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<ミャンマーで今、何が?> Vol.38
2013.4.3

http://www.fis-net.co.jp/Myanmar


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・01:AAA:(政治)
-A1:スーチーNLD党首が国軍記念日式典に始めて参列
-A2:カナダが駐ミャンマー大使を発表

・02:BBB:(経済)
-B1:公務員の給料がアップ
-B2:タイとの国境貿易の玄関口が2ヶ所増設

・CCC:(生活一般)
-C1:4月1日から日刊新聞が路上のスタンドに並ぶ
-C2:AP通信社がヤンゴン支局の開設を認可される

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<AAA:(政治)>

○A1:スーチーNLD党首が国軍記念日式典に始めて参列

3月27日(水)国軍記念日には恒例の軍事パレードがミャンマーの首都ネイピードで行われた。国軍記念日は国威を誇示する絶好の機会で、最新鋭のジェット機、軍事ヘリコプターが華々しく頭上を舞い、陸上ではロケット発射台、大砲、武器を装備した陸上タンクなどが整列してパレードし、そして軍楽隊に先導され陸海空軍それぞれの将校・兵士が三軍最高司令官の前を挙手の姿勢で行進する。

将軍を始め最高幹部将校が夫人同伴でテント席に陣取る。そしてVIP席には大使館の駐在武官が各国の派手な正装で華やかに彩る。これまではミャンマーの国軍と特別の関係を維持する限定された諸国の駐在武官のみが招待され、その模様は国営テレビで延々と流されるが代わり映えしない実況放送であった。

ところが、今年は違う。万国博覧会を思わせる駐在武官の数である。これは最近になってヤンゴンに新設した大使館の数が急増したことを如実に語っている。だが、ネイピードに開設した大使館はまだない。

そして今年はもうひとつ大きな変化が現れた。刺客による殺害まで企て、15年間という長い抑圧状態を強制した仇敵の国軍とスーチーNLD党首が和解したのである。最高位の将軍たちに挟まれて最前列のVIP席でパレードを見学するスーチー党首の写真がすべてを物語っている。

国営の英字日刊新聞には列席した最高幹部とその夫人の名前が記載されるがスーチーの名前は出てこない。象徴的なこの写真だけが何かを物語る。

だが、欧米のマスコミは違う。蜂の巣をつついたような受け止め方だ。それらを総合してこの写真のメッセージを読み取りたい。

スーチー党首は危険なゲームに踏み出したと見る識者もいる。ミャンマーの次回総選挙および大統領選出まで、あと2年半しか残されていない。スーチー女史は国政に参画する前から軍人が作成した2008年憲法は徹底的に修正せねばならないと訴えてきた。しかし、彼女本人とNLDの仲間が議員となってからも軍人の巧妙な戦術に陥り何一つ打破できないでいる。中にはスーチー女史の役目は終わったと見る人もいる。

一歩前進するためには敵対ではなく和解が必要だ。この数ヶ月間スーチー党首は私は国軍の敵ではないというメッセージを国軍のトップに流してきた。

一方、国軍は今でも国民の支持を得ていない。特に少数民族の間ではテインセイン大統領の進めてきた改革路線を支持するが、国軍に対しては不信感を抱いている。少数民族だけでなく、国民の大半もそれに近い。だが、欧米の厳しい見方は根の部分ではテインセイン大統領=国軍と疑惑の目で見る学者もいる。

そこで国軍のイメージアップにはスーチーを利用するのが最も効果的であると作戦本部は考える。下院議会に2008年憲法見直し委員会を設置し、何らかの修正を行う可能性を匂わせ、NLD・スーチー党首側からの態度軟化を仕向けさせる。NLDが優秀な国軍の術中に嵌ったのか、いや、そうではない。スーチー党首が政治家として国軍の懐柔策に政策転換したと見る向きもある。政治的に前進するためには逆にスーチー党首が国軍を必要としている。今一番国軍の賛同を得たいのはスーチー党首の方で、それゆえにスーチー党首が今回の和解を仕掛けたのだと。それが今年の国軍記念式典の写真である。


○A2:カナダが駐ミャンマー大使を発表

カナダのJohn Baird外務大臣は3月29日まもなくヤンゴンに大使館を開設し、新大使にMark McDowellを起用すると発表した。同氏はベテランのカナダの外交官で、中国とタイで外交官として働いたことがある。

カナダはミャンマーに対してもっとも強硬な経済制裁を行っていた西欧の同盟国だが、2012年にBaird外務大臣は歴史的なミャンマー訪問を行い、4月にはミャンマーに対する経済制裁を中断する決定を下した。

西欧諸国はミャンマー経済と天然資源の可能性に強い関心を示し始めている。

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<BBB:(経済)>

○B1:公務員の給料がアップ

ミャンマー政府は約2百万人いるとされる公務員の給与をインフレ対策として4月1日から20%増の20,000チャット(約2,000円)引き上げた。

ミャンマーの会計年度は4月1日から開始するが、テインセイン大統領は3月30日に行ったテレビ演説で「2013−14会計年度予算で、私は公務員の給与と年金引き当てに3,850億チャットの支出を議会に提出しその承認を得た」と語った。

政府から正式に雇用された約1.2百万人の公務員は平均月収は100,000チャットだが、その他の公務員の740,000人は日雇いベースで平均月収は20,000チャットとなっている。これ以外に760,000人の元公務員が政府の年金で暮らしているが、これらは適切な割合で増額されていかねばならないとしている。


○B2:タイとの国境貿易の玄関口が2ヶ所増設

現在ミャンマー・タイ両国の国境には6ヶ所の検問所が設けられているが、国境省は外務省と連携して現在国境線確定測量の作業中で、この作業が完了すれば新たに2ヶ所の貿易検問所を開設すると発表した。

新設予定の検問地はMawtaungとMeseで、前者はタニンタリー地区、後者はカヤー地区にあり、これらが開設されると違法な密貿易が減少し正式な貿易が増加するものと期待されている。3月31日に終了した本会計年度のタイとの国境貿易は昨年度の$298.98百万に対してUS$515.46百万となった。 

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<CCC:(生活一般)>

○C1:4月1日から日刊新聞が路上のスタンドに並ぶ

今週月曜日から民間新聞社が発行する日刊新聞が路上のニューススタンドに並んだ。何十年にも及ぶ軍事政権による足かせを解かれたメディア改革の記念日といってもよいだろう。ビルマ語の4紙、すなわちThe Voice、The Golden Fresh Land、The Union、The Standard Timeがまず先陣を切って店頭を飾った。

日刊紙の発行はこれまでは政府が独占し、民間各社にはジャーナルと呼ばれる週間新聞の発行しか許可されなかった。したがってこれも新政府による大きな規制緩和である。

「日刊新聞の発行に対応できるよう、われわれは約6ヶ月間準備を行ってきた。歴史的な礎のひとつになりたいとの強い願望からである」とThe Voiceの編集者はAFPに語っている。

新政府が次々に改革案を実行するにつれ、ヤンゴンのニューススタンドは注目を引き付け、早朝から周りの住民が集まり、ニューススタンドが用意した小型の椅子に座り込み、あるいはその周りで立ち見を始める。そして4-5誌ほどを読み終えてから1誌を購入するのが普通のパターンだが、中には毎朝立ち見だけで世間の動きを読み取って立ち去る要領のよい人もいる。ミャンマーのスタンドは主人が約20脚ほどのプラスチック製小型椅子を木陰に毎朝用意し、立ち読みを奨励するところがよい。はたきで追い払うのと反対である。そしてこれは“フリー・ライブラリー”だとうそぶくところがミャンマー人の心意気でもある。


○C2:AP通信社がヤンゴン支局の開設を認可される

この支局はフルタイムでマルチメディアに対応する外国人およびローカルのジャーナリストが常駐し取材体制を敷くもので、今回はAP通信社と日本のNHKの2社が許可を受けた。

AP通信社のKathleen Carroll上級副社長は“我々の独立した偏りのない報道は我が社の誇りで、ミャンマーに関する報道は長年重要課題であった。マルチメディアにかかわる国際・国内の優秀なスタッフがフルタイムで常駐し現在ミャンマーで進行中の歴史的な変革をこれまで以上にカバーすることができる”と語っている。

情報省は3月29日AP通信社に対して24時間体制での事務所開設を許可し、同時に日本のNHKに対しても同様の許可を発行したと語っている。

AP通信社は同国が2年前に開国して以来、定期的に外国人スタッフをミャンマーに送り込んできたが、これまでは外国人ジャーナリストがミャンマーに常駐することは禁止されていた。現在、ミャンマーでは国際的通信社の特派員として数十人のジャーナリストが取材活動を行っている。前の軍と事政権時代には中国の新華社とGuangming Dailyの2社のみが唯一外国人記者の常駐を認められていた。

1846年にNY市に本部を創設したAP通信社は現在、印刷記事・写真・ビデオ・携帯電話・オンラインでのニュースを提供している。同社は米国内の新聞社および放送局などのメンバーが所有する独立したNGOのニュース共同会社で、世界110カ国で280の支局を運営している。







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