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<ミャンマーで今、何が?> Vol.379
2020.09.29
http://www.fis-net.co.jp/Myanmar


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━━【主な目次】━━━━━━━━━━━

■COVID-19特集ミャンマー偏

 ・01: 2020年9月27日(日)0800pm保健スポーツ省発表

 ・02: ヤンゴン下街の様子

 ・03: お約束のコロナ騒動ドキュメンタリー

 ・04: 訂正とお詫び

 ・公式ツイッター(@magmyanmar1)

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・01:2020年9月27日(日)0800pm保健スポーツ省発表

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陽性感染者数合計:10734名
新感染者数合計:743名
死者数合計:226名
退院者数合計:2862名
現在検査中:13773名
出典:Myanmar International TV



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・02:ヤンゴン下街の様子

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ミャンマー全土で小・中・高・大学とすべての学校が閉鎖中。ということは、フェリーと呼ばれる学校送迎バスが減った分、道路交通および駐車スペースがかなり激減。
プライベートの補習校や語学校も閉鎖されたため、各種学校はZOOMを利用したオンライン授業に続々と切り替え開始。

連邦政府&省庁・地方政府諸機関を初めとして、スーチー個人も、ZOOMという便利なアプリに習熟し活用し始めたため、民間団体および商売っ気のある個人も独自のアイデアで、相手と直接接触せずに顔を見ながらビデオ会議ができるこの方式は、コロナが産みだした産物といえる。しかも国境を飛び越えインターネットで繋がるところが魅力だ。

コロナ禍で国民の日常生活に必要な病院保健施設、交通機関、金融機関、スーパーマーケット、コンビニな、食料製造工場、食品・医療・必需品等のロジスティックス関係などを除いて、あらゆる私企業・オフィス・工場が閉鎖に追い込まれ、街中はCurfew(*戒厳令)状態となっている。

労働問題や争議が未成熟のまま、コロナ時代に突入したミャンマーでは、労働時間の短縮やレイオフが経営者側から一方的に通告され、コロナを理由に給与カットや停止は当然の諦め感が強い。対策として政府は、郊外などの貧困地区の各家庭に現金(*精々2万チャット)、米、食料油、食品、農産物などを配布する努力をしている。

タウンシップ(町区)ごとの朝市は庶民の台所として開店しているが、これまでの7日営業を3日にしたり、夫婦営業だったのが片方だけの出勤、両親に代わって会社休業中の娘が営業、などなどで、コロナを怖れて商売は縮小気味である。これら朝市はすべて零細な自営業なので、日銭が稼げず即座に収入減となる。

心細い筆力なので、このミャンマーの危うさ及び不安定さが、GoToキャンペーンで浮かれる日本の方たちに伝わるだろうか?

利権をたっぷりと私腹し、多くの雇い人に守られた豪邸に住み、バカ息子やバカ娘を海外で贅沢させている軍事政権時の元高官たちは、このミャンマーの危うさと不安定さをすべてスーチーの所為にして国民感情を煽っている。

2020年11月8日に設定された今年の国民総選挙までわずかに40日あまりとなった。与党は草の根運動で支持者を確保するのに必死だが、テインセイン率いる最大野党は新政党乱立を呼びかけ与党票の分断を狙ったが、独自調査では野党が分断され不利になることが判明した模様。

ご承知の通りテインセイン党首=軍事政権は、コロナ感染&死者数の激増を理由に、国民総選挙実施日時の延期を来年以降に画策している様子が窺える。
ドナルド・トランプ戦略のパクリである。

ミャンマーが鎖国から開国に転じた真の理由をご存知の読者は、なぜミャンマーの総選挙日がアメリカと同じ11月なのかもご存知のはずだ。

ミャンマーには、イギリス及びアメリカという二つの強力な師匠が狡猾な“老獪学”を伝授した。Stay-AT-Homeの今だからこそ、「ミャンマーで今、何が?」というメルマガのバックナンバーをチェックしていただきたい。

Vol.01配信直前の2012年7月4日(*偶然だが米国独立記念日である、意図して暗示したのではない)に二つの広告用メルマガを配信した。それを読んで頂ければ、2012年当時のミャンマーの空気および世界情勢を感じ取っていただけると確信する。

路上喫茶で“スーチー”などという危険な言葉を口に出来なかった時代である。当研究所自身あまりにも無知だった時代のドキュメンタリーである。無知ゆえにミャンマー学にのめりこんでいった。

スーチーを海外向けの広告塔として、ミャンマーの開国を謀った軍事政権は、軍事政権が再度政権を取り戻せば、ミャンマーが第二の北朝鮮・イランになることを熟知している。頑迷固陋な軍事政権にとっては最大のジレンマである。

これを読み解く鍵はスーチーとタンシュエとの極秘会談、それから墓場まで守秘義務のある極秘合意にあるのだが、それを読み解かない海外のマスゴミは、表面的なゴミ漁りしかしていない。このメルマガをドキュメンタリーとして覗いてもらえば、読み解き出来た時点で、露骨にあるいはカモフラージュしてお届けしてきたつもりだ。

話が大きく逸れた。自重しよう。

コロナ禍の下街の様子だった。
歴史的なヤンゴン下街の中心地は、あくまでもスーレーパゴダ、CITY HALL(*現YCDC庁舎)および純白の現独立記念塔で、ここを中心に東西へと細長く碁盤の目に発展していった。南端はヤンゴン川に沿ったストランド通りでストップとなる。

最東端は海軍敷地内の重要記念碑であるモンキーポイントとなるが、軍施設でもあり一般人が近づける市街地としては、ボータタウンパゴダ大通のある50番街プラス近辺だろう。

この碁盤の目が便利なのは、西端の1番街から東に向かって例えば60番街までと順番に並んでいることである。それらはすべて一方通行で交互に配置されている。すなわち奇数番号は北側から侵入、南へ抜ける。偶数番号は南側が一方通行の入口となっている。そして大通りが間に配置されているが、これは両方向通行できる幅広の道路となっている。

そして大通りが交差するジャンクションは当時交通信号を必要としないロータリー式で、当時の英国人の知恵であった。

そして現在の下街は、すべての侵入入口および出口が、ロープや椅子・テーブルでブロックされており、そこには町内会の住人が何人か屯している。その通りの住人であれば顔馴染みで問題ないが、余所者は厳重に誰何(*すいか)される。例えばパンダ印の宅配便でも、場合によっては注文主がビルを降りて、この警戒線までとりにいくことになる。言葉の通じない外国人は特に要注意である。海外どの国でも同じだが、もちろん内緒の要領はある。

例えばシティーマートでの買い物は家族でひとり、病院・クリニックへは患者と付き添いの二人までは外出OKだが、フェースマスクは絶対必要で、通報されれば逮捕となる。夜から明け方にかけては外出禁止のロックダウンなので、買出しは日中に済ますべきである。

何番街の路地はほとんどブロックされているが、果物・野菜・それに軽快なリズムの宝くじ売り、などミャンマー名物の物売りも特設リヤカーを押してやってくる。夫婦・親子で大声で、場合によっては録音テープの音声で道路両脇のビルに呼びかける。上階からマダムが顔を出し、値段を確認、商談成立でロープに吊るされた自前の買い物カゴが降り、商品が納められ、引き上げて品物を確認、満足すると合意されたおカネが支払われる。

日本を見習えとばかりにあらゆる点で精進しているミャンマーだが、YouTubeニュースで見た、スーパーの買い物カゴをそのまま自家用車で持ち去るとか、持ち込んだ自前買い物カゴにレジを通さない商品を忍ばせる高度なテクニックは、まだまだ未熟で、ロープ付き買い物カゴの万引き事故は一件もレポートされていない。

こういう下街状況下で、私のビルにも救急車がやってきた。
しかも私の下階に住む私のスタッフ家族がコロナ感染被疑者である。



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・03:お約束のコロナ騒動ドキュメンタリー

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海外に長く住む日本人としての本能に従って行動したドキュメンタリーをお届けしたい。
9月21日(月)下階に住む女性スタッフから電話が掛ってきた。同居中の息子がコロナ感染疑惑でヤンゴン総合病院に搬入された。勤めるヤンキン町区にある通信会社の同僚がコロナに感染したために、同僚全員を濃厚接触者として隔離、検査するとのこと。

この女性スタッフには朝食(*野菜粥)のみを毎朝用意してもらっていた。
だが私の住むボータタウン地区がロックダウンとなったことで、3週間前頃から朝食は不用と宣言し、上下の往来は控え、コロナ感染に注意する処置はとっていた。

問題は彼女の英語力と私の未熟なビルマ語で、上下階のケータイでは意思が完璧に通じない。コロナのお陰で現代の武器、ケータイ、が大いに役立った。
新発見だった。
遠隔地に住む別の英語の生徒が、間に入り通訳の仕事を引き受けてくれた。

私⇒通訳⇒私と同じビルの下階のコミュニケーションが開通した。もちろんその逆も。
お互いにリモートのソーシャル・ディスタンスは充分に保ち、濃厚接触の心配は皆無だ。
これを繰り返すうちに、遠隔地の生徒の英語によるコミュ力が格段に上達した。リモートでありながら隔靴掻痒の痒いところを直接掻いてくれる。

もうひとつ重要な情報は、下階女性も息子の濃厚接触者として明日にでも強制隔離されるとのこと。

地元政府の不可解なことは、この時点では、息子は陽性反応が検出されたわけでなく、2週間の様子を見るという検疫隔離下に置かれただけで、まだ検査を受ける段階ではない。2週間のQuorantine期間中に高熱・咳・鼻水などの怪しい症状が出れば、そこで陽性・陰性の検査をする。だから息子はコロナウィルスの被疑者ですらない。

その母親ということになれば、息子経由の感染がひょっとしてあるかもしれないという段階で確かではない。英語でIgnorant、日本語で無邪気な・無知に相当するミャンマー人は非常に多い。この母親も息子の検疫隔離を聞いただけで、急に体調を崩し寝込んでしまった。熱もあるという。この微妙な状況はすべて優秀な遠隔地生徒から聞きだしたものである。

私はフェースマスクで顔半分を覆い、透明のプラスチック・シールドで顔全面をさらに覆い、野球帽を目深に被ってひとブロック先のシティマートをサイカーで二度往復した。2週間以上は食い凌げる食料・飲料、日用品、特にワインは白赤たっぶりと仕込んだ。そして下階のスタッフに必要なものだけドア口で手渡し、一分のかからずに上階の自室に引き上げた。

リモート通訳担当に電話してYouTubeから『“Don’t Worry, be Happy”のOkaidi & Playing For Change 2014』をググって、その音楽を聴くように下階の女性スタッフに私のメッセージと共に丁寧に指示してもらった。

題名の通り、“クヨクヨするな、ハッピーに行こうぜ!”という意味だ。
アメリカのジャズ歌手Bobby McFerrinが世界的に大ヒットさせた楽曲で、YouTubeではアメリカのLA、ガーナ、キューバ、ブラジル、インドその他大勢のの子供たちをオンラインで結び演奏している。

素晴らしいのは政治という魔物が線引きした国境を飛び越えて、世界中の若者がひとつの歌を楽しんでいることだ。ギターでバイオリンで、あるいは手製打楽器のパーカッションで、そして身体をスウィングして、リズムを取る。
コロナ時代に相応しい、否、コロナ禍だからこそ、心に響く音楽である。辺りが暗くなることから眠くなるまでこのYouTubeを繰り返す。ワインが白から赤に変わる。こちらも繰り返す。コロナ禍だからこそお勧めの動画である。

また話がずれた。
これは私の信念で、三重県鈴鹿に住む老朋友も同意してくれると思う。
心からハッピーで心から笑うことが出来れば、個人個人の免疫システムは確実に強化できる。

彼こそ沖縄県宮の森小学校の垂れ幕。5+6+7=18をシェアしてくれた元ヤンゴンの日本語教師だ。『コロナはイヤ』という日本人の叡智を英語で欧米人に伝えられる外交官は何人いるだろう。ヤンゴンのひっそりした英語教室なら、そんなことは朝飯前だ。
またまた話が逸れた。

不思議なことに、私の信念は、小学校を一時的に改造し現在二人部屋の検疫検査待機中の私の女性スタッフに効果を与えた。電話で直接話すと、声からして元気だ。熱も下がり、咳も出ないという。

二人の合言葉は「ドント・ウォリー、ビー・ハッピー」だ。毎朝通訳を介せず直接電話確認するが、素人ニセ医者の私は声で彼女の体調をチェックすることにしている。

ただいまのヤンゴン時間は9月28日(月)午後2時30分。
東京経由のアップロード締め切り時間である。
間に合うかどうか確信無いが、プロバイダー殿に発信してアトは運を天に。
続きは未定。



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・04:訂正とお詫び

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前回NATOアルファベットに間違いありました。
UはUniformのUで、ユニオンのUではありません。
ここにお詫びして訂正いたします。

近い将来、英語テクニックの予定ですので、その折に26文字全部をお伝えします。


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東西南北研究所




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