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<ミャンマーで今、何が?> Vol.482
2022.03.23
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━━【主な目次】━━━━━━━━━━━

■ 生かされるままに

 ・01: ヤンゴンでのオカルト現象

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・01:ヤンゴンでのオカルト現象

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忘れもしない先月2月2日のことである。クーデター一周忌当日を迎え、何もできず気持ちは荒んでいた。

千葉県に住む友人からメールを貰った。先月末白内障の手術をした。右目、日を置いて左目と手術は成功、眼鏡は不要となった。
勇気あり我慢強い友人は淡々と記述するが、弱虫にとっては余りにも痛々しく感じた。

インパール作戦で白骨街道を右往左往し、敗戦後もPOWとしてラングーンの捕虜収容所で一年間過酷な生活を強いられ帰国できた今は亡きその御父上。
そのヤンゴンの足跡をこの友人と訪ね歩いた。そこから二人は急接近していった。

上層部の将校はトラックを徴用して南下し隣国に、更には軍用機で台湾・日本へと逃げ帰った。
父君は下士官ゆえの使い捨てという辛酸の限りを体験して帰国された。亡霊のような姿で故郷の土を踏むことができたのは奇跡であった。

友人のメールで、ここヤンゴンで偶然出遭ったこと、そしてその父君を追慕すればするほど、気もちは太平洋戦争、ラングーン、我が祖国の対応に及んだ。

その2月2日の夜から体調がオカシクなった。目が開かなくなったのである。
昼も夜も眩しくて、まぶしくて開けるどころではない。
止めどなく涙が溢れた。涸れてしまうのでは、と思うほど、昼も夜も涙が溢れ出た。
ティッシュ、トイレットペーパー、タオル、これらはたっぷり用意してあったので助かった。
そしてイベルメクチンを教わった読者のTTさんにも想いを馳せた。

献身的なアマゾネスの介護で助けられた。誰もがクリニック、病院へと助言してくれた。しかし外国人をまともに扱う医療施設は皆無と学んだ経験がある。
外国人の病気が重篤となった場合、地元の医師は責任を問われる。医師資格を剥奪され、刑務所行きの罰則規定が適用されるのは必至だからである。
今の非常事態宣言下、国軍の武力による勝手気儘が蔓延している。病院行きは断念し、自宅療養が最善と全員に納得して貰った。

それにしてもアマゾネスの親身の介護には感謝している。炊事洗濯と交代で面倒を見て貰った。勝手知ったる自宅である、トイレとシャワーは手探りで全く問題なかった。

この奇妙な状態が丸々一月以上続いた。そして今月初めの夜、さらに奇っ怪なことが起こった。

ある夜、両目の痛みが少し薄らいだ。恐る恐る薄っすらと開けてみた。痛みはない。だが涙は流れ続けていた。辺りは真っ暗闇である。何時だろう。時間は全く分からない 

蚊帳を吊ったベッドはアマゾネス軍団に占拠され話し声は聴こえない。夜更しで、お喋りの連中だ、多分朝方と推測した。

私は一ヶ月以上、ヨガマットを床に敷き、室内で最も風通しの良い場所に寝かされていた。時には横向き、時には仰向きと、身体は自由自在である。枕の高さも調節出来る。

そこで天井に見たのが、ベランダの鉄格子の投射である。しかもクッキリと見える。カメラの歴史に残るピンホールカメラの原点を覗いている感じだ。

夜間でも停電でも、通りには街路灯が点っている。その薄明かりが鉄格子を通して天井に投影されていた。一ヶ月ぶりの風景である。現状を把握するのに暫く時間が掛かった。

友人の白内障手術を再現したように、右眼は信じられないほどクッキリと見える。だが左眼はまだ手術前のようだ。右目を瞑ると昔のように乱視近視ですべてがボヤケて見える。

繰り返すが、手術を受けたのは遠く離れた日本の友人である。
ヤンゴンの眼球には鋭利なメスは触れていない。その後医学辞書など徹底的に調べて見た。テレパシー、超異常現象、などという言葉が適切なようだ。
だが素人解釈で「念ずれば通じる」という日本の諺を採用したい。
深く追慕した御父上を通じてヤンゴンの乞食坊主に施しを受けたと感謝することにした。

相変わらずの涙目だが、掛ければ鼻眼鏡とずり落ちるメガネは不要となった。ガーリックや玉葱など料理のあと、目に染みるコンタクトも不要となった。この奇っ怪なオカルト(超異常)現象は御父上からの贈り物のような気がする。

これから慣らし運転に入るが、右眼と左眼の大きな落差に苦労している。しかもヤンゴンでは手術前の眼圧とか、角膜計測は受けていない。
だからクッキリ見えるといっても本来の老眼が治療された訳ではない。

DVDなどの映像は何とか追いていけるが、サブタイトルの細かい字にはかなり苦労する。右眼を細めても全く読めない。これは時間を掛けて解決策を探りたい。

もう一つ別の問題も出てきた。
今現在、旧世代の中国製スマホでメルマガ原稿をタイプしている。漢字確定の段階で、隣や上下の漢字を気付かずにクリックしてしまうのだろう。別の文章に変換されてしまう。注意に注意を払っているつもりだが、誤字は頻繁に発生する。

段々巧妙に、厳しくなる、国軍の動きも報じるつもりだった。
バッテリーが消耗し、次の電気回復を待たねばならない。電気が回復してもネットが不通だと気力が萎えてしまう。

今回は弊研究所がサバイブしていること、ついてはご心配御無用、ご放念頂きたいとの事務連絡に留めたい。

只今のヤンゴン時間3月22日午後3時15分。
本日は朝から何度もトロピカルシャワーが降った。ヤンゴンは盛夏の真っ最中である。気象庁はベンガル湾にサイクロン発生、今年はモンスーン雨季の開始は早まると予測している。

以上

東西南北研究所



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