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<ミャンマーで今、何が?> Vol.360
2020.05.13

http://www.fis-net.co.jp/Myanmar

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━━【主な目次】━━━━━━━━━━━


■サバイバルゲーム

 ・01: 居酒屋では学べないフィールドワーク

 ・02: ミャンマーのジェンナー(Edward)を夢見る

 ・03: ウルグアイ元大統領の語る哲学

 ・04: 先ずは自分が生き抜くこと

 ・公式ツイッター(@magmyanmar1)

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・01:居酒屋では学べないフィールドワーク

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世界中どこでもそうだが、タクシーの運チャンは重要な情報源である。お役所仕
事の商工会議所より遥かに情報通だ。同じ運チャンでもタクシーとサイカーでは
大きく異なる。それがヤンゴンらしいところである。お気づきだと思うが、サイ
カーの運チャンは英語がほとんど話せない。

タクシーの運チャンと会話するには、事前調査が必要だ。後部座席からジックリ
と観察するとソレが見えてくる。運チャンが最も大事にするのは室内のバックミ
ラーとダッシュボードである。いつもキレイに装飾されている。ユダヤ教、キリ
スト教、イスラム教、ヒンズー教、もちろん仏教も含めて、その宗派まで見えて
くるときがある。

バックミラーは運チャン専属ではない。乗客も利用できる。アップになった運チ
ャンの額・顎鬚などから人種、年代まで見えてくる。ソレが会話の糸口だ。運チ
ャンと言っても全員達者なわけではない。英語が達者だと、渋滞のヤンゴンがまっ
たく気にならない。最近は“STAY-AT-HOME”で道路はガラガラだ。

あっという間に目的地に着くと、ガッカリしてしまう。早く昔の渋滞に戻って欲
しいものだ。
昔ミンガラドン飛行場の向こうまで遠出したことがある。英語の生徒がお供をし
てくれた。彼女は黙っている。私独りが運チャンと喋り通しであった。

“サラーム・アリ・コム!”と話しかける。おやっという顔付きで、オマエはど
この人間だと聞いてくる。簡単には教えない。当てて見ろと反問する。ベトナム?
違う。インドネシア?違う。中国?と首を捻る。バックミラーを介しての会話だ。
こういうとき日本人パスポートは価値がある。相手に安心感を与える。狡猾でな
く人畜無害という意味で、安心感を与える。

タクシーを降りる頃には彼のCV(履歴書)は聴取完了だ。
家族構成から、両親の出身地、海外にいる親族と職業、信仰しているヤンゴンの
モスク名、チェンナイとシンガポールにいる親族から電気部品や医薬品を輸入し、
ヤンゴンでの商売の手口を教えてくれる。ウルドゥー語、ヒンドゥー語、ベンガ
ル語も達者だ。ロヒンギャーについても教えてくれる。これが私のフィールドワー
クである。

かと言ってタクシーの運チャンは「車夫馬丁の輩」と蔑まれてきた。夏目漱石の
坊ちゃんでも「車夫、馬丁、無頼漢」と出てくる。時代は違っても、場所が違っ
ても、彼の家格が上品な部類に属す訳ではない。もちろん職業に貴賤はない。福
沢諭吉の時代からそうだ。だがダブルスタンダードは世の習いである。そこを見
逃してはいけない。

ミャンマーの学生は自分の頭では考えない。頭の良し悪しは暗記次第である。だ
からコミュニケーション能力は非常にお粗末だ。ホリエモン、落合陽一、
GlobeBiz、TEDxなどのYouTubeからすると、日本の国際コミュニケーション能力
のお粗末さも末恐ろしいものがある。日本人にミャンマー人を教育する資格が本
当にあるんだろうかと自問する今日この頃である。

タクシーを降り、冷たいジュースを注文し、それでもジェームス・ボンドを見習
えと私の授業は始まる。

JBは小説家イアン・フレミングが創作した秘密諜報部員で、老獪なイギリスはス
パイ映画シリーズで共産主義国家を徹底的に悪玉に仕上げ、中国・ソ連を含む世
界の世論を完全に007贔屓にしてしまった。

話しは逸れるが、地元の友人でスマホの受信トーンを“Under the Mango Tree”
にしていた男がいた。007シリーズ第一作「Dr.No」の挿入歌である。こうい
う友人を持つと話が楽しい。

タクシーに同乗した生徒はJBは知らないが、007は知っているという。
それでは007とは何かを説明してごらんというと、言葉に詰まる。訓練されて
いないのである。それがミャンマーの教育である。タクシーの運チャンについて
質問すると「自分はムスレムは嫌いだ」と逃げる。ここから私独特の授業法が開
発されていく。



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・02:ミャンマーのジェンナー(Edward)を夢見る

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日本では奄美大島・沖縄が梅雨入りだそうだが、ヤンゴンでは前回の三日雨以降、
雨がまったく降らない。Padauk(パダウ)の花を開花させるだけに終わった。こ
れから五月のスーパーホッテストがますます厳しくなる。

STAY HOME ORDERで街中から人気が消えてしまった。
当研究所が疑問に思うのは、新型コロナウィルスに対して、世界中が同じ反応を
することはないのではないか、ということである。

40℃を越える外気温であれば、ウィルス自体が死滅するのではないかという、素
人疑問である。
ヤンゴンあるいはミャンマーの特性を生かして、STAY-HOMEではなく、STAY-OUT
がウィルスに対しては効果があるのではないか?

ウィルス感染を研究するノーベル賞クラスの学者先生ですら、今現在特効薬はま
だ開発できていないという。最低18ヶ月は掛かりそうだ。そうであれば、素人考
えも同じ出発点に立っていると強弁できるのでは?

日当たりの良い太陽に面したベランダで、布団やタオルケットを日光消毒する主
婦は多い。そして日が陰る前に取り込んだ布団やタオルケットはたっぷりと太陽
光線を浴び、いかなる病原菌も駆逐したように思われる。この昔から行われてき
た伝統的な日光消毒に科学的なメスを入れてみてはどうだろう。病原菌のウィル
スを塗りつけ、太陽光線の時間経過ごとにその数値を計測するのである。

陽性感染者を強烈な太陽光線の下に晒すのは、人道的に問題が有るとしても、シ
ャットダウンされた海浜地区の超一流リゾートホテルの木陰でハンモックに揺ら
れながら、5スター並のスタッフにかしずかれ、シーフードを満喫しながら、潮
風に吹かれてうたた寝をする。

そういう人体実験であれば、ボランティアという候補者を募り、潮風のリゾート
ホテルに隔離して、ミャンマーが世界初の医学実験をするのである。経済的植民
地を目指す投資家ではなく、感染学の学者に優先権を与えるのである。ミャンマー
という新興国が世界から見直される切っ掛けになるかもしれない。第二の野口英
世、シュバイツァーがこのミャンマーから生まれるかもしれない。

東西南北研究所の所長と言っても、自粛規制では学生諸君との実験も中断したま
まだ。このままでは何一つミャンマーのお役に立たない。それよりも時間が無駄
である。
もし当局が認めてくれるのであれば、新型コロナウィルスに感染させてもらった
上で、上記の人体実験に是非とも参加したい。もちろん同意書にも署名する。



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・03:ウルグアイ元大統領の語る哲学

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今回のコロナ騒動を見ていて、人類の思考の貧弱さにガックリ来た。
あれほど東洋を見下し馬鹿にしてきた西洋では、コペルニクス、ニュートン、ア
インシュタイン、そしてホーキングを越える思想哲学を出せないのである。
振り返って、こちら東洋では隣国と“オマエのカアちゃん出臍!”程度の罵り合
戦である。

その結果、「外出時にはマスクをし、帰宅したら手を消毒、できれば他人との接
触を避け、自宅に籠ってほしい。」こんなセリフは日本であれば、幼稚園の子供
でも言える。それを世界各国の指導者たるものが記者会見を開いてまで語ってい
る。なんかオカシクないだろうか?

日本人は昔から清潔好きだった。やっと今頃世界が日本のキレイ好きを見直し始
めた。と得意になって語る日本人は多い。それを日本人同士で得意になって会話
しても屁のツッパリにもならない。日本人に欠けているのは西洋人にそれを伝え、
励行させる能力である。

山本五十六は「やって見せ、言って聞かせて、させてみて、褒めてやらねば、人
は動かじ。」と要諦を語った。鈴木敬司大佐も青年アウンサンを初めとする三十
人の志士たちと起居を共にして整理整頓からすべてをスタートした。あの時代か
ら日本人はその魂を失くしてしまった。

地球というプラネットには北半球もあれば南半球もある。そしてその境目は赤道
(黄道)という太陽が通るトロピカル帯がある。国家相談役のスーチーが言うと
おり、この世の中は多種多様なダイバーシティがある。だが今の世の中はビッグ
ブラザーに管理され、自分の頭では何ら思考することなく友人が発したSNSに良
いねマークを送る、操り人形と化してしまった。

世の中は進化?し、良いか悪いかの二者択一ではなく、正解のない複雑化した時
代となった。
前にも書いたが、GAFAというアメリカの新興巨大企業集団は、それをアヘン中毒
と同レベルの興奮度を与え、人間を中毒化させてしまった。危うし!その覇権を
中国に横取りされようとしている。しかも知的財産権を盗用しているのが憎い。
米中貿易戦争の実態はコレである。どっちもどっちと私は言いたい。

ドナルド・トランプの知的水準ではこの問題は解決できない。習近平の独裁権力
でもこの問題は解決できない。彼らには絶対的に知恵が不足しているからだ。

日本では三密だそうだが、ここヤンゴンでは、読書三昧、ビール三昧、YouTube
三昧を三蜜として24時間堪能している。それも手当たり次第だ。その中でホセ・
ムヒカ元ウルグアイ大統領に出遭った。不明を恥じるが、私はこの大統領をまっ
たく知らなかった。

2016年4月7日には、80歳にもならんとするこの大統領が東京外国語大学で同時通
訳付きで講演をしている。ウルグアイといえばスペイン語である。スペイン語の
達者な友人が何人か思い浮かんだ。水産大学出身で世界の漁業情報に通じた友人、
東京外語の出身、スペイン留学組み、それぞれにスペイン語も巧みに操り世界の
事情に通じている。

少し長めの講演だが、自宅待機の今こそ時間はたっぷりある。ジックリと耳を傾
けたい人生観で世界観だ。一国のトップとなると、その時点から勘違いして偉ぶ
ることと、身の回りを粉飾することに権力を費消する。後半の外大生との質疑応
答がある。すでに日本の若者に思考法法で大きなズレが生じている。それだけで
も聞く価値がある。

ひとつは「ホセ・ムヒカ元大統領と奇跡の対談!世界一貧しい大統領が目の前に!
Mar.29.2020」
もうひとつが「〔東京外国語大学〕2016.4.7ムヒカ前ウルグアイ大統領講演会」
という日本のYouTubeである。この二本以外にもチェックすれば、更に見つかる
はずだ。

アポなしでインタビューを申し込む日系の若者の若者言葉に腹が立ったが、聞い
ているうちにこの老大統領の真摯な言葉に魅せられてしまった。外語の講演会で
は初っ端から私の大好きなドンキホーテの言葉が飛び出す。スペイン語は偉大な
言葉であり、哲学を語るに相応しい。この老大統領は最初から最後まで哲学を語っ
ている。

今の時代、哲学を語れる一国の指導者はいるのだろうか?ついついビールが進む。
G20に雁首を並べようと、哲学を語れる指導者は一人もいない。雁首に巻きつけ
たネクタイなど、まったく役立たずの無用の代物で、一人ひとりが腕に巻く時計
など、中央広場の大時計一個で充分だということが分かる。すなわち現代人は余
計なもので粉飾されすぎていることに気付かされる。

今はそういう世の中になってしまったようだ。
屋根裏部屋に閉じこもり考えると、今の時代は余計なあるいは無用なビジネスが
多すぎるのではないだろうか。それを最後のフロンティアと言って、この国に持
ち込まれても迷惑なのでは?人前ではトヨタの車=最高ですねと褒め殺す男が、
ミャンマーは中古車のゴミ捨て場ですと、本音を語ってくれたときに、このミャ
ンマーが少し見えてきた。
巨大自動車企業のトップにはこの機密情報はまだ届いていないようだ。



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・04:先ずは自分が生き抜くこと

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今回のコロナ騒動で、皆が皆、その方面の知識は増えた。YouTubeの世界ではサー
フィンすればするほど、情報としての知識は蓄積される。
第二波、第三波を経由して事態が落ち着くには二・三年かかると、見るのが妥当
なようだ。そこに経済的圧力を加味すると、単細胞の政治家たちには収拾のつか
ない事態が予想される。それだけに、いろんな友人からの情報が非常にオモシロ
イ。各国の反応がそれぞれに異なるからだ。

話はまたまた逸れるが、2010年ごろムスレム女性と結婚し長崎へ移住を決めた旧
い友人が置いていってくれた「免疫学」に関する書籍が6冊ほど手許にある。久
しぶりに彼を思い出し、全冊熟読した。このコロナ騒動を生き抜くには自分自身
の免疫力を高める必要があると感じたからだ。死んだらすべてが終わりである。
サバイバルゲームに勝ち抜くことが先決だ。

自分で納得し、ニンニク蜂蜜は幾瓶もかなりの分量仕込んだ。ニンジン・りんご
ジュースも新鮮な材料を入手しては自家製だ。鈴鹿の友人からは免疫には笑いが
一番と関連ビデオや、心が和む動画を送ってくれる。サプリの話にはついていけ
ないが、同好の士がいることは心強い。

読者諸君、専門の科学者が18ヶ月かかるところを、独自の方法を見つけましょう。
そしてなんと言っても生き延びてください。

今5月13日午前8時半。午後9時からこの一帯は停電になるとのお触れです。
その前に東京のプロバイダー殿に発信します。
お元気で。


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