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<ミャンマーで今、何が?> Vol.427
2021.04.17
http://www.fis-net.co.jp/Myanmar

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━━【主な目次】━━━━━━━━━━━

■クーデター下の正月風景

 ・01: GNLM紙は3月1日以降コロナ統計数字を一切発表せず!

 ・02: 本4月17日(土)は新年の正月

 ・03: アナタは生き延びなさい

 ・公式ツイッター(@magmyanmar1)

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・01:2021年03月02(火)午後8時発表(前回のまま)

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陽性感染者数合計:141,965名
新感染者数:49名
死者数合計:3,199名
退院者数合計:131,534名
現在検査中:名(*数字判明せず)
出典:ミャンマー連邦・保健スポーツ省
(GNLM紙は2月一杯は前日のコロナ数字を掲載していた。だが3月に入ってからはコロナの統計数字を一切発表せず。国民の健康無視どころか、国民の生命を大量虐殺しはじめた。自国民のジェノサイドを糾弾すべきである。ジェノサイドとは大量殺人のことである)



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・02:本4月17日(土)は新年の正月

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だが日本は週末なのでアップは月曜になるかもしれません。
国営日刊英字新聞は4月16-19日の4日間は連続で休刊日とのこと。
その間に隠蔽すべきさらに悪どい事件を起こす可能性があるのが叛乱軍なので油断せずにウォッチは続けたい。同じく政府系だが“ミラー”なども交互にカバーしあうので、生徒たちの情報を当てにしたい。

新年正月の下街を徘徊してきた。メルマガには早朝の雰囲気を記録として残すため原稿に掛かることにした。ボーガレーゼイの朝市は混雑しているが、店舗は間引きされ交代で休暇を取っているようだ。

目的の食肉売り場も鶏肉屋が一軒、豚肉屋が一軒と、肉の部位も少なく、閑散としていた。
今年は異常な年。ティンジャン最後の昨日は午後2時前後に遠雷がしたかと思うとかなり長い時間の降雨があった。

最高司令官は首都ネイピードで国軍関係者家族を招集しティンジャンを祝ったようだが、そっぽを向いた善良市民からは冷たい目で批判された。国営MRTVもヤンゴン市内では多くの市民が水を掛け合ってティンジャンを楽しんだと放映された。

クーデター直後にスーレーパゴダ通りを埋め尽くした抗議集会の当時の写真の遠景がMRTVではティンジャン用に使用されており、MRTVのみならずMAHをバカにした動画とコメントがSNSで大々的に拡散されていった。

スマホ時代を把握できないアホな独裁者MAHの迷文句を3つお届けしたい。
「平穏と安定を回復した後にはミャンマーは平和で安定した秩序ある元通りの民主国家に戻るだろう」(GNLM紙3月27日第一面)

「国軍は純粋で、規律あり、確固たるデモクラシーのために努力奮闘する」(GNLM紙4月4日第一面)
「どのような民主国家でも不正選挙で勝利を勝ち取る陰謀は受け入れられない」(GNLM紙4月5日第一面)

たった3件の例だが、これらはすべて政府系日刊英字紙第一面に大きく印刷されたタイトルである。賢明な若者ならこのレベルのアホが国家を転覆させるなど絶対に許せないはずだ。だから彼らはこの世が終わるまで絶対に許せないと唄っている。

“もの言えば唇寒し秋の風”はご存知芭蕉の句だが、叛乱軍政府が発表したクーデター翌日からの政府系日刊紙GNLMの記事内容は今日まで、ひとつひとつ丹念に分析すれば、理屈の通らぬ屁理屈ばかりである。

ヤンゴンに駐在する各国の外交団であるならば、叛乱軍政府と向き合ったときにどうして強硬に諭し連中をバラック兵舎に戻れと言えないのだろうか?
「武力闘争を即座に止めて、スーチーと大統領を即座に釈放せよ!」ではあまりにも無能無策すぎる。



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・03:アナタは生き延びなさい

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最近は日本の報道が注目しない問題を拾っているが、事件の推移が早すぎて、原稿は六日の菖蒲(*あやめ)、十日の菊と、書き直しの連続だ。それに加えて発信直前に停電となったりWiFiの切断で、原稿はさらに古びたものになっていく。

文字による伝達は時代遅れとなる。ビデオやアニメでの瞬間ワザが要求される。それも素人一人ひとりが自撮りで主張できる時代となった。そうなってくると文章でのメルマガ、国防軍が発信する命令通達など、21世紀の若者には時代遅れの遺物かもしれない。

叛乱軍が深夜の放火事件を捏造するにも電話連絡やウォーキートーキーは必要だろう。だがそれ以上に若者たちのネット連絡は巧妙で素早い。国軍や警官が不器用な手つきでスマホをいじっている間に若者たちは裏をかいて別の場所へ移動して空っぽとなる。彼らの戦略は対面して騒動を起こさないことだ。それに徹している。

どちらがアホでどちらが知恵者か一目瞭然だろう。
それでも叛乱軍政府は電話回線を不通にしたり、ネット回線を遮断したり、と無策を続行している。深夜12時から翌朝午前9時までのネット遮断はおなじみとなった。深夜のWikipediaやグーグル検索はできないが、時間差攻撃に切り替えるだけだ。

それでは古臭い六日の菖蒲話から切り出したい。
問題の2月1日。その前日、ということは1月30日と31日の二日間、国軍側とスーチー側でかなり激しい応酬があったらしい。今となってはこれが国家を揺るがす天下分け目の大激論といえるが、スーチーの口が封じられても、時間が経てば真相らしきものが薄っすらと見えてくる。

それを裏づけする証拠は何一つない。だが国軍側、西欧系メディア、“その他”から関連情報はおもしろいように入手できる。それをどう組み合わせて問題の謎を解いていくかは目の光らせ方次第である。

想像できたことだが、スーチーは絶対に譲歩しなかった。2008年国軍お手製の憲法を揺るがす大問題は国軍側が拒絶した。民主化の基本に関する大問題はスーチーが蹴飛ばした。

その後は叛乱軍側がスーチーとウィンミエン現職大統領を武力で拘束し、ネイピードから他所へ移動したようなので、すべては藪の中である。日本語表現は国軍の秘密警察でもそう簡単には解読できない。三船敏郎と京マチ子の映画でも見て勉強する事だ。

閑話休題。
スーチーが消えた直後、異変を知ったNLD幹部が即座に指名した“スーチーの個人弁護士”が多くの報道陣の前で語った。「スーチーへの接見を申し入れたが拒絶された。個人弁護士が会えないなど民主国家とはいえない」と悔しげに唇を震わせて語っていた。

だがスーチーの最後の言葉は残されている。
「軍事独裁政権は絶対に受け入れられない!」この一言だけである。
このメッセージはCDMデモ隊のスローガンとして力強く継承されている。

関連するもうひとつのメッセージはDr.SaSaの証言である。
激しい議論の応酬から国軍がクーデターに突入するとスーチーとウィンミエン大統領は直感したのだろう。Dr.SaSaに丸秘の任務を託した。

「アナタは生き延びなさい。どんなことがあってもこの国を脱出するのです。そして国連に、そして国際司法裁判所に問題提議するのです。命を無駄に落としてはいけませんヨ。我が祖国の命運が掛かっているのですから」、その密使を帯びてドクター・ササは間一髪逃げ延びた。

YouTubeを開きキーワードを選べばDr.SaSaの生々しい訴えを見ることが出来る。もちろん彼は英語が達者だ。国防軍は地団駄を踏んでいるが、いまはどこからでも簡単に世界へ発信出来る時代になった。Dr.SaSaの居所はまったく不明である。地球上のどこかに居ることは間違いない。

Wikipedia(*もちろん英語版)で調べてみた。Dr.SaSaは謎の人物だがYouTubeで顔出しはしている。1980年代の生まれでチン州出身。推定年齢は50前の40歳代。チン州は北西部の州でバングラとインドに国境を接している。宗教はクリスチャン。

よくあることだが欧米系の教会牧師から英語をはじめとした基礎教育を受けて育ったと想像される。そして優秀だったのだろう。インドのShillong College、それからアルメニアのYerevan State Medical Universityで医学を学んだ。だから祖国のミャンマーではドクターと呼ばれる。

世の中にはアメリカべったりの国もあれば、中国べったりの国もある。だがミャンマーは基本的に全方位外交である。それが歴史的に生きる知恵だったのだろう。そしてミャンマーを支援する国々も千差万別である。

これらに加えてロシアもインドもある。アセアンの中でもインドネシアもシンガポールもある。それはミャンマーには測り知れない天然資源があるからだ。中国がいま必死に追い求めているのはレアメタルだけでなく、石油・天然ガスの鉱区も狙われている。

その真の価値を知らずに丸投げして私腹を肥やしてきたのがビルマの独裁者たちであった。小心者で小者のMAHがいまその真似事をしはじめた。非常に危険な状態である.
だがミャンマーの真価は天然資源ではなく、ミャンマーの若者たちである。

その若者たちは、今年はティンジャンを祝わず静かに4日間を過ごした。
今日も正装した若者たちが新年の手土産と共に訪ねてくれた。
梁山泊での話題が熱を帯びそうだ。

今年はハッピーなしのニューイヤーである。

ただいまのヤンゴン時間4月17日(土)午後12時15分。
これから発信トライします。



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