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<ミャンマーで今、何が?> Vol.376
2020.07.24
http://www.fis-net.co.jp/Myanmar

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━━【主な目次】━━━━━━━━━━━

■師匠への返信メール

 ・01: 『いま幸せだ。』

 ・02: 民主化への七つのステップ

 ・03: 時代が変わり、ミャンマーが変わる

 ・04: 夢のプロジェクト

 ・公式ツイッター(@magmyanmar1)

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・01:『いま幸せだ。』

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と師匠は、この言葉で時空を越える旅(マングローブを巡って)の出だしを書かれている。
そしてご夫婦で終わりなき旅に挑んでおられる。その原動力は生来の好奇心である。
若輩者の自分がコロナで気弱になっては恥ずかしい・・

屋根裏部屋で、ボクも『いま幸せだ〜!』と呟いてみた。
暫くして近くに事務所を構える友人が、事務所を引き払うことにした。ヤンゴンに戻る目処が遠のいたという。豪華な大型楕円形テーブルを無料で献上!
との威勢のよい話が舞い込んだ。

瞬間、英会話授業に最適と思った。だが床を突き破る重量。無い知恵を働かせた。下の階はコンクリ床で重量は問題ない。下の階に相談した。生徒の出入りは騒々しいが、私のスタッフは快諾してくれた。『いま幸せだ〜!』の呪文は“Open, Sesame!”以上の効果があった。

コロナ騒動は子供たちの夢も壊した。“開け、胡麻!”の呪文は「アラビアン・ナイト」の世界だった。コロナ時代に必要なのは『いま幸せだ〜!』の呪文ではなかろうか?
スーチーも推薦している。“読書をしなさい”と、そして“新しい世界を開きなさい”と。

ヤンゴン時代の旧友が“笑い”の情報を三重県から続々と送ってくれる。彼は笑いこそ免疫力を高め、コロナには効果的だと達観している。
そして『5+6+7=18』の数式を送ってくれた。

ハーバードの秀才でも、ケンブリッジの天才でも、この等式は解けぬだろう。
数学におけるノーベル賞とも言われるフィールズ賞の受賞者でも無理のはずだ。欧米のレベルなんてェのは、その程度である。例外はある。日本人受賞者の小平邦彦、広中平祐、森重文は除外したい。

世界は理解できないだろうが、日本の庶民文化は、小学生レベルでこの等式を解いてコロナを笑い飛ばした。次年度のフィールズ賞は、この学童たちにこそと、微力ながら東西南北研究所は大声で推奨したい。

種明かしをすると、沖縄県宮の森小学校の学童が貼り出した大きな横断幕である。アインシュタイン博士でも、ホーキング博士でも考え出せない高度の等式である。
いま世界中が子供心を失ってしまった。胸を張って言わせて貰うが、私の師匠は子供心を失っていない。そしてミャンマーでは、子供に話しかけるスーチーが子供目線である。その一方で軍部の操り方など老獪で老練だ。



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・02:民主化への七つのステップ

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ホワイトボードと大型楕円テーブルを搬入させてもらってから、俄然欲が出てきた。なかなか彼岸に渡り安眠できない。困ったものだ。金属疲労状態の心臓が、まだ動いている。

ホームセンターに駆け込み、整理整頓用の透明化粧箱をワゴンタクシーに積み込めるだけ購入してきた。もう一回訪れ小型掃除機も買い足した。生徒を総動員して上下階フロアを大改装する陰謀を巡らした。懐かしいヤンゴンの交通渋滞が部屋の中で再現した。

日本から持ち込んだ積ん読の書籍を見つけると、窓際に椅子を持ち出して読み耽る。三つ子の魂は持病だ。総指揮官がこの状態では生徒が呆れて帰ってしまう。コロナ対策と同じで打つ手が無い。今月末の予定が来月一杯掛かりそうだ。

地続きの国は大変だ。ミャンマーとタイを行き来するチェックポイントは33ヶ所あるという。両国間友好橋一ヶ所に限って近々再オープンするという。
タイに滞在するミャンマー人は正式に労働認可を受けた出稼ぎ労働者や留学生など、その他正式書類を持たずに闇で働く出稼ぎ、そしてタイで犯罪を犯したミャンマー人もいる。

その一部は留置所でぶらぶらしている。タイ政府にとっても連中の面倒をみるのはアホらしい。迷惑な話でもある。両国間で外交交渉が行われている。
続々とミャンマー政府は引取りを開始した。だがタイの国は昼と夜と濃厚接触が大好きなライフスタイルである。

それだけではない。世界のバックパッカーにとってタイは夢にまで見た天国である。サケもヤクも、オンナもオトコも、その中間もヤリタイ放題。三密なんてものではない。食い込むほどの濃厚接触である。

それでもミャンマー政府は国連保健機構の警告に従い、帰国ポイントでの検疫検査、検疫期間の徹底、それらは厳重にやっている。だが欧米各国が露呈したとおり、検疫の防波堤は決して完璧ではない。

それに加えてミャンマーのアキレス腱は、世界最大の人口大国二つと国境を接している。それだけではない。世界最貧国のひとつであるバングラとも国境を接している。

コロナに関して、欧米方式が無力なことが露呈し、ミャンマーは独自の方式を編み出さねばならない。さらに問題を複雑化しているのが、世界はいま、モノもヒトも食料もグローバル化の世界が確立してしまった。もう後戻りは出来ない。

孤立化していた鎖国時代がなぜだか懐かしい。
スーチーが唱えるダイバーシティとは、ロヒンギャーを除いて135の民族が混在するミャンマーでは相手を尊重してお互いにリスペクトするところからすべては始り、悲願である国内統一を国内に存在する武装勢力に呼びかけている。停戦からスタートして徹底的な連邦自治を話し合う気の長い道のりだ。

ロヒンギャー問題が海外から湧き上がったとき、スーチーはラカイン州でも仏教徒とイスラム教徒が平和に共存している村もあると訴えた。その現実を見てもらいたいと、ミャンマー駐在の外交団、国連機関、人権団体、国内外のジャーナリストに呼びかけた。身辺の警護はミャンマー国軍が保障するとまで約束した。

あれからミャンマーを取巻く状況は大きく変化している。そしてどちら側に有利に作用するのか不明だが、コロナ騒動で世界がてんてこ舞いしている。
スーチーはヤンゴン国際空港の発着を10月まで禁止とした。世界の事情と同じく、10月時点で再開か再延長かは判断される。

ミャンマー国軍の最高司令官であるミンアウンラインは、ロシアのモスクワで挙行された第75回第二次世界大戦勝利記念式典に参加し、同国国営放送とのインタビューで国名は名指ししなかったものの、ミャンマー国内で騒乱を起こしたテロ組織は中国製武器を使用していると、暗に中国だと言わんばかりに、海外の支援を呼びかけた。

これはミャンマーを中国の同盟国とする海外からの根拠無き情報をぶっ飛ばす爆弾宣言であった。最高司令官一行のロシア訪問は前後の往復飛行時間を除外すると実働作業日数は二日間である。その間にインドの国防大臣とみっちり話し合っている。中国がインドとの国境線で鍔競り合いを演じていた正にその時期である。

ミャンマータイムズ7月23日(木)第一面には大きく「Myanmar keeps Thai?
border crossing closed」と出ている。その記事内容はミャンマー政府はタイとの国境すべて33ヵ所を閉鎖し、例外として第一タイ友好橋のみを近々再開するとしている。その主目的は中国依存の物資流入を削減する狙いと書いてある。このひと言を見逃してはいけない。

ミャンマーはスーチーが日本の外務大臣に指摘したとおり、複雑国家である。
このメルマガでは最高司令官がモスクワで漏らしたひと言が、いまミャンマーで表面化して動き出したと見た。この動きは当然ながら、国軍と民主化新政権との協働作業である。別の言葉でいえば、軍とスーチーの共同作業である。


この動きが燎原の火のごとく、これからミャンマーの至る所で燃え盛るのではないかと弊研究所は観察している。民主化への七つのステップ、タンシュエVSスーチーの極秘会談、その延長線上にあるのが、最高司令官の爆弾発言で、海外のマスコミの読みはスーチーの心をまったく読み切っていない。

話しは錯綜するが、スーチーがダボス会議で有名なWorld Economic Forumのバンコク版で演説したのは2012年6月1日のコトであった。自宅監禁から解放されたスーチーが24年ぶりの海外となる欧州旅行の直前だった。ノーベル平和賞の授賞式がオスロで待っていた。

ASEAN加盟国からの度重なる強い説得で、最初の海外渡航先を突如隣国タイのバンコクに決定した。ドイツ生まれのスイスの実業家・経営学者でパトロンであるKlaus Schwabが特別のスケジュールを用意してくれた。

短い時間であったが、スーチー議員はタイ訪問中に、ミャンマー政府の許可も受けずにミャンマー難民と勝手に接触し、対話を行ったとネイピードから批判的なコメントが非公式に流された。あの当時ミャンマーの軍部はスーチーなど幾らでも脅し拘束できると考えていた。

スーチーが国境地帯で接触し、対話を行ったのは、コロナ下のいま問題となっている非合法な出稼ぎの同胞たちである。スーチーの先見の目が光る。ミャンマーの軍部はそれ以前からそしてテインセインの時代まで貧困労働者の救済を何一つできなかったのである。



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・03:時代が変わり、ミャンマーが変わる

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ミャンマーの複雑な状況は欧米のマスコミには読み取れない。
それはあまりにも複雑であるからだ。民主化への七つのステップは、キンニュン首相時代に発表された。当然独裁者タンシュエの了解を得てのコトである。

肩書きを脱ぎ捨て、2008年憲法下では何ら権力を持たないタンシュエだが、軍部に対するニラミはその黒い目が白濁するまでは恐怖の威力がある。だからテインセインもミンアウンラインも、ただただ平伏するだけである。それがミャンマーの複雑さである。

老獪なスーチーはそれを一瞬にして悟った。そして手を打った。すべてはスーチーの思惑通りに進んでいる。7月19日の殉難の日を検証すれば良い。個人的なリベンジ、個人的な利益、それを飛び越えたところにスーチーの目標は掲げられている。次代を担う若者たちの目線である。

その成果は2020年11月8日の国民総選挙以降に見ることが出来るだろう。



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・04:夢のプロジェクト

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先日は貧乏家族の祖母が郊外の貧乏寺に寄進をしたいと、声を掛けてくれた。
学生の友人何人かが一緒に行くと言う。喜んでついていった、坊主たちが読経する間、一番前の席で献酒の真似事をさせられた。実際はお神酒でなくただの水である。

もう正座は出来ない。ひとり胡坐をかいて許してもらった。
読経の後で、椅子に座った住職が、話しかけてきた。顔つきから興味を引いたのかもしれない。嬉しいことに後ろに座った学生がすべて通訳してくれた。
結構おしゃべりな住職だった。ありがたい。生徒はこうやって成長していく。


さらには住職が広い境内を案内してくれた。途中で土砂降りがやってきた。
だがおしゃべりな住職と通訳で軒下に避難して会話は続いた。
境内にたわわに実るジャックフルーツを指差し、熟れごろだからと好きなだけ頂いてきた。
楽しい一日だった。

今週末はヤンゴンで20年にわたる旧友が自宅に招待してくれる。そして友人も呼んでコロナ自粛の憂さ晴らしをしようとの魂胆だ。ここでも裏情報を入手できる。

同じく週末は、生徒の一人が誕生日だという。ダラー郊外の田舎屋風レストランで祝うことにした。バースデイケーキは用意した。女学生の友人10人ほどが集まるという。今回はHen’s Partyだと言う。先生は別格だそうだ。日本へ逃げ帰った男子諸君の気が知れない。イヤ待てよ!人畜無害と見られたのだろう。

今年末にはこれらの生徒たちを全員役者にしてカネになる新プロジェクトを企画中である。
コロナが落ち着けば、古臭いビジネスモデルは壊滅する。ミャンマーの若い世代とアッと驚くビジネスを立ち上げるつもりだ。

そのノウハウは師匠の夢の一助になると信じている。
『いま幸せだ〜!』の呪文はここまで夢を膨らますことが出来た。
コロナの災難下に実に有効だ! 皆さんもご一緒にどうぞ!



追伸:宮の森小学校の謎解きは「コロナはイヤ」と解読してください。


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