******************************

<ミャンマーで今、何が?> Vol.484
2022.03.24
http://www.fis-net.co.jp/Myanmar

******************************


━━【主な目次】━━━━━━━━━━━

■ ミャンマー国軍で激震

 ・01: Dr.キンシュエ緊急続報

 ・公式ツイッター(@magmyanmar1)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━


=============================

・01:Dr.キンシュエ緊急続報

=============================


ゼイカバー集団が全国各地に所有する顕著な建造物、土地などの大半が軍事政権によって没収された。理由は軍事政権の許可無く取得・建築したことによるとされている。
同時に同集団の主要スタッフ12名も逮捕された。昨日のことである。

多くの日本企業が参加する工業団地を管轄するタンリン地区の商業大臣ウ・アウンタンウーも昨日逮捕された。

職掌柄、この人物は権益に関わる大物大臣なので、この逮捕がゼイカバー集団に限った罪科なのか、他に波及するのかを慎重に見分けたい。

Dr.キンシュエほどの権力者であれば、全国各地の一等地をゴリ押しで取得するのは、この国の慣例からして有りうることと一般市民は諦め顔で語る。

だがこれほどの大物が捜査逮捕のターゲットになったことは歴史的にも異例で、軍事政権がこの政商グループ全体を本気で潰しに掛ったと解釈すべきだ。

本日の緊急続報はここまでである。
ここから深読みに入りたい。

この事件と直接の関係はないが、総司令官は前々大統領のティンチョウ夫人に昨日会見を申し入れ、同夫人は健康不調を理由に断った。

これはどう観ても総司令官の安易で巧妙な罠で、断った元ファーストレディは賢明であったと解釈したい。

間もなくアセアンの代表2名が、二日間の予定でネイピードにやってくる。
一人は今年がアセアン議長となるカンボジアの副首相、もう一人はアセアン中央本部が置かれたインドネシアのアセアン事務局長である。
両者の役割は対極的というほど全く異なる。

アセアン議長は持ち回りで今年限りの担当。ジャカルタに本部があるアセアン事務局長はパーマネントの責務を負わされている。

ミャンマー訪問の目的はクーデター政権と反政府代表の双方と面談し、前回のアセアン首脳会談でMAHが約束したことが実行されたかを確認し、健全な民主化をメンバー国であるミャンマーに根付かせる方策を探ることにある。

その反政府代表に、組みやすしと甘く見たのか、元大統領夫人がMAHによって選ばれた。ドクター資格を持つ元ファーストレディーは健康がすぐれないとして、その申出を必死に断ったとされている。

ポイントはもう一つある。日本の現地外交官及びマスコミはアセアンの機構を本当に理解しているのであろうか、そしてそれを官邸のトップに伝達しているのだろうかという疑問である。

先日、日本の首相が駆け足でカンボジアを訪問し、フンセン首相と高級な赤ワインで乾杯した国際ニュースを見ていて、そう思った。

中国共産党べったりで、ポル・ポトの流れさえくむ、フンセン首相の言動は非常に危険に思える。
国内では自分の息子を後継者の首相に指名したばかりで、この老体は独裁化の傾向を強く打ち出している。

今年初め持ち回りのアセアン議長国に就任すると同時に、アセアン各国の合意も得ず、クーデター政権の叛乱者MAHの招待に応じることはアセアン憲法の主旨に反すると公然と激しくシンガポールのリー・シエンロン首相から非難された。インドネシアの大統領も同調している。

だから今回の2名の代表団は全く対極の発言、行動をするものと思われる。それに対する総司令官の対応に注目したい。

なおアセアンの機構を理解するにはアジア・アフリカ会議とも呼ばれる歴史的“バンドン会議”に立ち戻る必要がある。周恩来やスカルノなどの名前も飛び出す。

以上

東西南北研究所


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ご意見、ご感想、ご要望をお待ちしております!
 http://www.fis-net.co.jp/Myanmar
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
※「ミャンマーは今?」の全文または一部の文章をホームページ、メーリングリ スト、ニュースグループまたは他のメディア、社内メーリングリスト、社内掲示 板等への無断転載を禁止します。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
※登録解除については下記のページからおこなえます。
○購読をキャンセル: http://www.fis-net.co.jp/Myanmar
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
発行元:ミャンマーメールマガジン事務局( magmyanmar@fis-net.co.jp )
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━