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<ミャンマーで今、何が?> Vol.466
2021.09.20
http://www.fis-net.co.jp/Myanmar

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━━【主な目次】━━━━━━━━━━━

■力尽くで現状維持に!

 ・01: 大手が報じぬヤンゴン情況

 ・02: 小人閑居して不善をなす

 ・02: 影の内閣

 ・公式ツイッター(@magmyanmar1)

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・01: 大手が報じぬヤンゴン情況

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原稿を書き終える頃、外は明るくなる。義務とされるマスク着用で近くの朝市へ出掛ける。土砂降りでも小雨でも最低3日に一度の割合だ。

季節の果物、種々雑多な香菜に野菜、ウズラ・鶏・アヒルの卵、鶏・豚などの肉類、エビ・魚類も新鮮な採れたてが毎日入荷する。
だが南洋風土は高温多湿が特徴だ。日持ちは冷蔵庫でも3日。新鮮食材はその日に使い切り、毎日の買出しが当たり前だった。
だがミャンマーも冷凍輸送に冷凍食品でロジスティク革命の最中だ。

D-day宣言以来、スーパーも大型モールも人出が急増している。近隣の中国・タイ・マレーシア・シンガポールから輸入した食品添加物たっぷりの保存食を段ボール箱一杯に買い占めていく。これが”豊かさ”の証明で地元で流行っている。海外のモノマネは大好きだ。

買い出しはミャンマーでは亭主の仕事。明らかにムスレムの影響だ。ここでもスマホが大活躍する。
調味料のコーナーで迷い自宅の奥方を呼び出す。ビデオで選んで貰う。上段の棚、右から3番目、台湾製と細かい指示が下される。
顔見知りの中国系友人は山盛りの大型カートを押し、今日は3回目、あと2回で奥さんハッピーと笑ってみせた。念の為に、ここヤンゴンでは中国系ムスレムも一つの勢力である。豚を食さず、薄いヒゲでお里が知れる。

リッチ層は特大冷蔵庫を台所に、リビングに中型、そして寝室には小型冷蔵庫を備えている。四輪駆動で郊外型大規模量販店へ買出しが今の流行りだ。アメリカ式生活を形だけマネル。だがシステムを学び自分のモノとしない所がこの国のDNAと言える特徴である。
リッチ層に限って、バカ息子とバカ娘がバカな両親そっくりに育つ。
MAHの家庭はその典型だ。
マナーと苦労を知らぬ次世代がヤンゴンで量産されていく。

冷凍庫もフルに活用すれば一月分収納できる。D-dayもリッチ層にとってはクリスマスの買い出しと変わらない。ミャンマーの輸入ワインは地酒に比べ高目の値段設定である。白、赤、ロゼもダース単位のダンボールを積み重ね購入していく。

打撃を受けるのは対局的な貧困層である。郊外の掘立小屋に住むそういう人たちが、朝市で早朝から働いている。

戒厳令が解除される朝4時と同時にYBSバスまたはヤンゴン環状線で採れたての食材を買い出しに行く。そして市内の朝市に運び込む。
ヤンゴン郊外の貧困部落でも、彼らの必需品を賄う貧しい小さな市場はある。
先日は陽が落ちてから、ここが急襲された。鉄砲の乾いた音が長いこと続き、住民は不安で眠れなかった。

最近は国軍だけではない。夜間は兵士や警官を狙う反政府勢力が蠕動する格好の時間帯である。特に闇夜は血生臭い犯罪を隠蔽してくれる。
蚊除けのロンジーを頭から被り、住民は息を潜めて朝を待つ。

朝2時に起き朝飯の準備、三段重ねのステンレス製弁当箱で昼飯も用意する。子供が叩き起され、寝ぼけまなこで、かまどの火を起こし米を炊く。貧困層では子供も重要な働き手である。幼い子供がさらに年下の幼兒の面倒も見る。

子供にも重い荷物を持たせ家族全員が別々にヤンゴン下街に向かう。暗い中で朝市の露店を設営する。
こうやって日銭を稼ぎ、家族全員が食事にありつく。

大雨や突風、兵士や警官が乱入すると、朝市の人出は激減する。日銭が稼げない。空腹の長い一日がやって来る。

父母の会話がトゲトゲしくなり、ビンタのとばっちりが年長の子供に飛んでくる。その痛みで空腹の苦痛を忘れるから不思議だ。こうして子供はビンタに慣れっこになる。

スーチーの言う複雑国家は現場を知らねば見えてこない。経済大国の外務大臣には見えない謎である。

ある衝撃的な写真がFBにアップされた。流れ去った情報の一部なので、うろ覚えの光景だ。
カチン州を政府軍はゲリラの巣窟と見做し、住民は密林に逃れた。山岳地帯の密林は『闇の奥』である。Jコンラッドが描いた世界はDVD『地獄の黙示録』から覗き見る事ができる。切り拓いた原野に粗末な木造家屋の集落を建て、一見平穏な日常生活が営まれる。天井の桟から下ろした手編みロープに女性が必死にしがみついている。腰は浮き板敷きに着地しているのは両足の踵だけ。汗をたっぷりかき、見方次第ではジムの筋トレに見える。

女性の身体はL字形に折れお尻は床から浮いている。歯を食いしばり撚った一本のロープに両腕で必死にしがみついている。両脚は開きこちら側に投げ出している。下半身を覆った布でよく分からない。年長の婦人が何人か手伝っている。

布の真下にピンク色の縫いぐるみが可笑しな形で置いてある。
その正体が解った時に大衝撃を受けた。生々しい出産シーンの瞬間であった。

地面が隙間から覗く雑な板張りで、俯瞰すると田舎のありふれた日常風景に見える。
頭から産み落とされた瞬間、羊水が破れ、濡れた板敷が生なましい。

これは女生徒からFBを次次に見せて貰った内の一枚である。時間が経ち、その写真の回復は出来なかった。

ヒトが動物である事すら忘れてしまう時代に我々は生きている。新生命の誕生こそ出産シーンで動物の原点である。タブーを創造する事で文明が生まれた。そのタブーをスマホが打ち破ってくれる。

iPhone 13 の時代、タブーは宇宙の膨張スピードを越える速さで破られて行く。
ユダヤ人がタブーを創作し、キリスト教徒がそれを拡めた。それを破る試みをしたのは西洋人だった。宗教改革が起こり、ルネッサンスが勃興した。
東洋は泰平の夢に眠っていた。
産業革命から大航海時代、パソコン、スマホ、スペースXで宇宙の旅、と欧米がタブーを破り世界をリードしてきた。
21世紀の奴隷貿易も植民地競争も、巧妙に欧米主導で進められている。

先進国で生まれたスマホが、韓国・中国でコピーされ、最貧国のミャンマーにまでスマホ革命が行き渡った。

国連で飛び交う“ヒューマン・ライト”、日本のマスコミが乱用する“人権”、そしてミャンマーの“デモクラシー”などは、それぞれ別の観念を頭に描いている。

YouTube『ゆる言語学ラジオ』の膨大な番組を片っ端から閲覧すると、世界中の人間は誤解したまま、別々に納得している事に気付く。それをスマホに教えて貰った。Stay At Homeを機会に閲覧をお勧めしたい。

食い物屋での“不潔”の観念も、保健当局が語る“清潔”の観念も、国連・日本・ミャンマーでは全く異なる。

この大違いを認識しないまま、国際会議がZoomなどで進行し、無理やり合意に導く。先進国の国民はボタンの掛け違いに気付いていない。

便利なWiFiで祖国のニュースを毎日ぼんやり眺めている。無邪気な母親と子供が流行りの洋風ケーキを頬張っている。変わり映えしないレポーターの質問に、子供もオウム返しに“おいし〜い”としか言えない。

子供の日本語だけが貧相なのではない。母親も貧相だ。それ以上に質問するマスコミが大問題である。
各社共に入社一年生が首相番の記者になるそうだ。日本のマスコミの不毛の質疑は、ここに原因があった。
同様に国会中継での質疑答弁が信じられないほど貧弱である。
この国ではコロナ以前に母国語が蝕まれ、極度に汚染されている。
難問満載という事情があるにせよ、日本語を粗末に扱うことは許されない。滑舌が悪いなどと言うレベルではない。

政治家もアナウンサーも未消化のカタカナ英語を濫用し過ぎだ。日本語でなく英語表記をそのまま掲げる政治家もいる。そのクセ、英語から論理的ディベート、質疑応答は学ばない。

英国・米国の法律文に比較して、日本の法律文は独特の官僚言葉で解りにくい。
ヤンゴンから眺めるとエイリアンの世界に見えてくる。

その裏返しで、ミャンマーのD-dayも、アフガンのタリバン事件も、日本の基準で観察すると、異星人の出来事に見えているのではと思ってしまう。

自転車との接触事故を起こしたら、慌てて被害者を抱き起こし、“ゴメンナサイ”と詫び、怪我の情況を判断し、病院に運び込むか、救急車・警察を呼ぶか必死に対処する、そういう時代が日本にはあった。

いつの頃からか、保険会社の担当者が到着する迄、何も話さず何もするなと厳重に注意された。
大事故でも相手に謝るのが一番いけないと釘をさされた。
あとは損保の専門家がすべて処理するという。
アメリカ直輸入の、事故処理は罪悪感を持たずにビジネスライクに片付く便利なシステムである。

あの頃からだろうか?落語で描かれる“人情”が、日本の風景からすっかり消えてしまった。

一昔前の北欧車は壁に激突しても車内の乗員は安全と謳っていた。そういう実験を何度も繰り返すCMが流れていた。

最近の車はチョットした接触事故でも扉がすっ飛び、横転事故が頻繁する。衝突すると簡単に発火し、車内で焼死する事故が多発している。
そのほとんどが日本の誇る日本車である。
人命軽視の車両製造が認可され、監督官庁も責任を取らない。道路交通法の監督元、免許の発行当局にも責任は及ばない。
ドライバーだけが罪を問われる。何かおかしな時代だ。

セコイ日本人の誕生はいつの頃からであろう。自分自身を含めてセコイ日本人に走る傾向に、このヤンゴンで今考えこんでいる。

歴史を逆算して振り返りたい。

ユダヤ商法が持て囃され、マクドナルドが銀座に現れた頃?
それともサンフランシスコ講和条約が締結された年?
いやいやレイバンとコーンパイプでマッカーサーが厚木に降り立ったあの時?
この世で日本人だけが敗戦日と勝手に決めてかかる8月15日?

セコイ日本人のルーツはひょっとして明治維新にまで遡るのでは?と疑問は深まる。

セコイ日本人と言われてムッとしない日本人はいない。
セコイ日本人も、セコクない日本人も、考えてみれば同じ日本人の血が流ており、バリバリの左翼だろうが強面の右翼だろうが、片親が外国人であっても日本人のDNAは共有している筈だ。

ある調味料会社が蓋の穴を大きくした。一度にドバっと中身が出、会社の売上が大きく伸びた。経営学の大家がそのアイデアをもてはやした。この頃からセコイ経営学が日本に根付いたような気がする。

内戦状態となったミャンマーでも、国軍も叛乱軍兵士に楯突く市民でも同じミャンマー人の血とDNAが流れている。
実際にはインド系、中国系、上ビルマ、下ビルマと血統書は様々に複雑系である。
時代を経ると純血種は減り、ハイブリッド種が増加する。遺伝子学も学ばず、余計な減らず口を叩いてしまった。

言いたい事は、遺伝子学ではない。自分を含めて、損得しか考えない先進国、国民の顔色しか見ない政治家、自分ファーストな人間が、どうしてこの地球上で蔓延ったのかが大問題である。



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・02: 小人閑居して不善を為す

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当局への目眩ましとして、枕にはどうでも良い事を書く癖がついた。お許し願いたい。

ここからが本題だ。
この国の軍の頂点に立つ独裁者は、ネウィンにしても単主絵にしても堂々たる体躯で威厳があった。
将軍にしてもシュエマンのように威圧感があった。

その要件に外れたのがテインセイン元大統領と現役最高司令官のMAHという、ミャンマー国軍では非常に稀有な二人だ。

単主絵は元首および国軍最高の地位から引退するとき、ただの人になるとき、細心の注意を払い国軍No.2のマウンエイも同時に辞任させた。
寝首を掻かれるのを恐れたからである。

そして独り占めにしてきた権力を2分割して、国家元首をテインセインに、国軍最高司令官をMAHにと、二人の後継者に引き継いだ。

将来、引退後の単主絵ファミリーに危害を加えないよう細心の注意を払った積もりだった。

国家元首の後継者は、手持ちの将軍の中で、野心の片鱗もなく、軍人のくせに分厚い眼鏡を掛け、風采も上がらず、実戦での戦闘経験に乏しい男。単主絵に対する忠誠度No.1でイエスマンのテインセインをピックアップした。

同様に国軍最高司令官には、威風堂々たる幹部が居並ぶ中、チビで目立つところもなく、仲間からも見下されるMAHを指で摘み上げた。

単主絵の後継者選びは、テインセインまでは上手く行ったように見えた。だがMAHが大失敗で大きく裏切られた。それが今日現在のミャンマーの実態である。

チビをビルマ語で“チャブー”と言う。彼は実際ミャンマーの女性たちから公然とこのニックネームで呼ばれる。本当に背が低く威厳がないからである。私位いの背丈だろうか?

男社会のミャンマーで女性から、特に歳下の若い女性から、バカにされるのは、普通の神経では耐えきれない。穴があったら入りたいほど恥ずかしい事である。だからこそこの国では、男の沽券に関わる大問題なのである。

MAHがエキセントリックなほどFBを取締り、ロシアの高官への説明やASEANのジャカルタ会議で、スーチーを無理矢理国家転覆の謀叛人に仕立て上げた自説には、精神がひねくれ神経がイカレた狂人の症状が現れているとメルマガは冷静に分析している。

大衆の面前で大(*実は小)の男が大恥をかかされたという精神的苦痛が作用しているのではないだろうか?フロイト学説を参考にすれば...

その種はスーチーが蒔いたと言うのがノンポリの見立てだ。
NLDが政権をとりスーチーが大統領の上に君臨したのは2016年4月であった。その年4か月後の殉難者記念日(7月19日)のことである。

スーチーは父親アウンサン将軍慰霊のため、ヤンゴンの自宅に高僧たちと政府高官を招待した。MAHもやって来た。この記念日に国軍関係者がスーチーの自宅を訪れるのは初めてと評判になった。

高僧がスーチーとMAHを前に「二人共アウンサン将軍がこの世に送り出したブラザー&シスターだ。これからは二人仲良く・・」と語ったところで、スーチーが口を挟んだ。
MAHに向かい「年長者を敬うのがミャンマーです。アナタは私より10歳も歳下の弟です。私の言うことは良く聞くのですヨ!」と皆の前でピシャリと言い放った。

弁舌のたつスーチーの前ではMAHは一言も無い。この時も小男は高僧他高官の前で口応えできず、女にバカにされたと深い怨みを抱くようになった。

チビの小人(しょうじん)はニックネーム通り、些細な事件を根に持つ度量の狭い無教養な男である。

単主絵の読み違いの話から大きく逸脱してしまった。これはもっと詳しく別の機会に話したい。



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・03: 影の内閣

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とは二大政党制の発達した英国の政治史が語源である。
1907年保守党党首チェンバレンが初めてShadow cabinetという言葉を用いた。
今回の極東の総裁選を傍観すると、余計なお世話だが、一党独裁の島国根性から今尚抜けきれず、二大政党の育成にも失敗し、英国と日本では100年以上の開きがあるように見えてくる。

本題に戻ろう。
ミャンマーでは今年2月1日早朝に軍事独裁政権がクーデターを起こした。

当時ミャンマーの国連大使であったKyaw Moe Tunは2月26日の国連総会で、軍事政権は即座に暴力を停止するよう世界中に強く訴えた。

その後4月13~24日を挟んで、軍事政権とNLD残党側(*当時のCRPH)との水面下での激しい情報合戦が繰り広げられた事は前回お伝えした。

その微妙な時期の4月半ばにNUGは設立された。ASEANの対応が不誠実で、このままでは海外の支援が得られない。このままstatus quoが続けば、国軍独裁政権が海外から認知されてしまう。不安と焦りがCRPH内部を駆けめぐった。一刻も早く世界中に訴えねばならない。

クーデターとはいえ、首都ネイピード、主要都市ヤンゴン・マンダレーなどの実質支配は叛乱軍政府に抑えられ、海外報道も、外国政府も、NUGを無視し、叛乱軍政府の行動だけを報道していた。

海外の注目を引くため“影の内閣”を急ぎ、急ごしらえで組閣した。NLD残党側とすれば、外濠は埋められ、海外の支援もうまく行かず、必死の対抗策であったに違いない。

諸外国政府が態度を鮮明にせず、慎重に進展を見極める中、ヤンゴン郊外のラインタヤにある中国系企業が連続して放火され労使関係の暴動が続いた。
国軍とは特別に親しい中国政府が、中国系企業の資産を保護するよう強く訴え、その行為を激しい口調で批難した。

不安定な中、日本政府が突然旗幟を鮮明にした。外交プロトコールに従い、叛乱軍政府の外務大臣を、その通りの肩書で呼んだ。叛乱軍政府を正式に認めた事になる。海外のマスコミが即座に反応した。驚きの表現と共に、日本政府を非難の論調で報道した。

慌てて日本政府が反応した。日本は国防軍側ともスーチーさんとも特別のパイプを持っていると。

当然次のアクションが取られると世界は固唾を飲んで観察していた。時間だけ経過し、国軍は理由なき殺戮を加速させ、国内を血の海としていった。

だが日本政府のその後は何一つ報じられなかった。
国際社会の中で日本が東洋の神秘な国として見られたのは昔のこと。

今では海外の良質な報道陣は日本国内での出来事を日本のマスコミよりも正確に分析し報道してくれる。
日本担当の海外特派員はジャーナリストとして遥かに読み応えのある仕事をしている。スマホで読み比べ出来る。

日本に巣くった恥部、相撲スキャンダル、違法ギャンブル、派閥抗争、領袖の内部発言、若手議員の焦りまで、国境を飛び越えて、スマホ時代に隠蔽できる事はほとんど無い。
しかもデーター量は過去の国内外ニュースから今の一瞬まで保存されている。その膨大な資料を活用して、欧米系の着眼点は、このあとの総選挙と共に、日本が島国を真に脱却して、21世紀の国際社会でリーダーとしてやって行ける資質があるかの一点に注がれている。

だが四人の候補者も、野党代表も国内向けの人気取りに終始した発言しだけだ。そして国際問題にはほとんど無関心だ。中国のウイグルやカブールへの自衛隊機派遣だけが今の国際問題ではない。

日本記者クラブ、外国特派員記者クラブそれぞれに時の話題の人を招いて、たっぷりと中味の濃い話を聞かせてくれる。今はYouTubeで過去のゲストから現在までほとんど閲覧可能だ。徹底的に鑑賞すると日本と外国人の記者魂が見えてくるから面白い。極論すると、日本は装いはアメリカナイズされたが、やることなす事、明治維新から進歩していないような気がする。だから今でも“維新”の名前を付けたがると、皮肉の一つも言いたくなる。
日本から離れて祖国を眺めると、その気持ちが一層強くなる。

海外での英文による日本報道は影響力大だが、日本語マスコミの日本報道は、海外ではほとんど顧みられない。
祖国は今の国際社会において痛々しいほど地盤沈下してしまった。
これまでの無策を知ると政治家には期待できない。ましてや二代目・三代目となると絶望的だ。

このメルマガの悪い癖で話は横道に迷い込んでしまった。

本来の影の内閣は次の章で改めて出直したい。

その前に日本人のスケールのデカさを紹介したい。もちろんYouTubeだ。

『もしもIKZOがアメリカの有名オーディション番組に出演したら...』2019年10月6日時点で再生回数3,583,716と三百万突破である。

鑑賞する順番は必ず守って頂きたい。
この後でPart2がある。

『もしもIKZOが海外オーディション番組に出演したら...PART2』2019年11月3日。再生回数460万回を突破した。

他の日本人有名歌手が米国の同番組に出た。すべて二番煎じで二匹目のドジョウ狙いである。コロンブスの卵ほどの差がある。

青森弁しか喋らない吉幾三は、そのリズムでアメリカ人観衆を興奮させた。ラップのノリである。下手な英語は無用だ。これがPart1である。

そして2回戦に臨んだ。吉幾三の戦略は日本人の外務大臣を遥かに上回る。考えに考えた上での壮大な演出だ。それがPart2である。

青森弁の幾三が、青森弁の歌詞で挑んだ。聴衆と審査員はアメリカ人である。彼らはラップがウケた日本の一発屋と見くびっていた。

流石にアメリカのステージ技術は世界最高水準である。青森弁の歌詞が壇上のビッグスクリーンに同時通訳されて字幕として流れる。

吉幾三の事である。何度も確認してセンスのある英語に翻訳させたのだろう。日本人の視聴者には、翻訳英語は見る事が出来ない。

だが青森弁が一言語られる度に、アメリカ人の観衆が眉をひそめたり、大笑いしたり、ついには涙を流す。

幾三にはアメリカ人の一般大衆を、そして審査員を唸らす、心を読み取る術を心得ている。彼こそ島国を飛び出した国際人である。政治家や官僚に期待出来ないセンスである。

幾三も日本に戻れば、旅芸人程度にしか扱われない。

幾三のセンスは、自分が惚れ抜いた“ともこ”のパンティに頬ずりするところで、アメリカ人全員の顰蹙をかう。アメリカ人特有の大げさなブーイングである。

だが彼らの反応が涙に変わる。付けまつ毛かマスカラが落ちるのを気にしてか、慎重に拭う。男性もテロップの歌詞を追い掛ける。男までもが涙を堪らえている。
完全に吉幾三の世界である。
そして最後には、青森弁の幾三に聴衆も審査員も総立ちの拍手だ...
G5やG7の首相よりもスケールがでかい。それに気付いて貰うには、残念ながら何十年のギャップが必要かも知れない。今回の候補者を眺めながら、そう思った。

これはバイアスのかかったヤンゴンからの無責任な独り言である。

只今のヤンゴン時間9月20日(月)午前10時15分

次回こそ話を本題に戻したいと思います。ですが“三つ子の魂、百まで”、ますます頑固になるのが心配です。

東西南北研究所


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