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<ミャンマーで今、何が?> Vol.465
2021.09.11
http://www.fis-net.co.jp/Myanmar

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━━【主な目次】━━━━━━━━━━━

■M国など構っていられるか!!

 ・01: 日本語部落は世界から取り残される

 ・02: D-dayとは

 ・03: ASEAN=東南アジア諸国連合

 ・04: 世界中の笑いもの

 ・公式ツイッター(@magmyanmar1)

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・01: 日本語部落は世界から取り残される

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突然だった。9月6日夜半一つのビデオがFBで流れた。真赤な背景に民族衣装の見慣れぬ人物がビルマ語で語気荒く語っている。若者たちはD-dayとは何?と腑に落ちない。不安が広がった。

翌9月7日から、イラワジやBBCも同じビデオを拡散し始めた。今度は英語の字幕が流れた。それで様子が薄々読めてきた。

日本語で発刊されているオンライン情報を友人が送ってくれた。
全面戦争のD-dayとの派手な見出しで、肝心の内容は購読しないと読めない仕組みになっていた。
ビルマ語や英語では、?同内容を無料で読める時代に、島国の日本語部落でセコイ商売をやっている。

だから自分の未熟を省みず英語学習を次世代の若者たちに奨励している次第である。
日本語だけの世界に閉じ籠もると、世界から取り残される。
母国語プラス英語は世界の常識だ。

総理大臣の椅子を狙う候補者が自国最優先を訴え、高度な科学技術を誇示するのは良い。だが英語の論文が読め、英語の論文発表が出来なければ、日本は世界から残される。

英語と言ってもカタカナ英語でも、青い目の金髪に丸投げすることでも無い。
正しい母国語を基盤とした上で、初めて道具としての英語が生きてくる。帰国子女のペラペラ英語は、英語では無い。

今は動画とスマホで最新の情報の発受信が叶う時代である。
堀本見と水野太貴の『ゆる言語学』はかなりの番組がYouTubeにアップされている。徹底的に鑑賞していくと、語学が楽しめる様になるから不思議だ。

及川幸久が国際政治評論家として日本でNo.1のYouTuberとなった。米国のウォール街と英国の金融界での英語の実績がウリのようだ。
だがバックの大川隆法に心酔しているところが胡散臭さい。
2019年6月29日発信『大川隆法vs田原総一朗初対談』も参考になった。

『幸福の科学教祖の息子・大川宏洋(ヒロシ)』の髢@に対する毒毒しい反抗ぶりが徹底している。
宏洋もYouTuberとして活躍している。そのふざけ振りは吉本興業を遥かに越える。だがその中に真実が見えてくる。日本がそういう時代に突入したようだ。だからその大半を鑑賞して、時代を嗅ぎ取る参考にしている。

その原点である及川幸久が人気No.1になるところに島国日本語部落が世界情勢から取り残されて行く秘密が隠されている気がする。非常に胡散臭い上に、人気YouTuberになった驕りも鼻につく。己をWisdomと勘違いしている。
だがヘイト発言はしたくない。むしろこれまで以上に注意して観察する事にしている。



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・02: D-dayとは

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な〜に?と学生に聞かれ、辞書でカンニング勉強した。

第二次大戦で連合軍による北フランス奪回作戦開始の軍事用語として使用された。
現在は作戦計画実施日を“D”の記号で秘匿する。敵にも味方にも分からない。その翌日、2日目、3日目...もD+1,D+2,D+3...の記号で納得する。これこそスパイ大作戦である。

ビデオの登場人物はDuwa Lashi Laと名乗った。名前からビルマ人で無いことが分かる。属するのはカチン民族である。
クーデター直前危機一髪で姿を消したDr.サイサイも同じカチンの少数民族だった。ミャンマー人は名前で識別できる。ひと括りにしてはいけない。

生徒たちと徹底的な調査を始めた。

ドゥワラシラはシャン州北部のMung-Jiで生まれ、シャン州のLashio高校を卒業した。Mung-Jiで高校教師の職が見つかった。
その後MaymyoのSt.Michael Schoolの第10学年に再入学した。1970年ヤンゴン大学で法科学生となり、1974年BA、1975年LLB資格を修得した。
MyitkyinaとLashioで2年間検察官となった。1978-1994年弁護士事務所所属となっている。この16年間は空想で埋めねばならない。だが激動の88年が若き弁護士時代だった事は特筆される。
そして今、ドゥワラシラの肩書は弁護士で政治家となっている。



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・03: ASEAN=東南アジア諸国連合

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今年2月1日に発生したクーデター後の動きを整理しておきたい。

叛乱軍は暫定政府として慌ただしくState Administrative Council(*SAC=国家行政評議会)を設立した。クーデターで国会機能は中断されたままとなった。

昨年11月の国民総選挙で選出されたNLD国会議員は軍事クーデターで突然政権を剥奪され、身に危険が迫る中、ミャンマー全土に身分を隠し逃亡・潜伏した。ある議員は密林を潜り抜け、国境地帯を目指した。

今はスマホ時代である。SNSをフルに活用出来る。電源さえ確保すれば離れ離れの遠方の仲間とも連絡がつく。

逃走しながら、不当なSAC政権に対抗するCommittee Representing Pyidaunsu Hluttaw(*CRPH=国会代表委員会)を立ち上げた。
PHはビルマ語で国会の上下両院のことである。
逃亡議員には自分たちこそ、正当な選挙で国民の支持を受けた国会議員との自負がある。

そしてこのCRPHが2021年4月13日にShadow Cabinet=影の内閣とも言われるNational Unity Government of Myanmar(*NUG=全国連合政府)をネット上で作り上げた。

この立ち上げにはNLD党と軍事独裁政権に屈しない一部少数民族の武装グループが手を組んだ。
特にカチン州独立軍=KIAは中国と国境を接し、中国人民解放軍からの地対空ミサイルなどハイテクの支援を受けていると一部情報が流れている。
この辺りの極秘情報ではヤワな国家の武官・外務大臣クラスでは歯が立たない。
ミャンマーはスーチーの言う複雑国家なのである。

KIAと聞いて韓国人は自国の国民車と勘違いする。だがカチン州の人たちは遥かに繊細で、外部の勢力とのトリッキーな交渉に長けている。
日本が明治維新以来失ってきた外交スキルである。

NUGが結成された4月13日に注目したい。それからたった10日後の4月24日に突如インドネシアのジャカルタでASEANサミットが開催された。

NLDの系譜を引くNUGは招待されず、血生臭いMAHが乗り込んできた。誰がミャンマーを実行支配しているかがボタンの掛け違いの始まりだった。

この4月13~24日の10日間は非常に重要である。水面下での死闘が繰り広げられていた。武力による直接の対決ではない。マスコミは当時MAHによる大量虐殺しか見えなかった。

水面下ではASEAN加盟国との政治的死闘が展開されていた。

前回迄はチビもデブもノッポも窮屈な姿勢で胸の前で両手をクロスし両隣と握手するユーモラスなASEAN式記念写真が報道された。そのミャンマー国代表は笑顔のスーチーだった。

それが突然MAHがジャカルタにやって来た。
集まった首脳は全員が凍りついた。笑顔はどこにも無い。スチール写真と誰もが錯覚した。
首脳会議場の一角を占めたMAHが気持ち悪く、無理して笑いかけた。そこで誰もがこれはビデオ報道と気付いた。静止画面ではなかった。

MAHは明らかに歓迎されぬ客だった。だが理由なき大量虐殺、それが引き起こした地域内の政治不安に隣国のグループ諸国は待った無しの首脳会議を招集した。

その前にASEANの組織を説明しておきたい。
1967年8月8日、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポールおよびタイの5カ国で結成された地域協力機構。
その後ブルネイ、ラオス、ミャンマーおよびベトナムが加わり、現在の加盟国は合計10カ国。

本部はジャカルタに置かれ、そのインドネシアが恒久的な事務局長を務める決まりとなっている。
ホスト国は毎年ABC...順の持ち回りで、今年2021年はブルネイが主催国となっている。

ASEANの国軍分科会、ネイピードの外交関係、中国の強い影響下にあるカンボジア・ラオス、同じ軍事クーデター国家である隣国タイとの特殊な関係など、ありとあらゆるルートを通じてのMAHのゴリ押しが成功した。
一方、正統派と信ずるNUGには水面下の死闘・努力にも拘わらず、ジャカルタ首脳会談への招待状は届かなかった。

専任弁護士を通じてもスーチーと連絡が取れないCRPHは極度の焦りを募らせた。
一方MAHは、自身をミャンマー国の首相になぞらえ、軍事裁判のみでテロ組織のラベルを貼りNLDを抹殺・壊滅させ、NLD抜きの国民選挙を2年後に実施すると言う。
これらは暴挙なのだが、これらがすべて既成事実として、近隣の仲間であるアセアン諸国、国連、諸外国、ひいては自国民にまで諦めと共に承認されていく。

手遅れになる前にと、協力してくれる勢力を結集して作り上げたのが、4月13日のNUGである。

ガンジーを崇拝するスーチーなら決して許さなかったであろう、軍事独裁政権に対する武力による“全面戦争”である。スーチーと連絡を絶たれたまま生き延びたNLDの残党は大きく舵を切った。

この当時情況は目まぐるしくクルクル変わる。
だが要約すると、軍事独裁政権との和平交渉に応じず武力闘争を継続するカチン州のKIAとカレン族反政府武装グループを高く評価し、共闘する事にした。

スマホ世代は無抵抗と話合いでは、この国の宿痾は解決出来ないと悟った。両親・祖父母時代の泣き寝入りにはもう我慢できない。

ヤンゴンの国連機関にもすがった。日本大使館にも乞い求めた。外国の外交団にも必死に訴えた。
同情の言葉は返してくれるが、それらは外交官らしい見せかけのポーズでしかなかった。

数多くの外国政府がNUGと会談をもった。だが一国としてNUGをミャンマーを代表する合法的政府とは認定しなかった。全面的に国民の支持を得ていないというのがその理由である。

致命的な決定がASEANであった。ジャカルタでの首脳会談へ、NUGは招かれなかった。



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・04: 世界の笑いもの

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ジャカルタでの凍りついたASEAN首脳会議を振り返ってみたい。

寒寒とした雰囲気の中で、事務局は5項目の合意事項をMAHとの間で何とか締結した。
1)暴力の即時中止
2)多くの政党間で建設的対話を実現させる
3)ASEAN特別調査団の人選指名
4)ミャンマーへの人道的支援
5)特別調査団の受入れと、問題の政党との会見
以上

NUGの副外務大臣であるMoe Zaw OoはASEANに何度も問い質した。「MAHが5項目の約束を守らなかったら、どうするつもりだ?」

彼の危惧は現実のものとなった。
MAHはジャカルタから戻ると直後に、5項目を実施するには国内の安全と安定が達成されねばならない。その為にもう暫く時間が必要とネイピードで発表した。
怒れるデモ隊によってASEANの旗が焼かれた。

ASEANの今年2021年の議長国はブルネイである。
ASEAN事務総長であるLim Jock Hoiと外務副大臣のErywan Pehin Yusofの二人が特別調査団代表に選ばれた。二人共ブルネイ国民である。

5項目の合意事項が締結されたのは今年2021年4月24日である。あれから4.5ヶ月経った。
この二人のミャンマー入国は今日9月11日現在実現していない。スーチーとの会見の予定が立たないからである。

MAHからの返事は、スーチーは国家反逆罪を犯したテロ組織の指導者であること、そしてスーチーとの会見は5項目の合意事項に含まれていないこと、という強弁で押し通そうとしている。

これだけ時間を浪費した上で、スーチーにも会わず調査を終了したら、ASEANは世界中の笑いものである。

だが笑っていられないのがNUGの仲間たちである。
世界の冷たさを時間の経過と共に身に沁みて感じる。
死ぬか生きるか!
血塗られた暴力には、同じ暴力で対抗しよう・・と追い込まれていった。

次回はNUGついて、もう少し詳しくお伝えするつもりです。話が長くなりスミマセン。

ヤンゴン時間9月11日(土)午前5時45分。外は激しくはないが、しとしと雨が何時間も降り続いている。

CRPHあるいはNUGと水面下で死闘を繰り広げる中、MAHも死物狂いでネットやWiFiを遮断していたことが見えてきた。

東西南北研究所




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