******************************

<ミャンマーで今、何が?> Vol.332
2019.10.11
http://www.fis-net.co.jp/Myanmar

******************************


━━【主な目次】━━━━━━━━━━━


■日本と政治の話

 ・01: 老獪学とYouTube

 ・02: 話がタイトルと違う

 ・03: 選挙屋=立花孝志

 ・04: スピン・ドクター=上杉隆

 ・05: バックギアで後進する先進国

 ・公式ツイッター(@magmyanmar1)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━



=============================

・01:老獪学とYouTube

=============================


このメルマガは政治には無関心、だが無責任なヤジウマ精神は旺盛である。
だからスーチーの資質には大いに興味ある。だが、NLDには全く関心がない。なぜなら、それは政治の分野だからだ。

同様に日本および主要各国の政治に対しては無関心である。だが、彼らの政策には興味ある。とくに老獪になればなるほど関心を持つ。老獪さといえば、日本は論外。アメリカもレベルが低い。さすがに英国は元祖老獪で、ボリス・ジョンソンの動きはオモシロイ。

とは言ったが、このところ日本に注目している。
N国党の戦略がベラボウにオモシロイからだ。これもYouTubeのお陰である。

構図を日本の既得権勢力VS反既得権勢力という新しいシンプルな概念で表現し、グローバルな世界を飛び交うYouTubeという新兵器を活用し、旧態依然の日本の政治に革命を起こそうとしているからだ。

若者たちが簡単に使いこなすYouTubeは若者世代の特権である。頭の柔らかい、そして若者の動向に目敏い、新物好きの中年層も、YouTubeについていける。田原総一郎、石原慎太郎、佐高信などのご老体も、無理しながら、あるいは助けられて、若者世代に首を突っ込もうとしている。年齢には関係なく彼らもYouTube組みである。

N国党の党首立花孝志は年齢区分で行けば中年層に属す。
だがYouTubeにメチャ詳しい。
若者占有だったYouTubeを“既得権勢力”ぶっ壊しの新兵器と考えた。



=============================

・02:話がタイトルと違う

=============================


今の若者は政治に関心がない。
50%を割った投票率とは、若者だけでなく、国民の50%以上が政治に関心がない。
正確には投票権のある国民の50%である。

関心のない50%が参加しない世界で、憲法、国防、年金、教育、経済、公共事業、国際貢献、中国、韓国などなど、が語られ、密室ですべては決まっていく。与党だけでなく、野党もプチ与党を目指す。

その仕組みを立花孝志は、お得意のYouTubeで、単純化して解説する。
見ているのはYouTubeを理解できる世代で、個人である。ヤンゴンの浦島太郎でも理解できる優しい言葉で説明してくれる。

ひとりで管理できる時間には限度がある。一日24時間がギリギリだ。ひとりの人間の能力にも限界がある。オレは理系は駄目。好き嫌いもある。短距離ダッシュできる人も、長距離ランナーが向いている人生もある。
立花孝志は上杉隆をスピン・ドクターに選んだ。当然、上杉隆の人生経験・能力を精査してのことである。

こんな話は聞き飽きた方は、購読中止のボタンをどうぞ!!



=============================

・03:選挙屋=立花孝志

=============================


立花孝志は当初NHKという巨象に噛み付いた。
しかも出発点がオモシロイ。高校出の立花はNHKに就職し、経理全体を掌握する経理の専門家になった。その立花がNHKの慢性化した不正に疑問を抱き、内部告発する。だが相手は巨象である。一匹のアリが噛み付いたところで相手はチクリとも感じない。

NHKはテレビ界どころか、日本の言論界の大御所である。それどころか世界に対しては日本の公式スポークスマンである。
スピン・ドクターと入念に戦略を検討し、立花孝志は「NHKをぶっ壊す!!」を『既得権勢力』という概念に巧妙に摩り替えていった。老獪学のケーススタディとしては貴重なテキストとなった。

21世紀の今、深謀遠慮のはかりごとを実況中継してもらっている。しかもヤンゴンで見物できる時代となった。生きてて良かったと感じる瞬間である。

その戦略、戦術は実に老獪で狡猾、そして複雑である。

政治に無関心な著名YouTuberたちと無節操にコラボし、場外での乱闘を挑んでいる。多くの人目を引くことが主眼で、話の内容には拘らない。アッチでもコッチでも炎上すれば、それで良い。

頭を若者刈りした、少し年をくった中年男の、大柄なこの巨漢を、最初は胡散臭いと思った。誰もがそう思っていた。名前も知らない、誰なんだ。それがNHKをぶっ壊せと叫んでいる。身体を“くの字”に曲げ、腕を突き上げ、ニコッと笑う仕草が憎めない。誰なんだアイツは?

立花が言うコラボとは、他の著名YouTuberが発信する番組に出演することである。
知らなかったが、今では、吉本興業出身のお笑い芸人が自分自身の番組を開設しフアン獲得の道具としている。有名な若手俳優、スポーツ選手、アイドル、エッセイストまでもが、このYouTubeを活用している。

立花自身もYouTuberで、自分の番組を発信している。それぞれのYouTube番組には、それぞれの固定フアンが支持し、しかも増殖している。それは一方通行ではなくオモシロイ、面白くないの反応を意見としてリアルタイムで送ってくれる。この新兵器を利用しない手はないと立花は読んだ。

他有名著名人の人気番組に出演すれば、自分の知名度が上がる。
そして自分の事務所に戻り、それを得意げに話せば、立花孝志の注目度がダブルで広がっていく。そして今、YouTube界の頂点に立つ王者ホリエモンとのコラボに成功した。

ここに到達するまでに、立花の戦略は徹底していた。
YouTubeで、例えば“立花孝志”“コラボ相手”の2語をキーワードに検索すれば、幾らでもリストアップされる。

ヒカル、シバター、スーツ、ひろゆき、令和タケシ、マスザワ内閣、コウジ、MAYA、よさまつ、玉木、KAZUYA、みずにゃん、などなど、正直言ってヤンゴンの浦島太郎にとっては宇宙人のような名前である。

そしてホリエモンとはゴルフまで一緒にプレーし、その動画が、ホリエモンの番組でも、立花孝志の番組でもアップロードされている。

ホリエモンとは別に、一目置かれるYouTubeの若きプリンスがいる。DaiGoである。
婆抜きという心理戦ゲームでは、ホリエモンですら、全戦全敗という失態を演じた対戦相手のDaiGoである。そのDaiGoがコラボではなく、立花孝志との対面を断り、立花孝志という人物に興味を示し、公開のYouTubeで立花孝志の戦略を解説・分析し賞賛し、結果として参謀となっている。

これらは過去のものもすべてYouTubeで公開されている。
政治に関心のない若者たちが、立花孝志を語り、N国党を話題にし、既得権勢力などと口にし始めた。政治を知らない若者たちがである。

胡散臭かったアノ立花孝志が今は、ホリエモンの同志として、DaiGoの盟友として、YouTubeのスターダムにのし上がった。



=============================

・04:スピン・ドクター=上杉隆

=============================


幹事長の上杉隆は、若者文化の中でゲリラ炎上を見届けた上で、既得権勢力であるメジャーが支配する新聞・テレビ・出版界に真っ向から挑戦していく。現代用語ではガチに勝負するというらしい。

立花孝志のスピン・ドクターである上杉隆は、党首と戦略を綿密に練り、無知なYouTuberたちに、既得権者たちの不条理を、面白おかしく、ときには赤子にも分かるように平易に、手を替え品を替え解説し、それを繰り返しYouTubeで何時間か置きに流す。

YouTuberとは自宅四畳半からゲリラ発信する私設テレビ局、あるいは動画撮影の移動式テレビ局で、一人でも発信が可能である。専用のカメラマンが居れば、二人で立派な情報発信局となる。撮影後、音声調整、字幕による説明などの編集を加えれば、動画画面はプロ並みとなる。だから多くとも三人もプロが揃えば、テレビ局並みの情報が発信できる。

ありがたいことに、今はクラウド機能を利用できる時代だ。大量のデータを保管できる。削除しない限り過去のYouTube動画は戦前のものですら保存してあり、すべて呼び出し鑑賞出来る。

話を飛躍すると、YouTubeひとつで、根暗のオタクでも、孤立した屋根裏部屋から、グローバルな世界に発信できる社会になったということである。ホリエモン・立花孝志が言うように、スマホひとつで世界に繋がるテレビ局が開設できるのである。

気付いていようといまいと、ルネッサンス・産業革命に匹敵する地殻変動を、一般大衆が手にしているということである。それが今、世界中で起こっている。日本の既得権享受社会だけがソレに気付いていない。気付いていても、ソレを見ないようにしている。足元のプレートが動き始めたのに、旧体制は旧いしがらみに固執している。

懇切丁寧な説明で、アホにも分かる解説で、しつこいほどの繰り返しで、YouTuberたちも政治を話題にするようになった。政治には興味なくとも、既得権勢力は悪だと刷り込まれる。そして若者の立ち位置は常にコミック漫画のヒーローだ。立花孝志がマジになって政治臭い話をすると、アクビが出てくる。政治には元々関心ないからだ。

だがホリエモンもDaiGoも立花孝志は“凄くネェ〜”と語る。
話は理解できないが、分かるフリをしないと、自分のアホさ加減がバレてしまう。そこでみなと一緒に『ブッ壊〜す!!』という身振り動作で誤魔化す。それが受ける。

このジェスチャーは合コンの席でも使える。根暗な自分だが、『ブッ壊〜す!!』の身振りを鏡の前で入念に練習し、合コンに出かける。“くの字”が上手くいけばカノジョをゲットできるかもしれない。立花孝志と上杉隆の戦略が合コンの席にまで浸透していく。



=============================

・05:バックギアで後進する先進国

=============================


今月末には東京のベッドタウン埼玉で参議院の補欠選挙が行われる。
先の選挙では山本太郎の街頭演説が盛り上がった。だが野次馬は所詮ヤジウマで、その場限りの拍手はしたが、投票には行かなかった。投票率でそれがバレた。

今回は今月末が投開票だという。
日本の既得権社会に革命はやってくるのか?
日本人もそれなりに老獪で、政治はジイサンに任せ、自分たちはささやかなハッピーを求める。

ヤンゴンの浦島太郎も無責任である。上杉隆が思案するスピン・ドクター戦略を、どうしたらヤンゴンにパクルことができるか、そればかり考えている。

身近な海外を見渡すと中国方式も、韓国方式も、このヤンゴンでは先行している。
これも実は“老獪術”の貴重なケーススタディである。
YouTubeさえあれば、孫悟空が乗り回していた“クラウド”で、ミャンマーでも日本でも自由自在だ。

話題は日本に飛び火する。
日本の野党勢力はプチ与党を目指している。

パックンが討論会で発言していた。与党も野党も主張は同じじゃないですか?野党らしい発言をしてくださいと、ハーバード大学で比較宗教学を専攻したパトリック・ハーランは語った。

外から見ているとまったくそうだと思える。今日本には野党が居ない。これこそ外国人が日本を見る目線である。新しい改革に挑戦するようで、中身は旧態依然としている。日本は何一つ変わらない。

旧体制を打ち破るとして、“維新”とか“新撰組”とかが出てくる。
“維新”とか“新撰組”って150年も昔の言葉じゃないかい。日本に詳しい外国人が驚く。王政復古どころではない。日本は前進しているのではなく、後退しているのではないか、外国人が質問する。彼の分析によれば、日本は先進国ではなく、後進国だという。

ヤンゴンは世界のクロスロードである。世界の人と出会える交差点である。
彼らの視点で日本人の構造と日本人の限界が見えてくる。

そう言えば、ブレーキとアクセルを踏み間違える老人が増えてきたという。
国家自身がバックギアで突進する成熟した老人社会に向かっているのかもしれない。

メルマガのタイトルに相応しくない話題と思われる読者がいらしたら、どうぞ購読中止のクリックをお願いします。



========================================

公式ツイッター(@magmyanmar1)

========================================


<ミャンマーで今、何が?>の公式ツイッター(@magmyanmar1)をはじめました!


今月よりアカウントを取得し、<ミャンマーで今、何が?>の
公式ツイッター運用を開始いたしました。

公式ツイッターでは読者のみなさまからの感想などをツイートしていただけると
嬉しいです。

ツイッターをご利用の方はぜひ『フォロー』をお願いいたします。

現在のところリプライには対応しておりませんので、
質問等は下記メールアドレスまでご連絡ください。

お問合せ:magmyanmar@fis-net.co.jp 

公式ツイッターをぜひご覧ください。


■公式ツイッターはこちら

https://twitter.com/magmyanmar1




東西南北研究所




━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ご意見、ご感想、ご要望をお待ちしております!
 http://www.fis-net.co.jp/Myanmar
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
※「ミャンマーは今?」の全文または一部の文章をホームページ、メーリングリ スト、ニュースグループまたは他のメディア、社内メーリングリスト、社内掲示 板等への無断転載を禁止します。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
※登録解除については下記のページからおこなえます。
○購読をキャンセル: http://www.fis-net.co.jp/Myanmar
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
発行元:ミャンマーメールマガジン事務局( magmyanmar@fis-net.co.jp )
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━