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<ミャンマーで今、何が?> Vol.367
2020.06.05

http://www.fis-net.co.jp/Myanmar

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━━【主な目次】━━━━━━━━━━━

■ジョージ・フロイドって誰?

 ・01:『野生の呼び声』

 ・02: コロナ騒動とは本当に関係ないのか? 

 ・公式ツイッター(@magmyanmar1)

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・01:『野生の呼び声』

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いやになってしまう。
怒涛のような5ヶ月間が過ぎ、緊急事態宣言も解除され、新たな6月を迎えた
ので歳月人を待たず(諺)を書き出した。その説明を最後の最後にするつも
りだったのが、またしても話しは別の方向へ飛んで行ってしまった。支離滅
裂である。

だが人間世界のご都合は別にして季節は確実に変化していく。一昨日3日(水)
の夜も雨足が突然激しくなった。気がつくと雷鳴が近くでドンちゃん騒ぎを
起こしていた。これはマズイとパソコンの電源を落とし、寝仕度にかかった。
まもなく停電と読んだからだ。

急いで雑用を済ませ、スマホを枕元に置き、横になった途端、町中の電気が
消え、前のビルに取り付けた発電機が地響きとともに振動し始めた。読みは
ピタリとあたった。腕時計を外して数年になる。腕時計に頼らないと、影の
長さと腹の空き具合で動物的勘が戻ってくる。というよりも人類本来の能力
が呼び起こされる。

いま深夜早朝の午前4時である。どこからか犬の遠吠えが聞こえる。ウォー!
ウォー!ウォー! 灼熱の日中ヤンゴンの犬たちは、日陰を求めて駐車中の
車両の下だろうが、耳をピタッとコンクリに押し付け、口を半開きにして眠っ
ている。一寸先を車が通ろうがピクッともしない。

ヤンゴンの犬たちは、昼間は日陰を求めては熟睡する。夜間にのみ活動する、
当然だ。夜間の行動は徒党を組み横丁から横丁へと渡り歩く。そのブロック
に住み着いたグループと出遭うと一戦交える。その戦いは熾烈である。睾丸
に噛み付いた一瞬を見たことがある。噛み付かれたオス犬は悲痛にキャーン
と鳴き仰向けの死に体となる。無抵抗を示すと睾丸を噛み切られることはな
い。徘徊する野良犬の掟なのだろう。

満月が近づくと、犬の遠吠えが頻発する。因みに本日6月5日は満月の日だ。
野良犬たちのジェット団とシャーク団の戦いが繰り広げられる。“ウェスト
サイド物語”のヤンゴン版である。
だが彼らはあくまでも野犬である。

夜間には野生が呼び戻されるのだろう。一人歩きの人間様にも攻撃的になる。
気がつくと包囲網がジワジワと迫ってくる。狼などイヌ科の動物は基本的に
群れで襲う。包囲されたとき、後からの攻撃が最も怖い。前に気を取られる
が、後の犬は間違いなくアキレス腱下部の靭帯に噛み付いてくる。コロナも
怖いが、野犬の狂犬病はもっと怖い。

ヤンゴンの夜は女性の一人歩きも安全とするガイドブックもある。それは甘
い。暗がりで鍵を探す一瞬、アナタのアキレス腱は狙われている。良い娘は
明るいうちに帰宅することだ。Stay-At-Homeが一番だ。ドリス・デイも歌っ
ている♪A Guy is a Guy・・と。それを江利チエミは♪男はみんなオオカミ
よ・・と訳した。だがヤンゴンでは、夜の野犬はオオカミだと訳したい。

月夜の晩、犬の遠吠えを聞きながら、このヤンゴンでジャック・ロンドンの
『The Call of the Wild』(野生の呼び声)を思い出した。家畜化された犬
が、オオカミの群れに加わりそのリーダーとなっていく。本来の野生に目覚
める物語である。

クロンダイク地方でゴールド・ラッシュに沸いた時代に生きたジャック・ロ
ンドンは新聞社特派員として日露戦争時、東京を経て満州にまで渡った。若
者の夢をかきたてる物語を数多く残したジャック・ロンドンは1916年11月22
日自殺した。

同じく『老人と海』で人間の尊厳を描いたアーネスト・ヘミングウェイも、
1961年7月2日朝、愛用の猟銃で自殺した。私の最も愛読した書を残してくれ
た二人は、若者に夢とロマンを与えてくれただけに、最後の選択は裏切り行
為であった。夢の無い今の世だからこそ、せめて彼らの書をもう一度開いて
みたい。


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・02:コロナ騒動とは本当に関係ないのか? 

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2020年6月に突入し、ウィルスではない別種の第二波が猛威を振るいはじめた。


5月25日夕ミシシッピ川遡航の終点都市ミネアポリスでアフリカ系アメリカ人
ジョージ・フロイド(46歳)が“Cup Foods”という雑貨店で巻きタバコ1カートンを購入した。代金20ドルは支払われたが、それが偽札と店員は警察に報告した。ニュースで見るとこの店の看板が頻出する。

アフリカ系アメリカ人とは黒人のことである。
フロイドは“Cup Foods”の常連客だった。いつも愛想が良く、この店で一度
も問題を起こしたことは無かった、と店主はNBC放送に語っている。だが事件
が起こった日には同店主は出勤していなかった。偽札についてはティーンエ
イジの店員が、同店の規則に従い、報告したにすぎない。人生の不幸はいつ
起こるか分からない。同店主が出勤していたら、問題は多分起こらなかった
だろう。

警察への911番報告は20:01になされた。店員は電話交換手に「タバコのカー
トンを戻すように求めたが、店の客は拒否した」(*電話交換手の記録と思
われる)
店員は電話交換手に語った。「客は酔っており、自分をコントロールできる
状態ではなかった」と。

電話の直後、20:08に二人の警察官が現場に到着した。フロイドは駐車場隅に
停めた車の中に二人の誰かと座っていた。車に近づき警官の一人Thomas Lane
は拳銃を引き抜き、フロイドに両手を前に出せと命令した。当局の調書には、
なぜ拳銃を抜く必要があるとLaneが思ったのかは説明されていない。

警官Laneは無理矢理フロイドを車から引きずり出した。そのときフロイドは
手錠を掛けられるのを激しく抵抗した。警察官Laneは「偽札を使用したから
逮捕する」と説明したが、フロイドは納得しないまま手錠を掛けられた。
警官たちが警察の車にフロイドを押し込もうとしたが、悶着はその後も続い
た。

20:14フロイドは地面に押し倒された。そのとき自分は閉所恐怖症だと警官に
訴えた、と調書には記録されている。そのときデレック・ショウビンが現場
に到着し、他の警官とともにフロイドを警官の車に押し込もうともがきあっ
た。

20:19ショウビンはフロイドを歩行通路の反対側に引きずり、地面にフロイド
を押し倒した、と調書には書かれている。フロイドは地面に横たわり、顔を
下にして、手錠はされたままだった。ちょうどそのときだった。何人かの証
人たちがぐったりしたフロイドを動画に撮りはじめた。この瞬間、幾つかの
携帯電話が撮影した動画をソーシャルメディアで広範囲に拡散し始めた。こ
れらがフロイドの最後の瞬間を証明するものとなった。

フロイドは警官たちに抑えられ身動き取れない状態であった。ショウビンは
左ひざをフロイドの頭と首の間に割り込ませた。「息が出来ない!」と何度
もフロイドは訴え、母の名前を叫び、何度も助けてくれと懇願した。8分間と
46秒の間、ショウビンは自分の膝をフロイドの首に押し付けたままだった、
と調書に記載されている。

この間、約6分間フロイドは何ら反応しなくなった。ビデオを検証すると、フ
ロイドは意識がなく、すぐ傍で見ていた傍観者たちは脈拍を調べろと警官に
激しく迫った。もうひとり別の警官JA Kuengがフロイドの右手首の脈を見る
と脈拍はなかった。その間他の警官は身動きひとつしなかった。

20:27ショウビンはやっと膝を首から外した。何一つ身動きしないフロイドは
車輪付き担架に乗せられ救急車でHennepin郡医療センターへ搬送された。一
時間後にフロイドの死亡が発表された。

死亡した夜、フロイドは親友の一人と話していた。その親友はフロイドに職
安に相談したらどうだとアドバイスした。そして偽札に関しては、自分はそ
んなことをする人間ではないと親友に語っている。

フロイドはテキサス州ヒューストンの出身だが、ミネアポリスに移住して数
年になる。市の用心棒みたいなことをしていたが、多くのアメリカ人同様に、
今回のパンデミックで失業していた。

以上は英国のBBCが調べた最近の情報である。
アメリカの東海岸でも西海岸でもない、あまりニュースにも登場しなかった
ミネソタ州の出来事が一瞬にして世界中に拡がった。ロンドンでもフランス
のパリでも、そしてオーストラリアでもニュージーランドでもジョージ・フ
ロイドに対する同情デモは連日行われている。子かも一部は暴徒化の様相を
呈している。デモの95%はその地域の住民だが、5%は外から入り込んだ組織
化された団体がそれを煽っているとのウワサもある。

だがこれらの拡散はコロナウィルスの広がりよりもSNSを通じてスピーディー
である。
なぜだか非常に危険な臭いがする。
今回は『GAFAの最後のA』と題してiPhone、そしてiPadを採り上げようと思っ
たが、臨時ニュースとして内容を変更しました。

もう少し分析材料を整理したうえで、この続きを採り上げたいと思います。
本日はここまで。

一日一回の雷雨には見舞われますが、それが過ぎるとカラッと晴天が続き、
まだモンスーン雨季には時間が掛かりそうです。


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