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<ミャンマーで今、何が?> Vol.41
2013.4.23

http://www.fis-net.co.jp/Myanmar


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・01:AAA:(政治)
  -A1:スーチーさんが日本訪問を終え帰国
-A2:EUがミャンマーに対する制裁をすべて解除
-A3:EUの経済制裁解除に反対

・02:BBB:(経済)
-B1:抽選でCDMA-800 SIMカードを販売
-B2:ゴールド価格が値上がり

・CCC:(生活一般)
-C1:スーチーさんが‘タイム誌’の100人に選ばれる

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<AAA:(政治)> 

○A1:スーチーさんが日本訪問を終え帰国

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ミャンマーの野党NLDのスーチー党首は自身が有能で実践的な政治家であることを証明したと共同通信が報じている。日本の大学生に対してスーチーさんは民主化を促進するためにはミャンマー国軍とよりよき関係を構築する意思があるとこれまで以上に柔軟で実践的な姿勢を表明した。

岸田外務大臣との会談でも、日本がミャンマーを支援できる具体的ないくつかの実例を示し、例えば、農民たちへの援助は近隣諸国のベトナムやタイなどと肩を並べるレベルにまでミャンマーの農産物を発展させることができると語ったと外務省筋は明らかにした。

「私の国へ対する支援は国民が本当に必要とするものをお願いしたい。日本政府は大臣・官僚のトップ層だけに援助の相談をするのではなく、国民の声も聞いてほしい」とスーチー党首は記者会見で語っている。


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○A2:EUがミャンマーに対する制裁をすべて解除
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1990年の総選挙で大勝したスーチー党首およびNLDの躍進を無視し、政権を移譲しなかった軍事政権に対してEUは経済制裁を課し、これまで一年ごとの制裁解除で様子を見てきた。だが、このたび、EUは武器取引を除いてすべての経済制裁を解除する決定を下した。

15年という長期間の自宅拘束を体験したスーチー党首は当初、EUが全面的に経済制裁を解除することに反対であったと英国の外交筋は明らかにした。

しかし、同党首はそれよりももっと重要な武器取引の禁止を継続することに重点を置き、その他のことは黙認することで同意したと外交筋は語った。

英国のウィリアム・ヘーグ外務大臣は先週スーチー党首と電話で話し合い、ミャンマーの現状は武器の禁輸を例外として経済制裁を超えた次元でミャンマーとEUはその関係を強化する段階に入ったという了解で合意したと語った。

ミャンマーに対する経済制裁は昨年部分的に解除されたが、その時点でEUの首脳たちは民主化への動きが後退するようなことがあればいつでも経済制裁を再び行うと強調していた。当時、スーチー党首も語っていたように経済制裁を一時中断することはビルマにおける改革派を強化することにつながるとデビッド・キャメロン英首相も語っていた。

この制裁中断は大統領および改革派が進めてきた改革を評価したもので、保守強硬派がこの改革に反対したり改革を阻止することになれば、この経済制裁は即座に復活することは明白であるとスーチー党首は語っていた。


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○A3:EUの経済制裁解除に反対
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英国・ビルマ共同作戦運動のファーマー理事はEUが経済制裁をすべて撤廃したことに関してその解除基準を無視したと非難した。ミャンマーには解決すべき国内紛争、すべての政治犯の釈放、いまだに足かせを拘束されている人権問題、少数民族であるイスラム教徒に対する迫害など、そのどれをとってもまだ満足すべき段階ではないとしている。それらに対してなんら条件を付けずにEUは解除に踏み切ったと非難した。

EUの制裁はミャンマーの会社800社以上と500人近くの人々を対象とし、開発援助の阻止も含まれている。だが、EUの高官は「ビルマは何百人という政治犯を釈放し、メディアと民主化への締め付けを緩和し、国内での紛争解決の努力をしてきた。そして政府は民主化に向けての努力をさらに続けている」とこれまでの進展を評価した。



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<BBB:(経済)> 

○B1:抽選でCDMA-800 SIMカードを販売

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これまで長いこと待ち望まれた1500チャット (約2百円)という廉価のSIMカードがミャンマー全土の市町村を通じて抽選で販売すると当局が発表した。

このSIMカードを購入したい人はIDカードと住民票の一式書類を市町村役場に提示した上で抽選リストに登録する必要があると当局は明らかにした。

そしてヤンゴンの一部の管区では、同管区内に住む政府スタッフはこの抽選方式に参加できないと警告している。

ミャンマー政府は4月24日よりミャンマー全土を通じて月間350,000枚のSIMカードが販売すると発表しているが、単純計算すると各町区当りの配布枚数は一日わずか25枚にしかならない。

これ以外にこのカードの使用者はインターネットへの接続費用として10,000チャット(約1000円)が追加で課金される。


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○B2:ゴールド価格が値上がり
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ミャンマーでは水掛祭りが終わり、新年4月18日(木)のゴールド市場金価格はtical当たりK668,500 (US$760)でオープンしたが、その日の夕方にはK691,000 (US$780)の高値引けとなった。

そして19日(金)の金市場はK695,000 (US$790)で始まり、まもなくK706,000 (US$805)の大台に乗せ、数分でさらにK 720,000 (US$820)と一段高を示したが、最終的にはK710,000 (US$809)で落ち着いた。

なお、各金ショップではtical当りK20,000 (US$22)の値差が見られるが、平均するとK720,000 (US$820)前後が現在の市場価格となっている。



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<CCC:(生活一般)> 

○C1:スーチーさんが‘タイム誌’の100人に選ばれる

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4月17日付週刊誌‘タイム’で、この10年間で最も影響力のあった個人としてアウンサンスーチーが選ばれた。彼女は全投票者の61%を獲得しライバルのレディー・ガガを上回り、ミャンマーの人々にとって最も誇り高き瞬間となった。彼らは必死になって投票し続けてもう一人の“ザ・レディー"に対する最大の支持を表明した。と同時に、4月16日はミャンマー暦の新年に当たるため、アウンサンスーチーに対する民衆からの嬉しいお年玉となった。

投票が締め切られた後の当選決定で、多くの人々がフェースブック上で熱狂的な喜びを分かち合った。

あるミャンマー人は語っている。これはあなたの子供たちからママへのプレゼントで、私たちの心が一つになった結果であると。お幸せに、ママ!!

そして別の一人も語った。誰がトップになったか言ってごらん。もっと大きな声で。彼女にはその価値が十分にあると。

レディー・ガガの取り巻きもインターネットで多くのファンを動員して彼女に投票を呼び掛けたが、スーチー・ファンの熱意には大きな差があったようだ。

そしてもう一人のスーチー・ファンが語る。ミャンマーはこれまで世界中から常に無視され続けてきた。だが、やっとその国名が認められるようになった。そして‘タイム誌’は一人一回の投票ではなく、何回も投票してよいとルールを変更した。だから、国内・海外のミャンマー人が投票が締め切りとなる瞬間まで必死になって何度も何度も投票をし続けたのだ。私たちは今年の新年をハッピーなニュースでスタートできた。ミャンマーは難しい問題をたくさん抱えている。だが、全員がこのように団結して努力すればいつかはミャンマーを本来あるべき地位に据えることができると私は信じている。新しい国づくりはたった2年前に始まったばかりだ。

約2百万人のインターネット・ユーザーがスーチーさんに投票した。だが、スーチーさんに投票したくともインターネットにアクセスできない40百万のミャンマー人がいる。だから、インターネット・ユーザー全員に声をかけたのだ。40百万人のミャンマー人の代わりに投票をし続けろと。レディ・ガガとノーベル平和賞を受賞した我々の “ザ・レディー"がほんのわずかな差で接戦を演じていると。だから、どうか私たちの“ザ・レディー"に投票してくれと。投票・投票、そして投票を続けてくれと。友達・親戚だれでも構わない、総動員して投票してくれと必死になって呼び掛けた。

‘タイム誌’は毎年、世界でもっとも影響力のあった100人のリストを掲載している。スーチーさんがこのリストに登場したのはこれで4回目となる。この不屈の反体制派闘士は2004年、2008年、2011年にこのリストの100人に選ばれている。そしてほぼ半世紀に近い闘いの結果このミャンマーを支配していた軍事政権を終焉させ、いま政治・経済・民主改革の端緒に就いたばかりである。

オルブライト元米国国務長官は「スーチーの勇気は自由を愛する抑圧されたすべての人々に希望を与えるものである」と記述している。







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