦略・戦術が明らかにされるにつけ、国内でヤル気のない閉塞感を打破する可能性、それからヤンゴンで行動を起こすヒントになると思えてきたので、今そのYouTubeに釘付けになっている。



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・03:大人に夢を与えるセレブもいる

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友人からも「幾らでも脱線してください!」と激励されたので、調子に乗って話をさらに脱線させたい。

もう十何年も前になるだろうか?
その当時ヤンゴンのYMCAに図書館があった。今はもうない。
そこでリチャード・ブランソンの伝記、記憶に間違いなければ分厚い英書“DIRTY TRICK ”に出会った。

あやふやなビジネスで失敗を重ねた悪ガキの頃、ロックの中古レコードを安く買い叩いては小型バンの後部ハッチに積み込み、ロンドンの街角で売り捌いた。バージンレコードのスタートである。それで稼ぎ出した資金を元に、バージン・アトランティック航空を立ち上げる。格安のバジェット航空のはしりである。

客は格安の航空券に飛びついた。
街角のチッポケな旅行代理店には長蛇の列が出来た。満員御礼となった。カリブ海向けの格安旅行は大ヒットのアイデアだった。チャーター機の準備も整った出発当日、お客は一人も現れなかった。

当時英国ではBOACという国営航空公社が独占的に業界を牛耳っていた。英国発着の欧州航路および大西洋をまたぐ北米航路はBOACの天下であった。
ヒッピー崩れの青二才が参入した格安航空会社を快く思わなかった。

バージンの旅行代理店で購入したチケットを持った夫婦が出てくると、曲がり角に招きよせ、BOACでは特別キャンペーンをやっていると言って、ウェルカム・ドリンク付だとか、ビジネスクラスにアップグレードするとか、おまけに欧州往復の無料チケットをサービスするなど、ありとあらゆる特典を交換にバージンのチケットを取り上げてしまった。

これだけではない。紳士の国と思っていたアノ英国で、時には官憲の力を活用して、あるいは政治力を乱用して、新参のリチャード・ブランソンを潰しにかかる。それはジェームス・ボンドの007よりも陰惨で汚い手口であった。
英和辞書を片手に寝食忘れて、一週間掛かったか、10日間だったのか忘れたが、この分厚い英書を読み終えた記憶がある。かなり前の話なので、細部に記憶違いがあるかもしれない。

立花孝志が曝露するNHKのダークな部分をYouTubeで鑑賞しながら、リチャード・ブランソンのこの“DIRTY TRICK ”を思い出していた。

ついでに連想すると、TSUTAYAはバージンレコードのパクリであり、イーロン・マスクのSPACE Xやホリエモンのロケット計画など今花盛りの宇宙旅行計画もリチャード・ブランソンが着手したバージン・ギャラクティックのアイデア盗用に思えてくる。

リチャード・ブランソンに関してはカリブ海に浮かぶ英国領バージン諸島など、面白いエピソード山盛りなのだが、つくづく思い知らされるのが、西洋の成功者は、成功の成果を何らかの形で社会貢献として還元している。そして行動を起こしていることである。

彼が尊敬する南アの元大統領ネルソン・マンデラの周りに世界中の有力者とセレブを集めて、マンデラ支援の運動を起こしたり、個人所有のネッカーアイランドに、元正副大統領、首相、国連元事務総長、グーグル・ウィッキペディアなどの創設者、著名文化人を招待し、環境問題の具体的な解決策、難病克服の科学的挑戦、貧困撲滅の具体策などの社会問題を協議し、具体的に資金ファンドを集め、それを具体的なアクションに移していく。

情けないかな最近の日本のセレブは、テレビなどへの露出は増えるが、お笑い芸人と何の薬にもならない世間話に終始し、政治問題・社会問題への関心が絶無のような気がする。
これが日本の現代の風土なのだろうか?

もちろん大災害発生の場合の現地への一番乗りとか、必要物資の大量キャラバンの手配など、最近はボランティア活動で有名人セレブのニュースに接する。これはこれで尊い行為で素晴らしいのだが、起こった後の対策である。何故なのだろう。

その違いは何にあるのだろう。
海外の取り組みは主に未来志向が多いような気がする。もちろんメキシコ湾からのハリケーン災害は頻繁に起こる。災害後の処置はメディアもすべて中央政府、地方政府に声高に求める。
災害後のボランティアがないことはない。過去には、♪WE ARE THE WORLD♪のチャリティ・コンサートやDVDの売り上げで、アフリカの大飢饉やカリブ海のハリケーン災害に多額の義捐金を集めた。

だが巨額の財を叩き出したアメリカの企業家たちは、人類の不安である未解決の問題に主力を置き、パッチ当ての後始末ではない。



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・04:NGOのSTAND POINTをご存知ですか?

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脱線ついでに、もう一つ別の国連総会を覗いてみたい。
2019年9月30日、スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリの話である。
高校にも行ってない16歳のプロのClimate Activistである。

世界中から注目されているSTAND POINTという巨大なNGO団体がある。再生可能エネルギー需要にEU欧州連合各国から補助金を出さすよう運動し利益を上げている、16歳の少女を世界へアピールする道具として育て、今年は国連総会の壇上に送り込むことに成功した。

彼女のスピーチは非常にエモーショナルであったが、それは内面からの怒りではなく、原稿を一字一句読み上げる不自然さがあった。そしてボロが出るのを怖れたのかもしれない。通常国連総会のスピーカーは、その後に記者会見の場が設けられるが、設けられなかった。

ここで思い出すのが、上杉隆が解説した英首相ボリス・ジョンソンのスピン・ドクターのことである。スピン・ドクターという英語は知らなかったが、かなり以前にこのメルマガで私は同じ意味で振付師(英語でコレオグラファー)という言葉を使用してきた。

例えば、米国大統領選のキャンペーンで、目線の配り方、頷き方、ワザと小声で話しかけ聴衆を静かにさせる方法などなど、大統領候補に細かく演技指導する役割である。

この16歳の少女が巧妙なNGO団体に操られて、今回は感情的な大演説を行ったというのである。立花孝志の戦略・戦術を何度も見直すと、明らかに今の時代は、巧妙さと言っても騙し・騙されの時代に突入したことが良く解る。

ナイーブな愚民政策に付き合っていると、いつか・どこかで大きな大変革が起こるかもしれない。

スタンド・ポイントの話に戻すと、彼らの主張は4つある。
1)飛行機の全面禁止。現代人の生活を根本から変えさせて、ハイスピードの鉄道網を全米に整備する。二酸化炭素を排出させない。
2)子供を産まない。過去のペスト大流行と同様に悲惨な未来しかない。
3)肉食を全面的に禁止する。地球温暖化の最大障壁となっている。肉の代わりに虫を食え!
4)究極的に人類は人間の肉を食べざるを得なくなると、マジメに提案している。
以上である。

現在国連には195を越える国家から構成され、彼らに一票の意思表示の権利が与えられている。
だが、このNGO同様にオカシナ団体、国家も国連メンバーとして活動しているのも事実である。しかも、彼らには振付師、あるいはプロのスピン・ドクターが名演技を指導してくれる。

そうするとイノセント(*無知な)な愚民はコロリと騙されてしまう。
ご承知の通り、このミャンマーのロヒンギャー問題を吹聴して、スーチー批難の大合唱を国連の場で湧き起こすことも簡単になった。

以前は大英帝国の独壇場だった老獪で、狡猾なDIRTY TRICKも、今はアメリカのCIAも、韓国の情報局だけでなく、BOACもNHKも真似する時代かもしれない。

清く正しく美しくは、おとぎの国の昔話である。


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