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<ミャンマーで今、何が?> Vol.55
2013.7.31

http://www.fis-net.co.jp/Myanmar

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■チャオピューから中国向け天然ガス輸送が本格稼動

・BBB:(経済)
  B1:チャオピューから中国向け天然ガス輸送が本格稼動
  B2:新しい浚渫船が中国から到着

・CCC:(生活一般)
C1:スーレーパゴダでホームレスが女児を出産
C2:ミャンマーの各地で豪雨発生

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・チャオピューから中国向け天然ガス輸送が本格稼動

・BBB:(経済)
  B1:チャオピューから中国向け天然ガス輸送が本格稼動
  B2:新しい浚渫船が中国から到着

・CCC:(生活一般)
C1:スーレーパゴダでホームレスが女児を出産
C2:ミャンマーの各地で豪雨発生

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BBB:(経済)

B1:チャオピューから中国向け天然ガス輸送が本格稼動

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7月30日付国営新聞NLMにミャンマー通信配信として掲載されたこの記事を今回は詳しく追ってみたい。この記事は第1面に掲載された記事よりははるかに重要度が高いと判断するが、あえて最終ページにひっそりという感じで掲載された。英語で言う、ロー・プロファイル(目立たないように)の扱いである。

このプロジェクトはチャオピューの深海港を含めてその一帯の工業団地もすべて中国が取り仕切り、並行して走る2本目のパイプラインは中東からタンカーで運ばれる原油を同港で接続して中国に輸送するもので、天然ガス・原油ともに急成長を遂げる中国経済にとってはエネルギーの大動脈となるものである。そして中国海軍はそれを理由に原油輸送の安全確保のために中国艦隊をチャオピュー深海港に派遣すると公言している。

NLMによれば、チャオピューのShwe Offshore Natural Gas Projectの天然ガス輸送開始を記念する式典が7月28日朝ヤンゴンのインヤーレイク・ホテルで行われた。この式典にはニャウントゥン副大統領の他にウ・キンマウンソー、ウ・ゼイヤーアウン、ウ・タウンテイなどの連邦大臣、副大臣、各省のトップが列席した。

それに加えて、ヤンゴン地区ウ・ミエンスエ首席大臣および地区の諸大臣、そして中国人民共和国からはMr. Zhang Yunqing国家エネルギー局副大臣、韓国からは貿易・工業・エネルギー省のMr. Jin Hyun Han副大臣、Daewoo、ONGC、GAIL、KOGAS、POSCO、SEAGP各社の社長、CEO、最高責任者たちが出席した。

まずはミャンマーの副大統領が祝辞を述べ、続いて韓国の副大臣、そしてPOSCOの代表が賛辞を贈った。

これらの顔ぶれを見るとミャンマー側は副大臣の出席によってこのプロジェクトをいかに重要視しているかが読み取れるし、当初のマスコミ報道では中国主体のプロジェクトとそちらが強調されていたが、この天然ガスに関しては韓国が深く介在していたことが明らかになった。POSCOは韓国最大の鉄鋼会社でパイプラインおよびインフラの資材提供で重要な役割を担ったものと思われる。

午後からは、ミャンマーの副大統領以下の一行はマンダレーに飛び、マンダレー近郊アマラプーラ町区に新設されたミャンマー・中国天然ガス・パイプラインのコントロール・ステーション完工式典に臨んだ。この式典にはマンダレー地区首席大臣およびマンダレー地区最高司令官を含めて政府高官が出席し、各国の最高首脳も参列した。そしてお歴歴からは同様に祝辞が述べられ、CNPC会長からはパイプラインの輸送開始が宣言され、副大統領とともに諸大臣・貴顕たちが天然ガス輸送開始のボタンを押した。

最近、敷設が完了した天然ガス・パイプラインは口径40インチ、全長793kmで、1,450ポンドの圧力に耐え、一日12億立方フィートの輸送が可能だが、最初は一日1億立方フィートから開始し、4億立方フィートの天然ガスが中国へ輸送され、10千万立方フィートがミャンマーで使用されるとしている。これによって国内使用は2千万立方が地元チャオピューへ、23百万立方がYenangyoungへ、57百万立方がTaungthaで使用される。

これらの天然ガスは国内の一般使用だけでなく、工業団地への供給も考慮されている。

中国海軍のチャオピュー派遣はベンガル湾・インド洋水域における覇権問題とも絡み、インド海軍はもちろんのこと、米国政府がパワーゲームの神経を尖らす問題である。

そして中国海軍はこの7月24日に親善訪問の名目でMV Haixun 01号をヤンゴン港内のボーアウンチョー桟橋に寄港させている。それだけでなく、中国の外交政策は正面攻撃、側面攻撃、後方攻撃と実に多岐にわたり、7月23日には中国の人民解放軍中央軍事委員会のFan Changlong(将軍)副議長一行が首都ネイピードを訪れ、テインセイン大統領と握手を交わし、ミャンマー国軍の最高司令官ミンアウンライン上級将軍を含む政府高官と会談した。

なお、ミャンマー国軍儀仗兵の栄誉礼を中国の将軍はレッドカーペット上で最高司令官とともに閲兵した。そして両国の国軍最高幹部は両国の相互理解、協力を名目として話し合いを持ったとされているが、実際の会談内容は流れてこない。

両国間における本当の合意事項は国営新聞から読み取れないが、ミャンマー・中国関係の動きは政治・軍事・経済ともに目が離せない。行間からは中国が各方面でイメージチェインジを図っているのは事実で、民主化の進展とともに環境問題を含めた活動家たち、そしてマスコミが、どのような反応を示すかも興味あるところである。


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B2:新しい浚渫船が中国から到着

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7月28日朝、中国からの浚渫船がスーレー桟橋で受け渡された。

これは2010年12月13日に、中国のCATIC Co社とミャンマー運輸省傘下のDWRIRS者との間で締結された合意書に基づくもので19隻の浚渫船と補助船を購入する契約となっている。

そのうちの14席の浚渫船と補助船は7月20日にヤンゴンに到着し、残りの浚渫船、補助船、スペアパーツは8月第3週に到着することになっている。

これらの浚渫船はイラワジ川・チンドウィン川で水路の保全に使用される。


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・CCC:(生活一般)

C1:スーレーパゴダでホームレスが女児を出産

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ミャンマーは政治と経済を中心に大きく変貌しているが、それは外部の人間の印象と誤解である。路上の喫茶店でたむろする若者たちも、何か新しい空気は感じるものの、大学にもいけず職もない自分たちはどうすればよいのか、焦りと漠然とした不安に駆られている人たちも大勢いる。ミャンマーの現実はほとんど変わっていないどころむしろ悪化している状況を伝える記事を7月30日付NLMに見つけたので、これを転載しよう。

25歳のホームレス妊婦が、スーレーパゴダ境内にある一室で女児を産み落とした。この若い女性はパゴダを清掃していた女性たちに大声で助けを求め、7月26日朝8時半パゴダ境内で無事女児を出産した。だが誰がこの子供の父親かについては硬く口を閉ざしている。

清掃人たちによれば、この女性はイラワジ地区の出身で両親を亡くし、3日前にヤンゴンにたどり着き、毎日パゴダで寝泊りしていたと語っている。生活の糧は路上でタバコを販売することで食いつないでいたとのことである。この女性は男のようにシャツとロンジーを身に着けていたために妊娠していたことに誰も気付かなかった。

スーレーパゴダの清掃人の話では、巡礼者の一人が母子をつないでいたへその緒を切断し、別の巡礼者は30,000チャットをこの女性に与え、他の巡礼者たちもこれに見習ったという。そしてタクシーの運転手がボランティアでこの母子を病院に送り届けたとのことである。病院の看護婦主任によれば、母子ともに健康であれば48時間だけ病院の看護を受けることが許される。


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C2:ミャンマーの各地で豪雨発生

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ベンガル湾で発生した低気圧が居座っているようで、ミャンマーの各地に豪雨をもたらし、各地で洪水被害を出している。ヤンゴンでも朝・昼・晩スコールが襲い、モンスーン雨季はいよいよ本格化してきたようだ。



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