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<ミャンマーで今、何が?> Vol.96
2014.05.29

http://www.fis-net.co.jp/Myanmar


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■英語ノススメ!

 ・01:スーチーさんの英語力

 ・02:アウンサン将軍の英語力

 ・03:世界を制覇した英語

 ・04:ミャンマーの日本人

 ・05:ミャンマービジネスは英語で!!

 ・06:情報収集は英語が有利

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01:スーチーさんの英語力

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週刊メルマガ第一回配布準備号の2012年7月4日付で、“ミャンマーの民主化はスーチーさんが英語力を欠いていたら実現不可能だったのでは?” と書いた。

今回は、この<英語>をテーマに語ってみたい。



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02:アウンサン将軍の英語力

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同じ第一回配布準備号でお伝えしたエピソードがある。それはスーチーさんがミャンマーを代表する映画人に語った父親の思い出話である。“私の父は僧院の学校に通い、英語は決して上手ではありませんでした。ヤンゴンの大学に入ると、ルームメートはドイツ系ビルマ人で非常に流暢な英語を話していました。インヤーレークの湖畔を二人で散策するとき、パパは友人に必ず英語で話してほしいと頼み込み、英語の練習をしたそうです。父は英語が苦手だということを自覚しており、何とか克服したいと努力していました。だから恥ずかしがらずに友人に頼むことができたのでしょう”。

もう一人別の証人を見つけた。ビルマ独立後にビルマの副首相も務め、アウンサンとは学生時代からの親友で、三十人の志士の一人でもあったボー・レッヤァが書き残している。

「想い出すのはラングーン大学学生連盟の集会でコージー・ヌー議長が演説したときのことだ。議長は英語で語りかけた。その英語は完璧ではなかったが、学生たちは吸い込まれるように聞き入っていた。演説が終わると熱烈な拍手が沸き起こった。続いてアウンサンが立ち上がり英語で演説した。その場でアウンサンの英語を理解できるのは誰一人としていなかった。アウンサンは明らかにバモー博士やマウンマウンジーの雰囲気を真似ようと懸命だった。だが、それは悲惨な見世物となった。学生はブーイングを始め、ボー・レッヤァもそのブーイングに加わった。アウンサンは学生たちの苛立にも構わず、自分の演説に酔いしれ、最後まで平然と話を続けた。ボー・レッヤァは聞いているだけでくたびれてしまった。」

ボー・レッヤァの回顧録は続く。

「アウンサンは英語担当のロードス教授に用があり、ボー・レッヤァを誘って行った。そして二人は英国人のこの教授と話をした。問題はその帰路である。アウンサンはロードス教授の会話は全部分かったかいと聞いてきた。そこでボー・レッヤァは答えた。どんなことを話しているかはおぼろげに分かったが、細部はまったく分からなかった。するとアウンサンは大きく頷き、その通り僕も一緒だ、と白状した。二人とも英語力は実際のところ劣っていた。これからは、自分たちの英語力を磨くために教授団にたびたび会う必要がある。それに、かなりの練習量が必要だ。これまでは教えられるままに勉強してきたが、英会話の理解力がどれほどお粗末なのか我々はまったく知らなかった。これからは英語をもっともっと勉強しなくては、とアウンサンはボー・レッヤァに語った。」

だが、その後のアウンサンの英語での演説はめきめきと上達していった。アウンサン自身がボー・レッヤァに語ったところでは、個室に篭り何時間も訓練を繰り返せば、それは不可能ではないと。」

この部分で見逃してはならない事実がある。あの時代、ラングーン大学ではインテリの集まる学生集会だからこそなのか、母国語ではなく英語で話すという慣習があったようだ。当時、大学は英国の管理下に入っている。張り巡らされた英国のスパイ網からすれば、英語で演説させるよう仕向ければ、学生たちの考えが声高に主張され、その内容を容易にモニターできる。これが英国の仕組んだ巧妙なアイデアかどうかは不明だが、学生のインテリ心をくすぐる妙案であることには間違いない。

一方で、これらはアウンサンの当時の英語力を伝える絶妙のエピソードでもある。後日、アウンサンはダウニング街10番地の英国首相官邸で、アトリー首相とビルマを代表して差しで交渉するほどの英語の使い手となった。アウンサンの歴史的な録音音声を聞いたことのあるミャンマー人および欧米人はアウンサンの英語力を高く評価している。

その後出会う南機関の鈴木敬司大佐とも英語で友情を育み、インドのネルー首相とも英語で語り合い、英国の主だった人たちと英語で話している。

だが、これらのエピソードが伝えるとおり、英語に関しては完全にゼロからのスタートであった。日本人と同じ条件である。どれだけ、アウンサンが努力に努力を重ねたかが良く分かる。



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03:世界を制覇した英語

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2014年の今、ミャンマーは万国博覧会の様相を呈している。世界各国の政治家、ビジネスマン、ボランティア団体、文化団体などがトレンディなネイピードとヤンゴンに押し寄せている。そこでの共通言語は「英語」が大勢を占めている。

旧約聖書によれば、バベルの塔の崩壊で世界中の言語は乱れた。バラバラになった言語をポーランドのユダヤ人眼科医ザメンホフはエスペラントという国際語を考案しその普及に努めた。しかし、国際的な通信手段としてはいまいちヒットしなかった。だが、インターネットの爆発的な普及で、世の中はあっという間に「英語」の時代になってしまった。

テインセイン大統領は通訳を媒介して世界の首脳と交歓するが、アセアンの大半の首脳は英語が堪能だ。だが、やはり中国・韓国・日本の首脳は徹底的に英語を苦手とする。そして専属の通訳を連れて世界を旅している。一方、豊富な言語が個別に存在する欧州では、英語での交流に今では躊躇しなくなった。むしろ積極的に英語で交流している。一昔前までは、英語を理解するフランスのインテリは英語で話しかけられると下品な言語と言わんばかりに、世界で最も美しいフランス語で返事をしたものである。

だが、英語が苦手な東洋諸国の中で、かって大英帝国の植民地であったインド・スリランカ・ビルマ・マレー・シンガポールなどのインテリ連中は英語が達者だ。だが、母国を普段使用する彼らにとっては、努力の末に習得したものである。



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04:ミャンマーの日本人

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若い一部の日本人を除いて、そして肩書きが偉くなればなるほど、日本語が堪能なミャンマー人に頼りきる日本人が殖えてくる。幸いなことに、日本に長期間滞在し、日本語が達者なミャンマー人が多いので、必然的にそうなるのかもしれない。だが、そこに落とし穴がある。口八丁手八丁で日本語は達者でも、日本語メールでの確認・返事が苦手なミャンマー人も非常に多い。

この通訳に頼る方法は、そのミャンマー人の育ち、経歴、経験、知識、ネットワークによって、情報の収集能力に大きな差が出てくる。

ヤンゴン大学卒業と聞くと、ミャンマーの東大卒と解釈しがちだが、軍事政権の弾圧を受けていた時代の大学だと、ろくに授業を受けていない、勉強していない世代もいる。

アウンサン将軍と同じく刻苦勉励して日本語をマスターしても、下層階級の出身だと、ネイピードのお偉いさんにまともな口が利けなかったり、日本人が説明するネガティブな説明を飛ばして通訳するミャンマー人も少なからずいる。時間だけでは計測できないが、日本人が滔々と5分間演説したのに、効率的に1分間で通訳を終了する達人もいる。このブラックホールの4分間に日本人の話のどこが相手に伝わっていないのかが、非常に気にかかる。

同様に、ミャンマー人は相手に心地よい話は、いくらでもするが、耳にいたい話は、極力後回しにする文化がある。下手すると面会時間が切れ、要点のネガティブ情報は相手に伝わらずに終わってしまうこともある。この延長線上に、翌日の休暇の申し出を退社時間に言い出したり、ひどいときには当日の朝に電話で通告されたり、もっとひどいときには本人からの電話でなく、別人が会社に電話してくることもある。日本人からすると、そんなことは最初に言ってくれよと言いたくなる。

ヤンゴン大学と異なり、ピンウールインにある国防士官学校卒業生だと、クラスメートのみならず、同期生(英語ではsame batchが同期の桜だ)、先輩、後輩の非常に幅広いネットワークを作り上げており、質の高い情報が入ってくる。

同様に、将軍の娘が通訳だと、どんな高官にも臆せず、日本人の話すネガティブ・ポジティブな意見を堂々とまくし立ててくれる。

果たして、このような環境下で日本語の通訳に頼っていて大丈夫だろうか?



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05:ミャンマービジネスは英語で!!

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やけに英語の達者なミャンマー人に出会うことがある。年齢的にも中高年以上で、説明が理路整然としていて、説明に説得力がある。しかも、ミャンマーの歴史に詳しいだけでなく、世界の情勢にも通じている。これがヤンゴンだと、セント・ポール高校の出身だと言う。地方出身だと、その都市の有名なミッション・スクールの卒業生だと言う。

そしてミッション・スクール出身のせいか、彼らはジョージだとか、ダニーだとか、ブライアンなどと呼び合っている。かといって、クリスチャンではなく、敬虔な仏教徒だ。

彼らと友人関係を確立するには、英語が最も手っ取り早い。彼らのネットワークで入手できる情報には質の高いものがあり、また、より親しくなると、彼らの的確な友人を紹介してくれる。だが、ここで要求されるのは、日本人であっても彼らと英語で交流できる能力が必要とされる。街中で時々出会う、日本語の達者なミャンマー人は、いわゆるブローカー業務に従事し、何でも屋的なところがある。英語でいうと、“Jack of all trades and master of none”で、何にでも手を出すが、何一つ成功したためしがない、となる。

英語なんていうのは、交流のあるいはビジネスの、単に道具(Instrument)でしかない。決して日本人の魂を鬼畜英米に屈服して売り渡すことにはならない。確かに一部の英米人で日本人の英語をジャパングリッシュ(Japanglish) などと揶揄して“下手な英語の代表”みたいに馬鹿にする輩もいることはいる。そういう連中には世界で最も表現力が豊かで、50文字のアルファベットすべてを一回だけ使用して仏教の真髄を詩にできる国語はこの世にないはずだと教えてやればよい。そして、色は匂えど、散りぬるをと、いろは歌を聞かせてやればよい。そしてABC・・XYZ26文字を一回だけ使用して聖書の真髄を語ってみろ、SUDOKUの要領だ、と言ってやれば良い。




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06:情報収集は英語が有利

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だが、今の時代は、英語での情報分量は日本語の、中国語の、それをはるかに上回っている。それはグーグル検索でも、ウィキペディアでも、ウィキリークでも、英語バージョンは日本語バージョンよりもはるかに充実している。だから、情報収集には、日本語バージョンだけに頼っていたら、欧米人に負けてしまう。今は「英語」の時代なのだ。その一方で、いろはにほへとを学習する難しさは英米人にとっては大きな壁となっている。

かって日本では、太平洋戦争時、英語は敵性語として使用が禁止された、中国でも、文化大革命時代、洋行帰りの大使館員の家族は街中の晒し者となった。一方、欧米では積極的に敵性語である日本語のプロを養成していった。その一人が、太平洋開戦時、海軍の日本語学校に学んだドナルド・キーン氏である。

それだけに、今の時代にも海外でビジネスを行うのに、日本語だけで通している日本人を見ると、気分は太平洋戦争時代ではないのかと考えてしまう。

ミャンマーでビジネスを検討中の皆さまには、是非とも英語にチャレンジしていただきたいと、お勧めする次第である。

というのが、日本語はぺらぺらだが、英語が苦手とおっしゃる皆さんで、じっくり考えてみると、英語の語彙が相当インプットされているのが大半だ。

身の回りだけでも、シーリング、フロア、ウォール、カーテン、ライト、ランプ、ウィンドー、ワイングラス、カップ、ジュース・・・気の遠くなるほど膨大な語彙を身につけておられる。ウィスキーをウォーターで割ってドリンクしたいなど、冷静に考えれば、たいていの用事は足せるほどの語彙力である

ただ問題は、その発音が文部省のマニュアルで授業を受けた人たちばかりなので、世界市場では通用しない。そこのきっかけさえ掴めば、あるいはコツさえ習得すれば、教養のない英語を話すなんて簡単なのである。その点で、文部省のお粗末な英語教育を長いこと受けてきた影響には恐ろしいものがある。その悪影響を小学生の時代から植えつけようと文部省はがんばるものだから、日本人の英語はますます世界の笑いものになっていく。

英語なんてものは、人に習うものではなく、アウンサン青年よろしく、個室に篭って一人で勉強するものである。そうすれば、アナタも英国の首相と差しで話しができるようになるだろう。

東西南北研究所も、文部省からの悪影響を吹っ切るのに無駄な時間を費やしたが、今では世界のミャンマー情報をNYタイムズ、ワシントン・ポスト、BBC、ガーディアン、などなど世界の一流紙、通信社からダウンロードし、片っ端から目を通している。そしてミャンマーの日韓英字新聞、ニュー・ライト・オブ・ミャンマーから、国内の動きを拾っている。しかし、出だしはアウンサン青年と同じくお粗末な英語力であった。しかも、不幸な文部省教育を受けたというハンディキャップを背負ってのスタートで、この点では英語がお粗末だったアウンサン青年にも劣るスタートである。

ということで、“為せば成る”精神で、アナタにも是非挑戦していただきたい。このミャンマー市場で欧米勢力と競争するのであれば。日本語のできるミャンマー人よりも、英語のできるミャンマー人の数はダントツに多い。太平洋戦争時代の伝統から脱皮する時代のような気がします





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