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<ミャンマーで今、何が?> Vol.94
2014.05.14

http://www.fis-net.co.jp/Myanmar


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■第24回アセアン会議ホスト国

 ・01:第24回アセアン会議ホスト国

 ・02:仏陀の日

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01:第24回アセアン会議ホスト国

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ミャンマーが議長国を務める第24回アセアン諸国連合首脳会議がミャンマーの新首都ネイピードで5月10−11日に開催された。これは1997年にミャンマーがアセアンに加盟して初めて議長国を務めるものである。

アセアンの議長国は国名のアルファベット順による持ちまわりとなっており、ミャンマーは本来2006年が議長国であった。しかし、当時の軍事政権およびその人権無視・乱用に対する、特に米国・欧州連合の圧力は厳しく、ミャンマーのアセアン・メンバー国からの資格剥奪をしない限り米国および欧州連合はアセアン諸国連合との協力は行わないという強硬姿勢をとったため、ミャンマーは2006年のアセアン議長国を断念した経緯がある。

しかし、2011年にテインセイン大統領による新政府が発足するや、政治犯の大量釈放、インターネットの検閲廃止、言論・報道の自由、政治・議会制度の改革、通貨制度の改革などなど国内解放および民主主義に向けた改革が急ピッチで進み、ミャンマーに対する欧米による制裁が段階的に解除され、アセアン・メンバー諸国からもミャンマーの民主化に向けた努力が評価され、2014年のミャンマーのアセアン議長国が前倒しで認められることとなった。

従って、今年2014年のアセアン議長国はミャンマーにとっての悲願でもあり、海外に向けて民主主義国家ミャンマーを訴えるミャンマーのデビュー戦でもある。テインセイン大統領個人にとっても、今年一杯はアセアン議長として采配を振るわねばならない。今年11月にも地元ネイピードで第25回アセアン諸国連合首脳会議が予定されている。その他にも議長国として、今年一杯は、外相会議、財務相会議、もろもろのサブ・コミッティーがふんだんに用意されている。

今回もアセアン開催直前に隣国タイのインラック首相の退陣で出席者の顔ぶれが突然変わり、最近の南シナ海での領土を巡る中国の強硬姿勢に、フィリピンとベトナムからは武力ではない対話による解決への一致団結した強いサポートを求められるなど、今回は84件の問題が議題として提出された。だが、初日の歓迎晩餐会からテインセイン大統領は夫人とともに堂々としたホスト振りであった。これは軍人としての筋金が入っているせいか、個人の資質かは分からぬが、議事進行の舵取りも、大勢のメディアが詰め掛けた議長記者会見でも、実に堂々たるモノである。

これらはすべて孤立無援の状態から、強硬な保守派を真綿で首を絞めるようにゆっくりと遠ざけ、真に改革派になれるかをテストした上で、側近として身近に固めて、大臣・副大臣をはじめとして高級官僚を新体制で組織していったテインセイン大統領の手腕であると同時に自信と見てとれないだろうか。新政府発足当時は、アウンサンスーチーのついでにネイピードに顔出しする海外の元首・要人が多かったが、今はテインセイン大統領の海外への影響力は完全に逆転している。何度かの海外旅行を経て、テインセイン大統領の評価は高まる一方である。

そこで、中国からの圧力にも屈せず、今年一杯のアセアン議長を見事にこなせば、そしてもうひとつの重要な要因として、現在2015年の大統領候補に与党のメンバーとして名前の挙がっているシュエマン下院議長およびミンアウンライン最高司令官に何らかの不測の事態が発生すれば、海外のほうからテインセイン大統領の再任を望む声も上がらぬとは限らない。その声が闇将軍の最終決断に何らかの影響を与えぬとも限らない。

だが、テインセイン大統領は、心臓に爆弾を抱え、ペースメーカーを埋め込んでいる身。本人は予定通り2015年での引退を望んでいるとか。



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02:仏陀の日

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5月13日(火)はミャンマーでは国民の休日である。この日はミャンマー暦によると満月である。お釈迦様の生まれたのが満月の日、悟りを開いたのも満月の日、そして入滅(涅槃)に入ったのも満月の日であった。そして5月の満月の日は仏陀の日といって、特別に有難い日とミャンマーの人たちは信じている。

この日、シュエダゴンパゴダをはじめとして、ミャンマー各地のパゴダは朝から晩まで善男善女で一杯になる。そして間違いなくそこで大きく枝葉を広げているマハ・ボディの樹に特別の容器に汲んだ水を注ぐ。

マハ・ボディはミャンマー語だが偉大な仏陀の樹という意味だ。英語ではバニアン・ツリーといい、日本語ではボダイジュの樹という。正確にはインドボダイジュの樹だ。この樹の下でお釈迦様が悟りを開いたとされている。

ボダイジュの木の実は、実はカラスの大好物だ。カラスは天下を見渡す高いところが大好きだ。だから、そこで天下を睥睨しながら、所構わず糞をする。カラスの糞にも多分肥やしになる養分がたっぷりと含まれているのだろう。そこに雨の一滴、あるいは上下水道の漏水が注がれるとこの生命力たっぷりの菩提樹の樹はビルの屋上だろうが、横だろうが、軒下だろうが、ぐんぐんと芽を出し、根っこはコンクリに割れ目を作りながら、そこに居ついてしまう。

だからミャンマーではこのボダイジュが自分のアパートに芽を出すのを恐れている。アンコールワットの遺跡が永いことこんもりとした森林に覆われていたのは、このバニアン・ツリーのせいである。アンコールワットなどの旧い建築物には石灰が使用されており、その石灰を水が溶かすとバニアン・ツリーの根っこには願ってもない肥料養分となるのだそうだ。

ヤンゴンの街歩きでも、旧い建物に出くわすことはよくある。英国の植民地時代を思わせるような年代モノでなくとも、手入れの悪い建物は10年も経つと、クラシックに見えてくる。その建物をじっくりと見上げると間違いなくボダイジュの樹が元気よく育っている。あんな高いところに肥料も水もやらないのに、どうしてあんなに元気にと思えるほど緑ミドリしている。


というところで、パソコンがおかしくなってしまった。やはり暑さのせいでしょうか?
今回はこれで失敬します。






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