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<ミャンマーで今、何が?> Vol.437
2021.06.24
http://www.fis-net.co.jp/Myanmar

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━━【主な目次】━━━━━━━━━━━

■小バカが大馬鹿に!?!

 ・01: 英字紙解読にはコツがある

 ・02: クーデターの鍵を握るのはロシアで、中国ではない

 ・03: 明智光秀モスクワに登場

 ・公式ツイッター(@magmyanmar1)

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・01:英字紙解読にはコツがある

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目下クーデター臨時政府のトップ一行はモスクワ観光旅行の真っ最中である。
6月20日(日)朝MAI特別機でネイピードを飛び立った。

名目は第9回国際セキュリティのモスクワ会議に出席するためで、ロシア連邦国防大臣の招待となっている。と翌朝の政府系日刊英字紙が伝えている。

コノ英字紙の解読にはコツがあり、字面を追うだけでは真相はつかめない。

例えば発着双方の空港に駆け付けた顔ぶれだ。国防軍内部の序列が確認出来る重要なポイントである。これを誤記すると編集長の首が飛ぶ。
首を飛ばされまいと編集長は必死に目を凝らす。その結果読者はウンザリするほど、例えば“国家行政会議議長で国防軍の最高司令官である上級大将”であるところのMAH、と必ず記載してある。
今回の見送り人トップ代表者はソノ副議長のソーウィンである。延々と同肩書が英字紙の第一面で繰り返される。
これで編集長の首は安泰だ。だが読者の身にもなって欲しい。

皮肉を言えば、クーデター国家の首領は連日ダメ押しして肩書を連呼しないと国民に認知されないと言う悲劇でもある。

それに比較して日本語の素晴らしさは“プ大統領”、“ト大統領”の4文字で、国民全員がロシアのプーチン、米国のトランプ思い浮かべるリテラシーの高さを誇る。多分小学生でも高学年なら常識かも知れない。

この日本事情も含めてミャンマー製英字紙の読解方を学生に説明すると、感心してくれる。その点でGNLMは反面教師でもあり、稚拙な英文テキストとして最適である。以前は一部100チャット、クーデター後200チャットのボッタクリ商売でもある。



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・02:クーデターの鍵を握るのはロシアで、中国ではない

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帰国日を明記しないことも単主絵時代から引き継いだ重要な秘密主義である。
ミャンマーのトップが外遊できるという事は、留守中に国家転覆劇は有り得ないという海外への強力なメッセージである。

ここまでミツヒデを助長させ?慢心させたのは関係者の完全なる作戦ミスである。逆に内戦状態に持ち込んだ光秀のダーティトリックが後を奏していると言うことである。

もう一つ英字紙で重要な事がある。同行者の顔触れを虫眼鏡でチェックする作業である。

秘密主義の日刊紙では本当の目的は明記されていない。ありきたりの親善友好の陰に、重要な目的が隠されている。ありきたりの観光旅行の一部で露呈することもある。それを読み解く楽しさがこの日刊英字紙にはある。一日200チャットは安い買い得だ。

翌22日の第一面はシュエダゴンパゴダ最頂部のダイヤモンド球体に聖水を注ぐ儀式を行う誇らしげなMAHの大写しの写真だ。違った!ここはモスクワである。キャプションによればシュエダゴンパゴダのレプリカとなっている。

モスクワの中心から14km東にこの聖地は2015年7月1日に開所したという。スーチーが政権を握る一年前の話で、テインセインの時代である。

上座部仏教のサンガ集団がここに常駐している新事実も今回学ぶことができた。そこのホールには絨毯が敷きつめられ、MAH1行全員が跪き、椅子に座った僧侶たちに、金品を寄進するミャンマー式儀式の写真で、一行の人数など、情報を入手することができる。

これらはすべて政府が公表した情報なので国家機密を漏らしたなど、トバッチリを受ける心配はない。

このあたりから、ノンポリが推理する、クーデターと単主絵の因果関係がおぼろげだが見えてくる。英字紙を虫眼鏡で眺めるとどうしてもそう読める。



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・03:明智光秀モスクワに登場

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2月1日のクーデター以降、政府系新聞以外はすべて発刊中止に追い込まれた。
それならそれで日刊英字紙で勝負するしかない。だが歴史的にお粗末な編集なので、結構ボロが露呈する。それなりに有り難い。

これからご一行様のモスクワ観光旅行が開始される。そしてそこでどういう肩書の人物と、あるいは組織の人たちと出逢うのか、興味津々である。

多分一行の宿泊先なのだろうMetropolホテルでRosoboron輸出会社総裁一行を朝9時に迎え軍事技術に関する協力と政変に関する話し合いをしている。

いの一番にボロが出てきた。
ロシア唯一最大の兵器・国防関連ハイテク技術・コンサル関係の巨大コングロマリットがこの輸出会社である。

前に指摘した通り、単主絵はビルマ国軍生え抜きの情報士官としてソ連のKGBに官費留学している。それも2度にわたってだ。しかも2度目は心理戦と言う高等戦術をマスターするためだ。

ブルドッグのような顔付きから、彼を単に野卑な独裁者とみなしているのが、これまでのミャンマーを取り巻く国際社会であった。国連をはじめとしてヤンゴンに駐在する海外の大使館は数多い。そして武官と呼ばれるインテリジェンス機関を設置している。だが単主絵に注目した情報は漏れ聞こえてこない。

小バカが大馬鹿に化けようとしているが、元々は単主絵が自分の軍人生活を掛けて地道に敷設してきたレールである。それをタダ乗り出来ると思ったら大間違いだ。プーチンは単主絵に何十倍も輪を掛けたKGBのスパイマスターである。今回はモスクワでの対面はないが、手玉に取られること間違いない。プーチンが格下の小モノを相手にすることはあるまい。大国ロシアとしては国防大臣で十分である。そこが習近平との大きな違いである。

彼が国政部門をテイン・セインに、そして国防関連の重要な3部門を束ねる三軍の最高司令官をミンアウンラインと2名に分割して引き継いだのはご承知の通りだ。

彼が後継者に選択した重要なポイントは、自分が耄碌したときに寝首を掻かれないことが絶対条件であった。だから野戦のバトルフィールドではほとんど戦功のない、しかも身体的にも威厳の無い、メガネを掛けた、士官仲間からもバカにされる様な忠臣をピックアップした。それがこの二人である。

2011年から2015年まで国政を担当したテインセインは元老の言いつけを忠実に護り、職務を全うした。問題はもう一人の後継者である。多分元老の異変に乗じて明智光秀を演じているのではなかろうか?

007のジェームス・ボンドなら、アガサ・クリスティなら、もっとクラッシクなところで言えば、エドガー・アラン・ポーであれば、どんな推理を巡らすことだろう。気になるところだ。
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ヤンゴン時間6月24日午後1時55分。発信トライします。

東西南北研究所


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