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<ミャンマーで今、何が?> Vol.350
2020.01.10

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━━【主な目次】━━━━━━━━━━━


■日本人とはいったいナニモノだ???

 ・01: 日本人の本質はどこに?

 ・02: ゴーンの総力戦

 ・03: スモールワールド

 ・公式ツイッター(@magmyanmar1)

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・01:日本人の本質はどこに?

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日本人は外の目を気にすることなく生きてきた。
もちろん例外はあった。

それは遣隋使であり遣唐使であった。それから蒙古襲来もあった。
今の地政学で言えば、ご近所付き合いの範囲である。

狭い島国で、日本人の特徴を代表する織田信長、豊臣秀吉、徳川家康が国造りに励む頃、地球の裏側から巧妙で狡猾な紅毛人が十字架を片手に侵入してきた。

好奇心の強い信長は、地球儀をグルグル廻して、世界が丸いことを知らされる。
女好きの秀吉は、チョメチョメ(海賊版DVDの映画「マンマ・ミア!」では“ドット・ドット”と表現している。)をしないで生まれたのがイエスキリストと聞き、「そんな馬鹿な!」と1587年(天正15)九州征伐の帰途博多において宣教師追放令を発布した。

以後よく(1549年)しのんだ0耶蘇教は、九州をはじめとして数多くのキリシタン大名を生み出した。それは当然である。航海術をはじめ天文学、砲術、鉄砲、火薬学、医学、動植物学、森羅万象の科学的知識はインテレクチュアルな大名をはじめ、多くの信者を獲得した。すべてが島国の発想を越えた合理的な知識であったからである。それを怖れたのが徳川幕府官僚政府であった。

「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり、沙羅双樹の花の色、盛者必衰のことわりをあらわす」ではじまる平家物語、「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」ではじまる方丈記、あるいは庶民にまで読まれた「いろは歌」の神髄を忘れ、お家大事を形成していく江戸時代は、21世紀の今の日本そっくりである。

家康は世界に目を向けるべき時代に、キリシタンを禁教として天下泰平の島国を完成していった。こう書くと単細胞は、それではキリスト教を容認しろということかと反論がくる。単細胞に言ってやりたい。話を現在にワープしよう。21世紀の今、日本国憲法20条の“信教の自由”に問題が有ると言う意味ですか、と反論したい。



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・02:ゴーンの総力戦

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カルロス・ゴーンのレバノン脱出劇を見て、田中角栄と堀江貴文を思い出した。
日本のマスコミ報道のみならず、日本の評論家といわれる連中などの二次情報はすべて無視して、YouTubeでオリジナルの生情報を徹底的に見まくって欲しい。

キーワードに何を選ぶかはアナタのセンスが試される。
田中角栄も堀江貴文も日本の伏魔殿といわれる検察権力に嵌められた。YouTubeで両者の過去を分析すると、それがハッキリと見えてくる。YouTubeの威力は凄い。

第一次世界大戦の頃から“総力戦”が研究されるようになった。お馴染みのエーリヒ・ルーデンドルフである。私が大風呂敷を広げる“英語のプロ”も“総力戦”でかかれば簡単なものだ。
最初はゴーンの記者会見を聞いてもギリシャ語を聞いているようなものだ。まったく分からない。理屈を言う暇があれば、語学はリピートである。必死に繰り返すことによって眼光紙背を徹るようになる。

カルロス・ゴーンは“総力戦”で闘っている。関空からの脱出も、音響製品型収納ケースに潜むのも、トルコでのトランジットも、ベイルート入りも、そして晴れ舞台での記者会見も、すべてはゴーンの描いた“総力戦”のグランド・デザインである。

それを島国のマスコミ、そして評論家は、日産建て直しの非情な経営手法を問題にし、証券法違反、旅券法違反、保釈条件違反などをあげつらうが、カルロス・ゴーンは自力で舞台をレバノンに移し、そこで世界を相手に、島国・日本の司法制度を批難し始めた。

敵は自分の大好きな日本でも日本人でもない、人権を無視した日本の後進的司法制度である。
その一点に的を絞った。世界を相手に、世界のマスコミを相手に、日本の司法制度の実態を評価してもらおうという、グローバル作戦である。

今、日本は世界の物笑いの種になるかどうかの崖っぷちに立たされた。
世界で最も不明瞭な言語「遺憾である」で始まるに反論は、日本以外では理解されない。大東亜戦争の宣戦布告は、日本語の原文で提出すれば問題なかった。「アンタの国は優秀な外交官僚が揃っていることを承知している、この程度の日本語は簡単に英訳できるだろう。」と下駄を預ける頓知が日本人には欠けている。

それを英語のタイピングに手間取ったなどの言い訳が最も見苦しいし、海外という世間では通用しない。だが、その伝統は昔からのもので、21世紀の今も続いている。
日本のお役人の得意技、時間稼ぎ、はこの際最悪の事態に発展する。

カルロス・ゴーンの総力戦は老獪で、狡猾である。
特にフェニキア人の血を引くレバノン人の手練手管は国際的には一級品である。
今後の国際的評価がどの方向になびくか、ヤンゴンの片隅から老獪学の勉強を続けたい。

今見極めるべきは世間の評価、すなわち海外の評価である。
日本人は常に海外からの評価を気にしてきた。
日本の司法制度に正当性があるとか、ゴーンは金銭欲にとりつかれた我利我利亡者である、などということはどうでも良い。海外の論調が、マスコミがどういう動きをするか、それだけを見ていれば良い。日本国内の意見を拾っても、時間の無駄だ。自分から動かないのが日本の政治で、口先だけが日本の総意であるからだ。これは日刊英字紙GNLMを見ていても良く分かる。



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・03:スモールワールド

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スーチーは「森を見て木を見ず、木を見て森を見ず」などとは、ひと言もいっていない。スーチーが駐ミャンマーの外交団に語ったのは、一部だけを見て批難せず、バランスよく全体をも見て欲しいと、ラカイン問題に絡めて語った言葉である。

だが、メルマガ読者にもっとも理解してもらえる言葉は上記しかないと考えてそう表現した。これはお詫びでも訂正でもない。
ミャンマー維新を推し進めているスーチーのバランス感覚はずば抜けている。

だが21世紀の今になっても、島国感覚の日本人に出会うと心底ガッカリしてしまう。
世界に飛び出した積もりでヤンゴンにやってきたのに、小さな小さなスモールワールドにまとまっていく同胞たち。そのスモールワールドを次世代の若者たちに引き継いでいくつもりだろうか?

今回は宿題のいくつかを片付ける積りだったが、YouTubeの梯子で話しはまたもや脱線してしまった。


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